憩室疾患
- 憩室疾患は大腸の内側の壁にできる袋のようなふくらみ(憩室)が原因で起こるおなかの病気で、40歳以上の人に多いです。
- DNA領域rs759555のTを持つ人はかかりやすい傾向があることがミシガン大学の研究で判明しました。
- 適切な食物繊維をとる・運動する・体重を管理することで、かかりにくくし、予防することが可能です。
概要
【疾患の概要】 憩室病は、憩室(大腸の内側の壁にできる小さな袋のようなふくらみ)が原因で起こる病気です。 憩室は、大腸の筋肉が弱くなり、腸の中の圧力で壁が外側にふくらんでできるもので、特に大腸の下の方に多く見られます。
【症状と特徴】 憩室があるだけでは症状が出ないことが多いですが、炎症を起こすと憩室炎と呼ばれる状態になります。 憩室病は症状がない場合もありますが、腹痛、便秘、下痢、吐き気、食欲がないなどの症状が出ることがあります。 憩室が炎症を起こして憩室炎になると、痛みが急に強くなり、発熱、寒気、嘔吐、便に血が混じるなどの症状が出ます。
【治療と注意点】 40歳以上であること、食物繊維の少ない食事、長く続く便秘、肥満、運動不足などが、発症しやすさを高めます。 診断には、内視鏡検査(大腸カメラ)やコンピューター断層撮影(X線で体の断面を撮る検査)、超音波検査などが使われます。 軽い憩室病は、食物繊維を多くとってお通じをよくし、大腸の壁にかかる圧力を減らすことで、新しい憩室ができるのを防げます。重い場合は抗生物質や手術が必要になります。
【遺伝子の影響】 ミシガン大学のMaguireらの研究で、憩室疾患へのかかりやすさがrs759555というDNA領域と関係していることが分かりました。 このDNA領域にはTT、TC、CCの3つの遺伝子型があり、Tを持つ遺伝子型の人は、憩室疾患のリスクが高い傾向があることが分かりました。
憩室疾患とは何か
憩室疾患とは、大腸の内側の壁にできる小さな袋のようなふくらみ(憩室)が原因で起こる、おなかの病気です。大腸の筋肉が弱くなり、腸の中の圧力で壁が外側にふくらんでできます。特に大腸の下の方(S状結腸)によくできます(1)。
憩室疾患の原因としくみ
憩室疾患は、いくつもの要因が重なって起こります。
- 年齢とともに腸の壁が弱くなる:40歳以上になると大腸の壁の筋肉が弱くなり、中の圧力に耐えにくくなります。
- 食物繊維の少ない食事:食物繊維が足りないと便が硬くなり、トイレのときに大腸の中の圧力が高くなります。
- 長く続く便秘:トイレで強くいきむと、大腸の壁にかかる圧力が大きくなります。
- 肥満・運動不足:腸が便を送る動き(ぜん動運動)が弱まり、腸の中の圧力が上がりやすくなります。
- 遺伝子の影響:DNA領域rs759555でTを持つ人はリスクが高い傾向があります。
憩室疾患の主な症状
憩室疾患は症状がない場合もありますが、次のような症状が出ることがあります。
- 腹痛(特に左下腹部)
- 便秘と下痢をくり返す
- 吐き気・食欲がない
- おなかの張り
憩室が炎症を起こして憩室炎になると、次のような重い症状が出ます。
- 腹痛が急に強くなります。
- 発熱・寒気
- 嘔吐
- 血便
憩室疾患と憩室炎の違い
| 比較項目 | 憩室疾患 | 憩室炎 |
|---|---|---|
| 定義 | 憩室があること自体 | 憩室の炎症状態 |
| 症状 | 症状なし~軽い腹痛 | 急な強い腹痛・発熱・嘔吐 |
| 重さ | 軽い~中くらい | 中くらい~重い |
| 治療 | 食事の見直し・生活の改善 | 抗生物質や手術が必要な場合があります。 |
| 遺伝子の影響 | rs759555のTが関係 | 憩室疾患が進んで |
診断方法
次の検査で診断されます。
- 内視鏡検査(大腸カメラ)
- コンピューター断層撮影(X線で体の断面を撮る検査)
- 超音波検査
予防と対処法
憩室疾患の予防や症状をやわらげるには生活習慣の改善が有効です。
- 食物繊維を多くとる:野菜・果物・全粒穀物をたくさん食べて、お通じをよくします。
- 水分を十分にとる:1日1.5~2リットルの水分をとり、便をやわらかくします。
- 適度な運動:ウォーキングやジョギングで腸の動きを活発にします。
- 体重管理:肥満を防ぎ、腸の中の圧力が上がるのを抑えます。
- お通じの習慣を整える:強くいきむのを避け、自然なお通じのリズムを保ちます。
遺伝子と憩室疾患の関連
DNA領域rs759555とかかりやすさの関係
ミシガン大学のMaguireらの研究(1)で、DNA領域rs759555が憩室疾患へのかかりやすさと関係していることが分かりました。
- rs759555にはTT・TC・CCの3つの遺伝子型が存在します。
- Tを持つ遺伝子型の人は、憩室疾患のリスクが高い傾向があります。
日本人における遺伝子型分布(rs759555)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| TT型 | 4.2% | 6.4% |
| TC型 | 32.7% | 37.9% |
| CC型 | 62.9% | 55.6% |
検査の科学的な根拠
代表的なDNA領域:憩室疾患
憩室疾患 に最も強く影響するDNA領域は、rs759555です。 日本における各遺伝子型の割合は下記のとおりです。
- TT
4.2 % - TC
32.7 % - CC
62.9 %
検査の根拠
ミシガン大学のMaguireらの研究で、憩室疾患へのかかりやすさが遺伝子と関係していることが分かりました。人のDNAにはrs759555という場所があり、そこにはTとCの2種類のタイプがあります。Tを持つ人は、憩室疾患のリスクが高い傾向があることが分かりました(1)。
今回調査したDNA領域
細胞の中にあるDNAの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | LINC02565 |
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よくある質問
Q1. 憩室疾患とは何ですか?
憩室疾患とは、大腸の内側の壁にできる小さな袋のようなふくらみ(憩室)が原因で起こる、おなかの病気です。大腸の筋肉が弱くなり、腸の中の圧力で壁が外側にふくらんでできます。特に大腸の下の方(S状結腸)によくできます(1)。
Q2. 憩室疾患の原因は何ですか?
主な原因は年をとって大腸の壁が弱くなることと、食物繊維の少ない食事です。40歳以上であること、長く続く便秘、肥満、運動不足も、かかりやすくなる要因です。DNA領域rs759555でTを持つ人はリスクが高い傾向があります(1)。
Q3. 憩室疾患と憩室炎の違いは?
憩室疾患は憩室があること自体を指し、症状がない場合もあります。一方、憩室炎は憩室が炎症を起こした状態で、急な強い腹痛・発熱・嘔吐などの重い症状が出ます。
Q4. 遺伝子検査で憩室疾患のリスクは分かりますか?
DNA領域rs759555の遺伝子型を調べることで、憩室疾患へのかかりやすさの傾向を知ることができます。Tを持つ遺伝子型の人はリスクが高い傾向があることが、ミシガン大学の研究で分かっています(1)。