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本態性高血圧

本態性高血圧

「rs1042713」は、 β2アドレナリン受容体遺伝子(ADRB2遺伝子)のSNPで、GG、GA、AAと3つの遺伝子型があります。

β2アドレナリン受容体は、自律神経に関係するホルモンと結合する受容体であり、主に心臓、血管や気管支の平滑筋、脂肪などに存在しています。

代表的な機能は平滑筋の緊張を緩めることです。
平滑筋とは自分の意思では動かす事のできない筋肉のことで、自律神経によってコントロールされています。
そのため、β2アドレナリン受容体は血管や気管支を拡げる役割をしており、心血管系および呼吸器系の病気に関与することが多いといわれます。
また、脂肪を構成する脂肪細胞にも存在することから、生活習慣病である肥満との関連が示唆されています。

•中国の研究チームによると、心筋梗塞などの冠動脈(心臓に栄養を供給する血管)が遮断される病気を持つ人々では、健康な人々と比べて、rs1042713のGがAに置き換わっている頻度が高いことが示されています。
また、中国人集団において、rs1042713の46位のAがGに置き換わっていると、本態性高血圧(原因がはっきりしない高血圧)のリスクを増加させる可能性があることが示されています。

日本人においては約9割が本態性高血圧だと言われており、遺伝的要因や生活習慣などの環境要因により引き起こされる病気です(参考リンク3)

•イギリスの研究チームによると、rs1042713においてGAやAAの遺伝子型を持つ小児患者では、一般的な吸入薬(LABA)による喘息の症状が悪化するリスクが高まることが報告されています(参考リンク4)

・日本の肥満関連遺伝子多型と環境要因チームの報告によると、ADRB2遺伝子に変異を持つ人では、安静時基礎代謝量が100kcal増えることが認められています。
そのため、ADRB2遺伝子に変異を持つ人は基礎代謝量が多く太りにくい体質とされます(参考リンク5)

また、疾患との関係性だけでなく、心肺機能などの身体能力に関わる遺伝子として注目されています。

•ギリシャの研究チームの報告によると、習慣的にランニングを行っている男性アスリートでは、rs1042713において遺伝子型にAが対立することと持久力パフォーマンスが関与していることが示唆されています(参考リンク6)
すなわち、rs1042713においてAAの遺伝子型を持つ人はGGの遺伝子型を持つ人よりも持久力に優れる可能性が高いといえます。

以上のように、「rs1042713」は心血管系および呼吸器系の病気、肥満という体質、持久力といった身体能力にも関係し、注目を浴びているSNPの一つです。