遺伝子検査の現在

2021.05.10

遺伝子検査の現在

遺伝子検査とは

遺伝子検査とは、私たちの設計図であるDNAの塩基の並び方を解析する検査です。
遺伝子検査によって病気の診断や、病気のかかりやすさなどの体質を知ることができます。

DNA解析の技術は目覚ましいスピードで進歩しており、1990年から2003年の「ヒトゲノム計画」では13年かかったヒトの全DNAの解読が、いまではたった一日で終わります(参考リンク2参照)。
コスト面においても、ヒトゲノム計画には3千億円が費やされたのに対し、現在では数万円という個人が払える金額になりました。
いまや遺伝子検査は身近なものとなっているのです。

病院での遺伝子検査

遺伝子検査と一概に言っても、病院で行われるものと、ネットなどで個人が直接申し込めるものとでは、検査の目的が異なります。
病院での遺伝子検査は、病気の診断や治療のために行われます。たとえば、がん細胞の遺伝子の変異を調べることによって、がんの種類を特定したり、使用する抗がん剤を決めたりというように、治療の方向性を定めることができます。
また、フェニルアラニン尿症のように、ひとつの遺伝子の変異が発病につながる単一遺伝子疾患が疑われるときには、遺伝子検査をして診断を確定することができます。
薬の副作用の出やすさや効果の有無など、個人個人の薬への感受性を調べるのにも遺伝子検査は有効です。

患者一人ひとりに最適な医療を行うオーダーメイド医療は実現されつつあります

DTC遺伝子検査

これに対して、DTC(direct-to-consumer)遺伝子検査と呼ばれる通販などの遺伝子検査では、生活習慣病のリスクや太りやすさといった体質の傾向が、検査結果として示されます。
遺伝子検査の結果をもとに生活習慣を改善することで、疾病予防につながることが期待されています。
DTC遺伝子検査では、おもにSNP(スニップ)と呼ばれる個人間の遺伝情報の違いを解析します。人と人のあいだでは、DNAの配列は99.9%までが同じです。
残り0.1%の違いが個人の差を生じさせており、そのなかで、一定の頻度で遺伝子配列の1個の塩基が別の塩基に置き換わっているものを、一塩基多型(SNP、スニップ)と呼びます。

このSNPが、個人間の体質の違いや病気のかかりやすさに関わっていることが近年わかってきました。DTC遺伝子検査は、SNPを解析し、研究論文などの統計データをもとに、確率として病気の罹患リスクや体質の傾向のデータを提供するものです。
多くの病気は複数の遺伝子が複雑に関係し合うことによって発症するものであり、いまだ解明されていない部分も多いので、今後の研究によってはDTC遺伝子検査の結果が変わってくる可能性もあります。

まとめ

DNA解析の技術は日進月歩であり、遺伝子検査をもとに、患者一人ひとりに最適な医療を行うオーダーメイド医療は実現されつつあります。
私たちが自分自身の完全な設計図を持ち、それを利用するのが当然となる日が来るのも、そう遠くないかもしれません。

参考資料

遺伝子検査って何?どう役にたつの?:
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=58040?site=nli
https://www.premedi.co.jp/%E3%81%8A%E5%8C%BB%E8%80%85%E3%81%95%E3%82%93%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3/h00391/
ヒトゲノム計画:
https://jp.weforum.org/agenda/2019/07/genomikusu-sono-ha-mattabakari/
一塩基多型(SNP):
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-011.html

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