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扁桃腺およびアデノイドの慢性疾患

扁桃腺およびアデノイドの慢性疾患のイメージ画像
  • 扁桃腺およびアデノイドの慢性疾患は、リンパ組織が何度も炎症を起こし、呼吸の問題や感染症を起こす病気で、特に子どもに多く見られます。
  • DNA領域rs9542155のTというタイプを持つ人は、この病気になるリスクが高い傾向にあることがヘルシンキ大学の研究で分かりました。
  • 症状が重い場合は扁桃摘出術やアデノイド切除術(扁桃腺やアデノイドを取る手術)によって、長く続く炎症を減らし、呼吸や睡眠を良くすることができます。

概要

【疾患の概要】 扁桃腺およびアデノイドの慢性疾患は、特に子どもに多く見られる病気です。 扁桃腺は、口の奥の両側にあるリンパ組織(体を守る免疫の働きをする組織)の一部で、アデノイドは鼻の奥の上のほうにあるリンパ組織です。

【治療と注意点】 これらの組織は、体を病原体から守る免疫の働きで大切な役割をもっていますが、炎症が長く続くと、さまざまな健康問題を起こします。 慢性扁桃炎は、扁桃腺が何度も炎症を起こし、腫れや痛みが出る状態です。 主な症状は、のどの痛み、咽頭炎(のどの奥の炎症)、口臭、発熱、リンパ節の腫れなどです。 症状が進むと扁桃腺が大きく腫れ、息をすることや食べ物を飲み込むことが難しくなります。 アデノイドの慢性炎症は、アデノイドが何度も炎症を起こす状態です。 鼻づまり、いびき、睡眠時無呼吸(寝ている間に呼吸が止まる状態)、耳の感染症(中耳炎)、長く続く鼻水、鼻声(声が鼻にかかったような状態)などの症状が出ます。 アデノイドが大きくなると鼻で息をしにくくなり、いつも口で息をするようになります。 治療には、抗生物質(細菌をおさえる薬)や炎症をおさえる薬、アレルギーの治療があります。 症状が重く、毎日の生活に大きな影響が出る場合は、扁桃腺を取る手術(扁桃摘出術)やアデノイドを取る手術(アデノイド切除術)が検討されます。 これらの手術は、長く続く炎症や感染を減らし、呼吸や睡眠を良くするために行われます。

【遺伝的リスク】 ヘルシンキ大学のSaarentausらの研究により、扁桃腺およびアデノイドの慢性疾患のかかりやすさが、rs9542155というDNA領域と関係していることが分かりました。 このDNA領域にはTT、TC、CCの3つの遺伝子型があり、Tを持つ遺伝子型の人は、扁桃腺およびアデノイドの慢性疾患のリスクが高い傾向にあることが分かりました。

扁桃腺およびアデノイドの慢性疾患とは何か

扁桃腺およびアデノイドの慢性疾患は、口の奥の両側にあるリンパ組織(扁桃腺)と鼻の奥の上のほうにあるリンパ組織(アデノイド)が、何度も炎症を起こす病気です。これらの組織は体を守る免疫の働きで大切な役割をもっていますが、炎症が長く続くと、呼吸の問題・感染症・睡眠の問題など、さまざまな健康問題を起こします。

慢性扁桃炎の原因と症状

慢性扁桃炎は、扁桃腺が何度も炎症を起こし、腫れや痛みが出る状態です。主な症状は次のとおりです。

  • のどの痛み:長く続く、またはくり返すのどの痛みです。
  • 咽頭炎:のどの炎症によるいやな感じ
  • 口臭:細菌の感染が続くことによるいやなにおいです。
  • 発熱:何度もくり返す発熱
  • リンパ節の腫れ:首のリンパ節の腫れ

症状が進むと扁桃腺が大きく腫れ、息をすることや食べ物を飲み込むことが難しくなる症状を引き起こします。

アデノイドの慢性炎症の原因と症状

アデノイドの慢性炎症は、鼻の奥の上のほうにあるリンパ組織が何度も炎症を起こす状態です。主な症状は次のとおりです。

  • 鼻づまり:鼻が詰まった状態が続きます。
  • いびき・睡眠時無呼吸:空気の通り道が狭くなることによる呼吸の問題です。
  • 中耳炎:耳と鼻をつなぐ管(耳管)の働きが悪くなり、中耳炎を何度もくり返します。
  • 慢性的な鼻水:鼻水が長く続きます。
  • 鼻声:声が鼻にかかったような状態です。

アデノイドが大きくなると鼻で息をしにくくなり、いつも口で息をするようになります。

慢性扁桃炎とアデノイド慢性炎症の違い

比較項目 慢性扁桃炎 アデノイドの慢性炎症
位置 口の奥の両側 鼻の奥の上のほう
主な症状 のどの痛み・口臭・発熱 鼻づまり・いびき・中耳炎
呼吸への影響 飲み込みにくく、空気の通り道が狭くなります。 鼻で息をしにくく、いつも口で息をします。
かかりやすい年齢 子ども〜大人 主に子ども(2〜7歳)
手術 扁桃摘出術 アデノイド切除術

治療法の分類と選択基準

治療法は、症状の重さに合わせて次のように選ばれます。

  • 薬による治療:抗生物質(細菌をおさえる薬)・炎症をおさえる薬、アレルギーの治療です。
  • 様子を見る:軽い場合は、定期的に診察を受けて症状を見守ります。
  • 手術による治療:症状が重く、毎日の生活に支障が出る場合
    • 扁桃摘出術(扁桃腺を取る手術)
    • アデノイド切除術(アデノイドを取る手術)

これらの手術は、長く続く炎症や感染を減らし、呼吸や睡眠を良くすることを目的として行われます。

遺伝子と扁桃腺・アデノイドの慢性疾患の関係

DNA領域rs9542155とこの病気のリスクの関係

ヘルシンキ大学のSaarentausらの研究(2023年)により、DNA領域rs9542155が扁桃腺およびアデノイドの慢性疾患のかかりやすさと関係していることが分かりました。

  • rs9542155にはTT・TC・CCの3つの遺伝子型があります。
  • Tを持つ遺伝子型(TT型・TC型)の人は、この病気になるリスクが高い傾向があります。

日本人における遺伝子型分布(rs9542155)

遺伝子型 日本人の割合 世界の割合
TT型 28.9% 10.9%
TC型 49.7% 44.3%
CC型 21.3% 44.6%

日本人はTT型の割合が世界平均(10.9%)の約2.7倍(28.9%)であり、遺伝的にこの病気になるリスクが高いグループに当てはまる可能性があります。

DNA領域rs9542155で、日本でそれぞれの遺伝子型を持つ人の割合

  • TT
    28.9%
  • TC
    49.7%
  • CC
    21.3%

DNA領域rs9542155で、世界でそれぞれの遺伝子型を持つ人の割合

  • TT
    10.9%
  • TC
    44.3%
  • CC
    44.6%

検査の理論的根拠

代表的なDNA領域:扁桃腺およびアデノイドの慢性疾患

扁桃腺およびアデノイドの慢性疾患に最も強く影響するDNA領域は、rs9542155です。 日本でのそれぞれの遺伝子型の割合は下のとおりです。

  • TT
    28.9 %
  • TC
    49.7 %
  • CC
    21.3 %

検査の根拠

ヘルシンキ大学のSaarentausらの研究により、扁桃腺およびアデノイドの慢性疾患のかかりやすさが遺伝子と関係していることが分かりました。人間のDNAには、rs9542155という場所があり、そこにはTとCの2種類のタイプがあります。Tを持つ人は、扁桃腺およびアデノイドの慢性疾患のリスクが高い傾向にあることが分かりました。

今回調査したDNA領域

細胞の中にあるDNAの地図(模式図)

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関連遺伝子

関連遺伝子 KLHL1

よくある質問

Q1. 扁桃腺およびアデノイドの慢性疾患とは何ですか?

扁桃腺およびアデノイドの慢性疾患は、口の奥のリンパ組織(扁桃腺)と鼻の奥の上のほうのリンパ組織(アデノイド)が、何度も炎症を起こす病気です。特に子どもに多く、のどの痛み・鼻づまり・いびき・睡眠時無呼吸(寝ている間に呼吸が止まる状態)などの症状が出ます。

Q2. 扁桃腺とアデノイドの慢性疾患の症状の違いは?

慢性扁桃炎はのどの痛み・咽頭炎(のどの奥の炎症)・口臭・発熱・リンパ節の腫れが主な症状です。アデノイドの慢性炎症は鼻づまり・いびき・睡眠時無呼吸・中耳炎・長く続く鼻水・鼻声が主症状です。

Q3. 扁桃腺・アデノイドの慢性疾患の治療法は?

軽い場合は抗生物質・炎症をおさえる薬・アレルギーの治療で治療します。症状が重く、毎日の生活に支障が出る場合は、扁桃摘出術やアデノイド切除術(扁桃腺やアデノイドを取る手術)が検討されます。

Q4. 遺伝子検査で扁桃腺・アデノイドの慢性疾患のリスクは分かりますか?

DNA領域rs9542155の遺伝子型を調べることで、この病気へのなりやすさの傾向を知ることができます。Tを持つ遺伝子型(TT型・TC型)の人はリスクが高い傾向にあることが、ヘルシンキ大学の研究で分かっています。

Q5. アデノイドが大きくなって口で息をすると、どんな影響がありますか?

アデノイドが大きくなると鼻で息をしにくくなり、いつも口で息をするようになります。口呼吸は歯並びの乱れ・顔の骨の成長への影響・睡眠の質の低下・集中力の低下など、子どもの成長や発達に悪い影響が出る可能性があります。

参考文献