DNAスコア
国内最多1,528カ所のDNA領域を調べる、確かな遺伝子検査。
病気のリスク・知性・感性・身体能力を「DNAスコア」として評価します。
自分はどのような病気にかかりやすい体質なのか、自分に備わっている能力はなにか。
誰もが「本当の自分」について確かな情報を知りたいと願っています。
しかし、メディアやネットには情報があふれ、何が自分にとって正しいのかを判断するのは、とても難しい時代です。
そんな時代に確かな指標となるのが「遺伝子検査」です。
あなただけの遺伝子情報によって、体質の傾向や将来の疾患リスクの可能性を調べ、病気の早期発見や生活習慣の改善に生かすことができます。
seeDNAの遺伝子検査サービス「DNAスコア」は、年間3千件以上のDNA鑑定で培った技術と実績を元に、あなたのDNAを正確に解析し、カテゴリー別に評価いたします。
周りに左右されない「本当の自分」を、ぜひDNAスコアで見つけてください。
DNAスコアの特徴
国内最多1,528カ所のDNA領域を検査
国内には数多くの遺伝子検査サービスがありますが、3、4カ所の免疫に関わるDNA領域を検査するだけの血液型占いのようなサービスも少なくありません。
「DNAスコア」では国内最多となる1,528カ所ものDNA領域を検査することによって、より正確な疾患リスクや体質の傾向を調べることができます。
年間3,400件以上のDNA鑑定による信頼と実績
seeDNAは妊娠中の親子鑑定をはじめとして、年間3,400件以上のDNA鑑定を行っている遺伝子検査のプロフェッショナルです。
鑑定結果は国内や海外の行政機関で裁判や調停などに利用されるなど、確かな信頼と技術による遺伝子検査をご提供します。
DNAのスコアリング
検査を受けたDNAが日本人の中で上位何%に位置するかを数値で確認ができます※。また、心血管系、呼吸器系など17のカテゴリー別にスコアリングの確認ができます。
遺伝子検査をきっかけに生活習慣の改善
DNAスコアでは、遺伝子要因に生活習慣などの「環境要因」が加わることで発症する疾患リスクを検査します。
そのためリスク判定の結果が出た場合でも、環境や生活習慣の改善で病気の予防ができる可能性があります。
パートナーとの「DNAの相性」を無料検査
パートナー同士でDNAスコアを受けた場合、さらに2人のDNAの相性が分かる「DNAマッチング」サービスを無料で受けることができます。パートナーとの遺伝的マッチング度を計算し、将来生まれてくる子どもに伝わる病気のリスクや才能についても把握できます。 詳しくは下記を参照ください。
※ 弊社が持つ日本人男女データベースより算出
検査結果レポート
DNAの領域(SNV/SNP)に関わる疾患リスク等を、カテゴリー別にスコアリングし、日本人全体(男性/女性)の中で上位何%に位置するか、具体的な数値で示します。
「病気のリスク」では、以下の17個のカテゴリーについて検査を行います。
(心血管系、呼吸器系、泌尿器系、骨格系、神経系、代謝系、内分泌系、造血系、免疫系、発癌・腫瘍系)
※総合的もしくは検査項目別に、ご自身の検査結果を確認することができます。
DNAの領域(SNV/SNP)とは
DNA配列上で1つの塩基が他の型(A,T,G,C)に置き換わっている領域です。
全ての人間のDNAは99%以上同じですが、個人により少しずつ違うDNA領域があり、例として「AATAA」という配列が「AAGAA」になっていることをいいます。
特定の遺伝子や重要な機能を担っている一つの塩基が別の塩基に置換される変異のため場合は、特定の病気のリスクや体質などに影響を及ぼすことが知られています。
弊社では次世代DNA配列分析装置によるSNV/SNP解析を開発し、その技術を用いた妊娠中の親子鑑定など、SNV/SNP解析において確かな実績がございます。
各カテゴリーについて
詳しくは下記の各カテゴリーをご覧ください。
DNAスコアの費用・期間
費用 | 29,800円 |
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期間 | 11営業日 |
お申込み |
近日公開予定 |
※鑑定期間は土日祝日を除く平日のみをカウントした日数です。
DNAスコア 鑑定の流れ
鑑定の流れ
Step
お申し込み
Step
キット送付
Step
検体採取・返送
Step
結果報告
注文 → 入金とキット発送 → 綿棒による検体採取 → ポストに投函 → 検査開始 → 結果報告

DNA鑑定
の申込書- 同意書(2枚)
- 検体採取用キット(綿棒2セット)
DNA鑑定
検体採取方法パンフレット- 「口腔上皮細胞」のDNA採取方法
- 返信用封筒
近日公開予定
心血管系
「rs1042713」は、β2アドレナリン受容体遺伝子(ADRB2遺伝子)のSNPで、GG、GA、AAと3つの遺伝子型があります。
β2アドレナリン受容体は、自律神経に関係するホルモンと結合する受容体であり、代表的な機能は平滑筋の緊張を緩めることです。 平滑筋とは自分の意思では動かす事のできない筋肉のことで、自律神経によってコントロールされています。そのため、β2アドレナリン受容体は血管を拡げる役割をしており、心血管系の病気に関与することが多いといわれます。
中国の研究チームによると、心筋梗塞などの冠動脈(心臓に栄養を供給する血管)が遮断される病気を持つ人々では、健康な人々と比べて、rs1042713のGがAに置き換わっている頻度が高いことが示されています。また、中国人集団において、rs1042713の46位のAがGに置き換わっていると、本態性高血圧(原因がはっきりしない高血圧)のリスクを増加させる可能性があることが示されています。
日本人においては約9割が本態性高血圧だと言われており、遺伝的要因や生活習慣などの環境要因により引き起こされる病気です(リンク参照)
参考リンク: https://www.juntendo.ac.jp/hospital/clinic/zinzo/about/disease/kanja02_08.html
呼吸器系
「rs1042713」は、 β2アドレナリン受容体遺伝子(ADRB2遺伝子)のSNPで、GG、GA、AAと3つの遺伝子型があります。
β2アドレナリン受容体は、自律神経に関係するホルモンと結合する受容体であり、代表的な機能は平滑筋の緊張を緩めることです。 平滑筋とは自分の意思では動かす事のできない筋肉のことで、自律神経によってコントロールされています。そのため、β2アドレナリン受容体は気管支を拡げる役割をしており、呼吸器系の病気に関与することが多いといわれます。
イギリスの研究チームによると、rs1042713においてGAやAAの遺伝子型を持つ小児患者では、一般的な吸入薬(LABA)による喘息の症状が悪化するリスクが高まることが報告されています(参考リンク1)
また、疾患との関係性だけでなく、心肺機能などの身体能力に関わる遺伝子として注目されています。
ギリシャの研究チームの報告によると、習慣的にランニングを行っている男性アスリートでは、 rs1042713において遺伝子型にAが対立することと持久力パフォーマンスが関与していることが示唆されています(参考リンク2) すなわち、rs1042713においてAAの遺伝子型を持つ人はGGの遺伝子型を持つ人よりも持久力に優れる可能性が高いといえます。
参考リンク1:https://www.jacionline.org/article/S0091-6749(15)01734-0/fulltext(小児喘息)
>参考リンク2:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20044476/?dopt=Abstract(持久力)
代謝機能
「rs1042713」は、 β2アドレナリン受容体遺伝子(ADRB2遺伝子)のSNPで、GG、GA、AAと3つの遺伝子型があります。
β2アドレナリン受容体は、脂肪を構成する脂肪細胞に存在することから、生活習慣病である肥満との関連が示唆されています。
日本の肥満関連遺伝子多型と環境要因チームの報告によると、ADRB2遺伝子に変異を持つ人では、安静時基礎代謝量が100kcal増えることが認められています。そのため、ADRB2遺伝子に変異を持つ人は基礎代謝量が多く太りにくい体質とされます(リンク参照)
骨格筋(筋力の強さ)
骨格筋(筋力の強さ)
αアクチニン3は筋肉を構成するSNPで、筋肉に力を入れると、分子レベルでは戸袋に戸が入るような動きをします。αアクチニン3はこの戸袋を支える柱の役目をしています。
αアクチニン3は骨格筋のうち速筋に分布し、アミノ酸の一種であるアルギニン(R)から合成中止の合図である終止コドン(X)に変化するとαアクチニン3ができなくなります。 この2つの組み合わせでRが多いほど、CC, CT, TT (RR、RX、XX)の順に、筋肉がつきやすく太くなりやすい、力が強くスピードが速い、スポーツやトレーニングに関連する怪我をしづらくなるという研究があります。
αアクチニン3ができないTT (XX)の場合でも、かわりにαアクチニン2が働くため、病気になることはありません。日本人でのそれぞれのタイプの割合はCC (RR) 25%、CT (RX) 50%、TT (XX) 25%とされています。 この遺伝情報をもとに、トレーニングの種類や時間を検討すると、トレーニング効果が高まり、けがをしにくくなるなどの可能性が考えられます。
音読力
「rs764255」は、 ZFHX3遺伝子のSNPでCC、TC、TTと3つの遺伝子型があります。
・ZFHX3はDNAと結合するタンパク質の一つで、神経細胞の成熟過程において重要な役割をしています(参考リンク1) 記憶や思考能力がゆるやかに障害されていくアルツハイマー病において、神経細胞のZFHX3が異常に増えていることが知られています。
・オーストラリアの研究チームの読解力と言語能力に関する報告によると、rs764255において遺伝子型にCを持つほど、音読力に優れていることが示唆されています(参考リンク2)。 すなわちrs764255においてCCの遺伝子型、TCの遺伝子型、TTの遺伝子型の順に音読力に優れている可能性が高いといえます。
・音読力とは、言葉や文章を声に出して読む能力のことで、文書の意味を理解する読解力と密接な関係にあると言われています(参考リンク3)。 また、オックスフォード大学実験心理学部によれば、読解力や言語能力は遺伝性であり、遺伝の影響は45%〜61%を占めているとされています。
以上のように、「rs764255」は音読力といった才能や知性にも関係し、注目されているSNPの一つです。
参考リンク1:https://www.jst.go.jp/chiiki/ikusei/seika/h23/h23_tokai02.pdf (ZFHX3について)
参考リンク2:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/gbb.12053 (読解力と言語能力に関する研究)
参考リンク3:http://www.ondoku.sakura.ne.jp/ondokuryoku1.html (音読力)
リスニング力
「rs17135159」は、10番染色体にあるBC037918遺伝子のSNPで、AA、AC、CCと3つの遺伝子型があります(参考リンク1)。 BC037918遺伝子は脳の視床下部で強く働くということは以前より知られていました。 そしてオックスフォード大学の研究によって、新たに大脳新皮質での発現が実証されました(参考リンク2)。
大脳新皮質は、前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉の4つに分かれ、この研究のサンプルのほとんどが「側頭葉」を用いられています。側頭葉は、聴覚認知や言語の受容、言語的な記憶には欠かせない部位です(参考リンク3)。
また、この遺伝子は年齢に依存して発現し、10歳前後の小児期半ばごろに発現のピークとなり、個人差があることから発達の早さにも関係することが考えられます。
オーストラリアの研究チームの「読解力と言語能力に関する研究報告」によると、rs17135159において遺伝子型にAを持つほど、聴いたことを正しく書き出す能力=リスニング力に優れていることが示唆されています(参考リンク4)。
すなわち、rs17135159においてAAの遺伝子型、ACの遺伝子型、CCの遺伝子型の順にリスニング力に優れている可能性が高く、リスニング力は仕事や勉強だけでなく、コミュニケーション能力向上に必須のスキルです。
以上のように、「rs17135159」はリスニング力といった才能や知性にも関係し、注目されているSNPの一つです。
参考リンク1:https://www.snpedia.com/index.php/Rs17135159
参考リンク2:https://academic.oup.com/cercor/article/24/6/1451/294571(大脳新皮質での発現)
参考リンク4:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/gbb.12053(読解力と言語能力に関する研究)
記憶力
「rs1064395」は、NCAN遺伝子のSNPで、AA、AG、GGと3つの遺伝子型があります。 NCAN遺伝子はニューロキャンというタンパク質を作る遺伝情報を持っています。 そのタンパク質を構成するコンドロイチン硫酸プロテオグリカンは、脳の神経細胞をくっつけたり、移動したりするという細胞が成熟していく過程で重要な役割を担います。 複数の研究では、NCAN遺伝子と神経認知機能が深く関係することが示唆されています。(参考リンク1、2) 神経認知機能が低下すると、物忘れなどの記憶障害や不安といった心理症状があらわれます。(参考リンク3)
ドイツのフィリップス大学での研究による、語彙学習と記憶テストの点数や神経心理学的な評価では、rs1064395においてGGの遺伝子型を持つ人は言語性の記憶力が高いタイプ、AAとAGの遺伝子型を持つ人は言語性の記憶力が低いタイプであることがわかりました。(参考リンク1)
「記憶力」には「言語性」と「非言語性」に分類され、言語性の記憶力が高いと、過去に学んだ事や経験を元に、目標を達成するためにより良いアイデアを生み出せる傾向が高いといわれます(参考リンク4)。一方で非言語性の記憶力は、音楽などの感覚的な記憶力を指します。
「記憶力」には「言語性」と「非言語性」に分類され、言語性の記憶力が高いと、過去に学んだ事や経験を元に、目標を達成するためにより良いアイデアを生み出せる傾向が高いといわれます(参考リンク4)。一方で非言語性の記憶力は、音楽などの感覚的な記憶力を指します。
以上のように、「rs1064395」は、言語記憶力といった才能や知性にも関係し、注目されているSNPの一つです。
言語性IQ
「rs4851266」は、AFF3遺伝子のSNPで、TT、CT、CCと3つの遺伝子型があります。 AFF3遺伝子は、細胞の核の中に存在し、写しとられた遺伝情報の不要な部分を取り除く役割を持ちます (参考リンク1、2)。 また、大脳皮質の発達過程において、細胞が移動する際に重要な役割をはたすことがわかっているほか、AFF3遺伝子の変異と精神運動発達の遅れとの関連が注目されています(参考リンク3)。
アイスランドのdeCODE Genetics研究グループによると、1,626人の子ども達を対象にウェクスラー式知能検査を行ったところ、rs4851266においてTの遺伝子型を持つ人が言語性IQ(言語性知能指数)に優れている傾向があることがわかりました。 すなわちTTの遺伝子型を持つ人は言語性IQにもっとも優れ、Tを持たないCCの遺伝子型の人は言語性IQが乏しい可能性があるといえます。 また子供だけでなく、成人でも同様の結果が得られています (参考リンク2)。
言語性IQは、言葉の理解や聴いた情報の理解など言語に関係する能力で、過去の経験が土台となるいわば学習の成果とされています。 学歴や偏差値と関係し、思考力の高さを反映しています (参考リンク4)。
以上のように、「rs4851266」は、言語性IQといった才能や知性にも関係し、注目されているSNPの一つです。
参考リンク1:https://jp.sinobiological.com/category/aff3
参考リンク2:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5095652/
参考リンク4:https://www.google.com/amp/s/dot.asahi.com/amp/aera/2018011800017.html
音程認識力
「rs4148254」は、UGT8遺伝子のSNPで、TT、CT、CCと3つの遺伝子型があります。
UGT8遺伝子は、神経線維の周囲を包む膜を合成するための酵素を作る遺伝情報を持っています。(参考リンク1) その膜はミエリン鞘とも呼ばれ、神経細胞の保護や神経が信号を伝える速さに関係し、ミエリン鞘がない神経は、神経への信号速度が遅くなります。 また、UGT8遺伝子は中枢神経系(脳や脊髄の神経)に多く存在しており、音楽的才能との関係性が示されています。(参考リンク2、3)
韓国のソウル国立大学の調査によると、聞いた音を同じ音の高さで発声できるかという音程生産精度テストを行い、rs4148254において遺伝子型にTを持つ人は音程認識能力が高いことがわかっています。 すなわち、rs4148254においてTTの遺伝子型を持つ人は音程認識能力に優れ、CCの遺伝子型を持つ人は音程認識能力に乏しい可能性が高いといえます。(参考リンク3、4)
音楽的な才能(音程認識能力を含む)は、複数の環境要因と遺伝的要因によって決定されます(参考リンク3)が、科学雑誌ニュートン「遺伝とゲノム」によれば、音楽的な才能は92%が遺伝的要因であると示されており、いかに遺伝子の影響が大きいかわかります。
以上のように、「rs4148254」は、音楽的な才能のうち、音程認識能力に関係し注目されているSNPの一つです。
参考リンク1:https://www.genecards.org/cgi-bin/carddisp.pl?gene=UGT8#summaries
参考リンク2:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7413874/
参考リンク3:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3512346/
参考リンク4:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3512346/bin/jmedgenet-2012-101209supp.pdf
聴力
「rs7032430」は、SLC28A3遺伝子のSNPで、AA、AC、CCと3つの遺伝子型があります。
SLC28A3遺伝子はDNAとRNA合成に必要なイオン成分を細胞の中に運ぶ役割を担うタンパク質を作るための遺伝情報を持っています。(参考リンク1) また、SLC28A3遺伝子はマウスの蝸牛(かぎゅう)での明確な発現を示しており、人間においても聴力を調整する遺伝子であることがわかっています。(参考リンク1) 蝸牛は、耳の奥にあるカタツムリのような形をした器官で、音の振動を神経や脳が感知できるように電気的な信号に変えるところです。(参考リンク2)
イタリアのトリエステ大学の共同研究グループによると、イタリアと中央アジアの2,636人を対象に聴力検査を行ったところ、rs7032430において遺伝子型にCを持つ人は、遺伝子型にAを持つ人よりも聴力が優れていることがわかっています。
すなわち、rs7032430においてCCの遺伝子型を持つ人は聴力に優れ、AAの遺伝子型を持つ人は聴力に乏しい可能性が高いといえます。(参考リンク1) 聴力検査とはどれくらい小さな音まで聞こえるかを測定するもので、聴力に優れるとは、より小さな音まで聞こえているということです。
以上のように、「rs7032430」は、聴力といった才能や身体的能力にも関係し、注目されているSNPの一つです。
参考リンク1:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4572074/#!po=22.6563
参考リンク2:https://hochouki.soudan-anshin.com/cont/ear-mechanism/
参考リンク3:https://www.bosterbio.com/bosterbio-gene-info-cards/SLC28A3
協調性
「rs2701448」は、TRPA1遺伝子のSNPで、AA、AG、GGと3つの遺伝子型があります。 アメリカのボストン大学の研究グループによる長寿家系を対象にした研究において、性格と遺伝子との関連が調査されました。 性格は多くの遺伝子や環境的要因など複雑な影響をうけて成り立ち、それぞれの遺伝子の影響の強さはとても強いわけではありませんが、研究の結果、協調性とrs2701448という遺伝子が関連していることがわかりました。
この遺伝子のタイプはAA、AG、GGという3つに分けられ、Aが多いほど協調性が強く、AA,AG,GGの順に協調性が高いという結果が得られました。
またスポーツやトレーニングに関連する、怪我をしづらいなどの特徴があります。バイオプロジェクトというデータベースによると、アジアに住む人でのAとGの遺伝子の割合は、Aが1/3、Gが2/3とされています。そのためこの遺伝子のタイプにより、個人競技向きなのか、チームワークが必要となる団体競技に適しているかといった判断材料としての活用が考えられます。
またスポーツに限らず、集団のメンバー構成を検討する際や、大人であれば人材配置の適材適所、子供であれば適した学習場所や方法を検討に生かすことが有益である可能性があります。
注意力
「rs4321351」は、PID1遺伝子のSNPで、GG、AG、AAと3つの遺伝子型があります。
スペインの環境疫学研究センターによる研究において、注意に関する機能と遺伝子との関連が調査されました。 性格は多くの遺伝子や環境的要因など複雑な影響をうけて成り立ち、それぞれの遺伝子の影響が絶対的に強いわけではありませんが、標準化された注意力に関するテスト方法を用いて研究した結果、いくつかの注意力の指標のうちHRTという刺激に対する反応の速さを表す指標とrs4321351が関連していることがわかりました。
この遺伝子のタイプはGG、AG、AAという3つに分けられ、このうちGが多いほど注意力が高い傾向がある結果が得られました。つまり、GG,AG,AAの順に注意力が高い傾向があります。ほかに、この遺伝子変異と脳の形状や機能との関連も指摘されていて、それらの変化を介して注意力に影響している可能性が検討されています。
バイオプロジェクトというデータベースによると、アジアに住む人でのGとAの遺伝子の割合は、Gが15%ほど、Aが85%ほどとされています。 注意力は日常生活で欠かせない能力で、学習や記憶とも関連します。注意力が高い、とりわけ反応速度に優れていると、一般的にはスポーツや運転、ゲーム、討論などの状況に応じて対応を素早く変化させる業務には適していると考えられます。
この遺伝情報をもとに、変化する状況への対応方法をその人の注意力に合わせて検討したり、大人であれば人材配置の適材適所、子供であれば適した学習場所や方法への検討に生かすなど有益である可能性があります。
顔認識能力
「rs1522280」は、RAPGEF5遺伝子のSNPでAA、AG、GGと3つの遺伝子型があります。 RAPGEF5遺伝子は、グアニンヌクレオチド交換因子(GEF)というタンパク質を作る遺伝情報を持っています。 このタンパク質は、細胞の成長や増殖など様々な生体信号の伝達に重要な経路を活発な状態にします (参考リンク1)。また、視覚などの感覚的な情報も伝達します (参考リンク3)。
「rs1522280」は、RAPGEF5遺伝子のSNPでAA、AG、GGと3つの遺伝子型があります。 RAPGEF5遺伝子は、グアニンヌクレオチド交換因子(GEF)というタンパク質を作る遺伝情報を持っています。 このタンパク質は、細胞の成長や増殖など様々な生体信号の伝達に重要な経路を活発な状態にします (参考リンク1)。また、視覚などの感覚的な情報も伝達します (参考リンク3)。
イギリスのケンブリッジ大学心理学部の研究では、白黒画像による顔認識テスト(ムーニーフェイステスト)が行われました。単純な白と黒の色彩にだまされることなく、顔のイメージを認識できた場合に、顔認識能力が高いと評価されます (参考リンク1)。
評価では、rs1522280において遺伝子型にAを持つ人ほど、顔認識能力に優れている傾向があることが示唆されています。すなわち、rs1522280においてAAの遺伝子型を持つ人、AGの遺伝子型、GGの遺伝子型を持つ人の順に顔認識能力に優れている可能性が高いといえます。
また科学的な記憶メカニズムや遺伝子については解明されていませんが、人並みはずれた顔認識能力を持つ極少数の人々のことをスーパーレコグナイザーと呼ばれており、指名手配犯の捜査員として有利な能力であると言われています (参考リンク4)。
以上のように、「rs1522280」は顔認識能力といった才能や知性に関係し、注目されているSNPの一つです。
参考リンク2:https://ja.m.wikipedia.org/wiki/GTP%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%BC
怒りやすさ
「rs6954895」は、「怒りやすさ」についてのSNPです。 人口の20人に1人が強い怒り、敵意、攻撃性を持ちやすいとされています。感情のコントロールがうまくとれないと、社会において与えられた役割を適切に果たせないリスクが高くなります。また、急激な感情の変化によって心臓や血管系の病気などと関連性が高くなるといわれています。
この部分の遺伝情報のタイプにはGG、GA、AAという3つのタイプがあり、Gが多いほど怒りやすい、攻撃性が高いという傾向があります。欧米人8000人ほどのデータを収集した研究によるとタイプごとの割合はGG10%、GA40%、AA50%ほどとされています。
この遺伝情報をもとにして人間関係での問題、関連する病気ののリスクを検討すると、怒りやすいタイプの人の場合はアンガーマネージメントを受けて感情のコントロールを学ぶ、病気については早めに診断や治療を行うなど、有益である可能性が考えられます。
参考リンクhttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/snp/rs6954895
https://www.ebi.ac.uk/gwas/search?query=rs6954895
落ち込みやすさ
「rs12912233」は、RORA遺伝子のSNPでTT、TC、CCと3つの遺伝子型があります。 アメリカ国立衛生研究所で遺伝子と「気分の落ち込みやすさ」との関連が調査されました(参考リンク1)。性格は多くの遺伝子や環境的要因など複雑な影響をうけて成り立ち、それぞれの遺伝子の影響が絶対的に強いわけではありませんが、イタリア人とアメリカ人について「気分の落ち込み」について研究をした結果、rs12912233という遺伝子が関連していることがわかりました。
このrs12912233ではTが多いほど落ち込みやすい傾向があるという結果が得られました。つまり、TT,TC,CCの順に落ち込みやすいとされます。ほかに、RORAは脳の様々な場所に分布していて、体の細かな動きを調節する小脳の働きに関係し、免疫機能や、哺乳類における体内時計のリズムとも関係しており、季節性のうつ病や躁うつ病の周期的な気分の変化との関連性も研究されています。
バイオプロジェクトのデータベースによると、アジアに住む人でのTとCの遺伝子の割合は、Tが20%ほど、Cが80%ほどとされています。気分の落ち込みは、深刻化するとうつ病やそのほかの精神的な病気に繋がる可能性があり、プライベートや仕事にも多大な影響を及ぼします。この遺伝情報をもとに自分の落ち込みやすさを知ることで、ストレスなどへの対応方法を検討したり、大人であれば人材配置の適材適所、子供であれば適した学習場所や方法を検討すると有益である可能性があります。
「rs1064395」は、NCAN遺伝子のSNPで、AA、AG、GGと3つの遺伝子型があります。 NCAN遺伝子はニューロキャンというタンパク質を作る遺伝情報を持っています。 rs1064395において遺伝子型にAA、AGの様にAを持つと、双極性障害(躁うつ病)や統合失調症の感受性に悪影響を与える可能性があることもわかっています。(参考リンク2)
辛抱強さ
「rs17608059」は、COX10遺伝子のSNPでCC、TC、TTと3つの遺伝子型があります。
「rs17608059」は、COX10遺伝子のSNPでCC、TC、TTと3つの遺伝子型があります。
また、COX10ではCが多いほど辛抱強い傾向があるという結果が得られました。つまり、CC,TC,TTの順に辛抱強い傾向があるとされます。 バイオプロジェクトというデータベースによると、アジアに住む人でのCとTの遺伝子の割合は、Cが60%ほど、Tが40%ほどとされています。この遺伝情報をもとに辛抱強さを知ることで、一時的にかかるストレスの量や質などをその人の辛抱強さに合わせてコントロールしたり、大人であれば人材配置の適材適所、子供であれば適した学習場所や方法を検討すると有益である可能性があります。
誠実さ
「rs2576037」は、KATNAL2遺伝子のSNPでCC、TC、TTと3つの遺伝子型があります。 オランダのアムステルダム大学で性格と遺伝子との関連が調査され、調べられた結果の中で最も関連があったのが、rs2576307と「誠実さ」でした。「誠実さ」の定義は「私利私欲をまじえず、真心をもって人や物事に対すること」であり、人によってその度合いは異なることは知られていますが、その原因の一つに遺伝的な要素も考えられるということです。
KATNAL2は脳の発達に関与する遺伝子に関係していて、TT、TC、CCという3つのタイプに分けられます。このうちTが多いほど誠実な傾向があるという結果が得られました。つまり、TT,TC,CCの順に誠実な性格である傾向が高いとされます。
バイオプロジェクトというデータベースによると、アジアに住む人でのTとCの遺伝子の割合は、Tが52%ほど、Cが48%ほどとされています。誠実さは職場でのよりよいパフォーマンス、タバコなどの有害な物質使用の少なさに関連があるとされています。この遺伝情報をもとに誠実さを知ることで、大人であれば人材配置の適材適所、子供であれば適した学習場所や方法、そのほかにタバコなどの有害な物質使用と接する機会をより減らしたほうが良いかなどを検討する判断材料として有益である可能性があります。