ボディマス指数(体格指数)
- ボディマス指数(体格指数)は体重(kg)÷身長(m)²で計算する体格の目安で、肥満や低体重の判定に世界中で使われています。
- DNA領域rs17782313のC型変異を持つ人は体格指数が高い傾向にあることが、ケンブリッジ大学の研究で分かりました。
- 体格指数が25以上で心臓病・糖尿病・高血圧のリスクが高くなり、ちょうどよい体重を保つことが健康に直接つながります。
概要
【概要】 ボディマス指数(体格指数)は、体重と身長のバランスを表す数値で、体格を調べるために使われる目安です。 この数値は、体重(キログラム)を身長(メートル)の二乗で割ることで求められます。
【特徴】 体格指数は、太りすぎや痩せすぎを簡単に見分ける方法として広く使われています。 具体的には、体格指数の値によって体格をいくつかのグループに分けます。 例えば、体格指数が18.5未満の場合は「低体重」、18.5から24.9なら「標準体重」、25.0から29.9は「過体重」、そして30.0以上は「肥満」とされます。 このように、体格指数は体重がちょうどよいかどうかを判断するためのシンプルな基準になります。 ただし、体格指数の値だけでは、ちょうどよい体重かどうかを判断できない場合があります。 例えば、筋肉量が多いアスリートの場合、筋肉の重さで体格指数が高くなることがありますが、実際には健康的な体型です。
【メカニズム】 また、体格指数は年齢や性別による体脂肪の違いを考えに入れていないため、これらもあわせて判断する必要があります。 体格指数は健康上のリスクを知るための大切な目安でもあり、体格指数が高いと心臓病や糖尿病などのリスクも高くなります。 一方で、体格指数が低いと栄養不足や骨の弱さを示すことがあります。 そのため、健康的な体重の範囲を保つことが、長い目で見た健康にとって大切です。
【科学的根拠】 ケンブリッジ大学のWillerらの研究により、体格指数がrs17782313というDNA領域と関連していることが明らかになりました。 このDNA領域にはTT、TC、CCの3つの遺伝子型があり、Cタイプの変異を持つ人は、体格指数が高い傾向にあることが分かりました。
ボディマス指数(体格指数)とは何か
ボディマス指数(体格指数)は、体重(kg)を身長(m)の二乗で割って計算する、体格の目安です。世界保健機関が肥満の度合いを調べる国際的な基準として採用しており、健康上のリスクを知るために広く使われています。
体格指数の計算方法と基準値
体格指数の計算式は「体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)」です。例えば体重70kg・身長170cmの場合、70 ÷ 1.7 ÷ 1.7 ≒ 24.2となります。
| 体格指数の値 | 分類(世界保健機関の基準) | 日本肥満学会基準 |
|---|---|---|
| 18.5未満 | 低体重 | 低体重 |
| 18.5〜24.9 | 標準体重 | 普通体重 |
| 25.0〜29.9 | 過体重 | 肥満(1度) |
| 30.0以上 | 肥満 | 肥満(2度以上) |
日本肥満学会では、体格指数22を「最も病気になりにくい適正体重」と定めています。
体格指数が高い場合の健康上のリスク
体格指数が25以上になると、次の病気のリスクが高くなります。
- 心血管疾患(心筋梗塞・脳卒中):体格指数25以上でかかるリスクが約1.5倍になります。
- 2型糖尿病:肥満は、インスリン抵抗性(血糖を下げるホルモンが効きにくくなる状態)を高める大きな原因です。
- 高血圧:体重が増えると血圧が上がる傾向があります。
- 脂質異常症:内臓のまわりに脂肪がたまると、悪玉コレステロールが増えます。
- 特定のがん(大腸がん・乳がんなど):肥満との関係が研究で報告されています。
体格指数が低い場合のリスク
体格指数が18.5未満の場合も、健康上のリスクがあります。
- 栄養不良:必要な栄養が足りず、免疫力(体を守る力)が下がります。
- 骨粗鬆症(骨がもろくなる病気):骨密度(骨の強さ)が下がり、骨折しやすくなります。
- 貧血:鉄分やビタミンが足りないことによる血液の問題です。
- 月経不順:女性の場合、低体重がホルモンのバランスに影響します。
体格指数の限界と注意点
体格指数は手軽な目安ですが、次のような限界があります。
- 筋肉量を考えに入れていない:アスリートは筋肉の重さで体格指数が高くなるが、体脂肪率は低い場合があります。
- 体脂肪のつき方を反映しない:内臓のまわりに脂肪がつく肥満(リンゴ型)と、皮膚の下に脂肪がつく肥満(洋ナシ型)では、健康上のリスクが異なります。
- 年齢・性別の違いを考えに入れていない:同じ体格指数でも、年齢や性別によって体脂肪率が異なります。
体脂肪率・お腹まわりの長さ(腹囲)・血液検査などもあわせて使い、健康状態を全体的に判断することが大切です。
遺伝子とボディマス指数(体格指数)の関係
DNA領域rs17782313と体格指数の関係
ケンブリッジ大学のWillerらの研究(1)により、DNA領域rs17782313が体格指数と関連していることが分かりました。
- rs17782313にはTT・TC・CCの3つの遺伝子型が存在します。
- C型変異を持つ遺伝子型の人は、体格指数が高い傾向があります。
日本人における遺伝子型分布(rs17782313)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| TT型 | 54.1% | 59.2% |
| TC型 | 38.9% | 35.4% |
| CC型 | 6.9% | 5.3% |
検査の理論的根拠
代表的なDNA領域:ボディマス指数
ボディマス指数に最も強く影響するDNA領域は、rs17782313です。 日本における遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- TT
54.1 % - TC
38.9 % - CC
6.9 %
他に、ボディマス指数に関わるDNA領域にはrs284077があります。 日本における遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- TT
39.6 % - TC
46.6 % - CC
13.7 %
他に、ボディマス指数に関わるDNA領域にはrs35557355があります。 日本における遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- AA
14.7 % - AT
47.3 % - TT
37.8 %
他に、ボディマス指数に関わるDNA領域にはrs4865290があります。 日本における遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- GG
73.2 % - GA
24.6 % - AA
2.0 %
他に、ボディマス指数に関わるDNA領域にはrs10788066があります。 日本における遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- CC
42.1 % - CT
45.5 % - TT
12.3 %
他に、ボディマス指数に関わるDNA領域にはrs11702843があります。 日本における遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- GG
97.1 % - GA
2.8 % - AA
0.1%以下
他に、ボディマス指数に関わるDNA領域にはrs1426654があります。 日本における遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- AA
0.1%以下 - AG
0.9 % - GG
99.0 %
他に、ボディマス指数に関わるDNA領域にはrs1482853があります。 日本における遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- CC
28.9 % - CA
49.7 % - AA
21.3 %
他に、ボディマス指数に関わるDNA領域にはrs17749561があります。 日本における遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- GG
99.9 % - GA
0.1%以下 - AA
0.1%以下
検査の根拠
ケンブリッジ大学のWillerらの研究により、ボディマス指数(体格指数)の違いが遺伝子と関連していることが明らかになりました。rs17782313領域にはTとCの2種類の変異があり、C型変異を持つ人は体格指数が高い傾向にあります(1)。
今回調査したDNA領域
細胞の中にあるDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | RNU4-17P |
|---|---|
| 関連遺伝子 | RN7SKP156 |
| 関連遺伝子 | PPIAP63 |
| 関連遺伝子 | SPATA18 |
| 関連遺伝子 | NACAP2 |
| 関連遺伝子 | LINC00114 |
| 関連遺伝子 | SLC24A5 |
| 関連遺伝子 | LEKR1 |
| 関連遺伝子 | PHLPP1 |
よくある質問
Q1. ボディマス指数(体格指数)とは何ですか?
ボディマス指数(体格指数)は、体重(kg)を身長(m)の二乗で割って計算する、体格の目安です。世界保健機関の基準では、18.5未満が低体重、18.5〜24.9が標準体重、25.0〜29.9が過体重、30.0以上が肥満に分けられます。
Q2. 体格指数と遺伝子には関係がありますか?
ケンブリッジ大学のWillerらの研究により、DNA領域rs17782313が体格指数と関連していることが分かっています。C型変異を持つ遺伝子型の人は、体格指数が高い傾向にあります(1)。
Q3. 体格指数の計算方法は?
体格指数 = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m) で計算します。例えば体重70kg・身長170cmの場合、70 ÷ 1.7 ÷ 1.7 ≒ 24.2となります。
Q4. 体格指数だけで健康状態を判断できますか?
体格指数は手軽な体格の目安ですが、筋肉量・体脂肪率・年齢・性別を考えに入れていないため、体格指数だけで健康状態を判断するには限界があります。体脂肪率やお腹まわりの長さ(腹囲)など、ほかの目安とあわせて使うことがすすめられています。
Q5. 体格指数が高いと、どのような健康上のリスクがありますか?
体格指数が25以上の場合、心臓病・2型糖尿病・高血圧・脂質異常症・特定のがんにかかるリスクが高くなります。世界保健機関の報告では、世界の大人の約39%が過体重、約13%が肥満にあてはまると見積もられています。
参考文献
- 参考リンク1 : 2009 Jan., Cristen J Willer, Nat Genet
- 参考リンク2 : 2022 Dec., Jie Huang, Nat Commun
- 参考リンク3 : 2023 Jul., Tabea Schoeler, Nat Hum Behav
- 参考リンク4 : 2022 Nov., Fotios Koskeridis, Nat Commun
- 参考リンク5 : 2014 Aug., Molly Scannell Bryan, PLoS One
- 参考リンク6 : 2013 Sep., Margrit Urbanek, Hum Mol Genet