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老化速度

老化速度のイメージ画像
  • 老化速度はGDF11・GDF8タンパク質の働きとDNA領域rs1815739の遺伝子型によって個人差が生まれます。
  • C型変異を持つ遺伝子型の人は老化速度が遅い傾向にあることがケンブリッジ大学の研究で分かりました。
  • 日本人のCC型保有率は26.4%で、世界平均32.3%とくらべて少し低いです。

概要

【概要】 GDF11とGDF8は、年をとることで起こる体の変化に深く関わっているタンパク質で、それぞれ違う役割を持っています。 GDF8(ミオスタチン)は、筋肉が育ちすぎないようにブレーキをかける働きを持っています。

【特徴】 年をとるにつれてGDF8の働きが強まると、筋肉の量が減り、筋力が落ちることがあります。 これが、年齢による筋力の低下や筋肉がやせる原因の一つと考えられています。 筋肉の量が減ると、転んだり骨を折ったりする危険が高まり、毎日の生活の質も下がるため、高齢者の健康にとって大きな問題になります。 GDF11は、年をとったマウスの実験で、骨格筋(体を動かす筋肉)・神経・心臓や血管を若返らせる効果が見られており、年をとることによる悪い影響をやわらげる可能性があります。

【メカニズム】 具体的には、GDF11は年齢とともに弱った組織を修復する力を高める可能性があり、これによって老化の進み方を遅らせたり、年齢とともに増える病気や体の働きの衰えを改善したりすることが期待されています。 GDF11とGDF8については、さらにくわしい研究が必要ですが、年齢とともに起こる体の変化に大きな影響を与える可能性があります。

【科学的根拠】 ケンブリッジ大学のSunらの研究により、老化の速さがrs1815739というDNA領域と関係していることが分かりました。 このDNA領域にはTT、TC、CCの3つの遺伝子型があり、Cタイプの変異を持つ人は、老化の速さが遅い傾向にあることが分かりました。

老化速度とは何か

老化速度とは、細胞・組織・臓器の働きが年月とともに衰えていく速さのことで、遺伝子の影響と環境の影響の両方がかかわります。ケンブリッジ大学のSunらの研究(1)により、DNA領域rs1815739のC型変異を持つ人は老化速度が遅い傾向にあることが分かっています。

GDF11とGDF8とは何か ― 老化に関わる2つのタンパク質

GDF11とGDF8は、年をとることで起こる体の変化に深く関わるタンパク質です。それぞれ違う役割を持っています。

比較項目 GDF8(ミオスタチン) GDF11
主な働き 筋肉の成長をおさえます。 組織を修復する力を高めます。
年齢との関係 年齢とともに働きが強まる→筋肉の量が減ります。 骨格筋・神経・心臓や血管の若返り効果
影響 筋力が落ち、転びやすくなります。 老化の進み方を遅らせる効果が期待されます。
研究段階 しくみが分かっています。 動物実験で効果を確認しました(人への応用は研究中です)。

GDF8(ミオスタチン)が老化に与える影響

GDF8(ミオスタチン)は筋肉が育ちすぎないようにブレーキをかけるタンパク質です。年をとるにつれてGDF8の働きが強まると、次のような変化が起こります。

  • 筋肉の量が減ります(サルコペニア)。
  • 筋力が落ちます。
  • 転んだり骨を折ったりする危険が高まります。
  • 食事・着替え・入浴など日常生活の動作がしにくくなります。

GDF11の若返り効果の可能性

GDF11は、年をとったマウスで骨格筋・神経・心臓や血管の若返り効果が確認されたタンパク質です。具体的には、次のような可能性があります。

  • 年齢とともに弱った組織を修復する力を高めます。
  • 老化の進み方を遅らせます。
  • 年齢とともに増える病気や体の働きの衰えを改善します。

GDF11・GDF8はどちらも、さらにくわしい研究が進められています。

老化速度と遺伝子の関係

ケンブリッジ大学のSunらの研究(1)により、老化速度がDNA領域rs1815739と関係していることが分かりました。

  • rs1815739にはTT・TC・CCの3つの遺伝子型が存在します。
  • C型変異を持つ人は老化速度が遅い傾向があります。
  • 関係する遺伝子:ACTN3(α-アクチニン-3というタンパク質を作る遺伝子)

老化速度を遅らせるための対策

遺伝子の影響に加えて、次のような生活習慣が老化速度を遅らせるのに役立つとされています。

  • 適度な運動:週3回以上の有酸素運動が筋肉の量を保ち、細胞を若々しく保つのに役立ちます。
  • 抗酸化食品の摂取:ビタミンC・E、ポリフェノール、カロテノイドが体のサビ(酸化ストレス)を減らします。
  • 十分な睡眠:7〜8時間のぐっすり眠れる睡眠が細胞の修復を助けます。
  • ストレスへの対処:長く続くストレスはテロメア(染色体の端にある部分で、年齢とともに短くなる)を早く短くするため、瞑想などで心を落ち着けることがすすめられます。
  • カロリー制限:食べすぎない程度にカロリーを控えると、サーチュイン遺伝子(長寿に関わるとされる遺伝子)が働き、老化を遅らせる助けになる可能性があります。

遺伝子と老化速度の関係

DNA領域rs1815739と老化速度の関係

ケンブリッジ大学のSunらの研究(1)により、DNA領域rs1815739が老化速度と関係していることが分かりました。

  • rs1815739にはTT・TC・CCの3つの遺伝子型が存在します。
  • C型変異を持つ遺伝子型の人は、老化速度が遅い傾向があります。

日本人と世界の遺伝子型の割合(rs1815739)

遺伝子型 日本人の割合 世界の割合
TT型 23.5% 18.5%
TC型 49.9% 49.0%
CC型 26.4% 32.3%

DNA領域rs1815739において日本で各遺伝子型を持つ人の割合

  • TT
    23.5%
  • TC
    49.9%
  • CC
    26.4%

DNA領域rs1815739において世界で各遺伝子型を持つ人の割合

  • TT
    18.5%
  • TC
    49.0%
  • CC
    32.3%

検査の理論的根拠

代表的なDNA領域:老化速度

老化速度 に最も強く影響するDNA領域は、rs1815739です。 日本でのそれぞれの遺伝子型の割合は下のとおりです。

  • TT
    23.5 %
  • TC
    49.9 %
  • CC
    26.4 %

検査の根拠

ケンブリッジ大学のSunらの研究により、老化の速さが遺伝子と関係していることが分かりました。人間のDNAには、rs1815739という場所があり、そこにはTとCの2種類の違い(変異)があります。C型変異を持つ人は、老化の速さが遅い傾向にあることが分かりました(1)。

今回調査したDNA領域

細胞の中にあるDNAマップの模式図

Image
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関係する遺伝子

関係する遺伝子 ACTN3

よくある質問

Q1. 老化速度とは何ですか?

老化速度とは、細胞・組織・臓器の働きが年月とともに衰えていく速さのことです。遺伝子の影響(DNA領域rs1815739)と環境の影響(生活習慣・食事・運動)の両方が老化速度にかかわります。C型変異を持つ人は老化速度が遅い傾向にあります(1)。

Q2. GDF11とGDF8は老化とどう関係していますか?

GDF8(ミオスタチン)は筋肉が育ちすぎないようにブレーキをかけるタンパク質で、年をとるにつれて働きが強まることで筋肉の量が減ります。GDF11は骨格筋・神経・心臓や血管の若返り効果が動物実験で確認されており、年をとることによる悪い影響をやわらげる可能性があります。

Q3. 老化速度にかかわるDNA領域は?

ケンブリッジ大学のSunらの研究(1)により、DNA領域rs1815739が老化速度と関係していることが分かりました。TT・TC・CCの3つの遺伝子型があり、C型変異を持つ人は老化速度が遅い傾向にあります。関係する遺伝子はACTN3です。

Q4. 老化速度を遅らせる方法はありますか?

適度な運動(週3回以上の有酸素運動)、体のサビを防ぐ成分(抗酸化物質)を含む食事、十分な睡眠(7〜8時間)、ストレスへの対処が老化速度を遅らせる方法としてすすめられています。遺伝子検査で自分の傾向を知っておくことも役に立ちます。

Q5. 日本人の老化に関係する遺伝子型の割合は?

DNA領域rs1815739における日本人の遺伝子型の割合は、TT型23.5%・TC型49.9%・CC型26.4%です。世界平均(TT型18.5%・TC型49.0%・CC型32.3%)とくらべると、日本人はCC型(老化速度が遅い傾向)の割合が少し低いという特徴があります。

参考文献