結果報告書の見方(一般血縁鑑定;STR)

2019.07.30

結果報告書の見方(一般血縁鑑定;STR)

弊社の一般血縁鑑定の結果報告書の1枚目には結果の報告文として以下のような表現を用いております(父子鑑定を例としています)。

肯定) AはBの生物学的な父として排除されません。
否定) AはBの生物学的な父として排除されます。

この文章だけをお客様がご覧になっても、なかなか鑑定結果を理解できないものだと思います。実際に、結果報告書の見方に関するお問い合わせは一定数いただいているのが現状です。
そのようなお問い合わせの際、結果報告書の3枚目の[テスト結果の解析]の項目に記載している文章や肯定確率(%)をご覧いただくようにご案内させていただいております。

また、お問い合わせをいただいていないお客様の中でも、こちらの項目だけを見て結果を確認される場合が多いのが実情であるとも思います。
しかし、自分の手元にある鑑定結果がどのように出たのかを、正確に理解したいお客様も多くいらっしゃると思いますので、こちらのページにて結果報告書の理解を補助するための簡単な説明をさせていただければと思います。

一般血縁鑑定の鑑定結果における正確な理解

一般血縁鑑定の鑑定結果における正確な理解というのは、結果として添付しているSTR(Short Tandem Repeat)の表の見方を理解することに他なりません。

STRというのはDNAの塩基配列のうち、数塩基の単位配列が繰り返して存在する特殊な部分のことであり、その繰り返し回数が人によって異なります。
さらりと書きましたが、大事なことなのでもう一度、STRというのは人によって異なるのです。これが個人間で異なることで血縁関係を調べる、事件の犯人を特定する、などといったことが可能となるのです。
そして、このSTRというものは一般的には父親から半分、母親から半分各々継承されます。
したがって、父や母からのすべての座位で遺伝子型を共有するかどうかを確認します。
通常13個以上の座位で確認をしますが、簡単に6個程度の座位を示した以下の表を使って説明します。

座位(loci) 父A 子B 子C
D3S1358 15 – 16 15 16
vWA 18 – 19 18 – 19 6 – 11
D16S539 9 – 12 10 – 12 9 – 10
CSF1PO 12 – 13 12 – 13 10 – 11
D8S1179 11 – 15 10 – 11 18 – 24
D21S11 29 – 30 29 15 – 18

【表 STRの鑑定結果の例】

左端の列は座位です。表から、何個の座位を確認したのか知ることができます。
その右は父A、子供B、子供CのSTR型の結果を表しています。
※数値は説明のためランダムに記載しています。子BのD3S1358のように15と一種類の数字が書いてある場合、15と15を持つ、ということを示していて15 – 15と書かれるべきものが省略されています。
まず父Aと子Bに関してみていきましょう。
一番上のD3S1358座位の場合、父Aの遺伝子型は15と16、子Bの遺伝子型は15であり、15のSTR型を共有していることが分かります。
表中の座位の赤で表示した数字が、父Aと子Bが共有する遺伝子型です。
このように、すべての座位においてSTR型を共有している時、父Aは子Bの生物学的な父親である、と判断されます。

次に父Aと子Cに関してみていきましょう。
一番上のD3S1358座位の場合、父Aの遺伝子型は15と16、子Cの遺伝子型は16であり、16のSTR型を共有していることが分かります。
表中の座位の青で表示した数字が、父Aと子Cが共有するSTR型です。
ここで一段下のvWAの座位を見てみると、父Aは18と19、子Cは6と11で全く別のSTR型を持っています。
このように、STR型が共有していない座位が複数ある場合、父Aは子Cの生物学的な父親ではない、と判断されます。

以上が一般的なSTRの表の見方となります。
このほか、結果報告書に関するお問い合わせなどがございましたら、カスタマーサポートまでご連絡いただければと存じます。

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