好酸球減少症
- 好酸球減少症は白血球の一種である好酸球が異常に減少する状態で、免疫機能の低下を示す指標となる
- DNA領域rs11700925の遺伝子型が好酸球数に関与しており、T型変異を持つ人は好酸球数が多い傾向にある
- 診断には完全血球計数(CBC)検査が用いられ、原因疾患の特定と治療が重要となる
概要 好酸球減少症は、白血球の一種である好酸球が通常よりも極端に少ない状態を指します。好酸球は体の免疫システムの一部であり、寄生虫感染から身を守ることやアレルギー反応をコントロールする役割を果たします。 通常、好酸球は体内の白血球の約16%を占めます。しかし、好酸球減少症の人は、この割合が通常よりも大幅に低くなります。 好酸球減少症の原因はさまざまで、重度のストレスやステロイド薬の使用などによって引き起こされます。 また、細菌やウイルスなどの感染症が体内で発生すると、免疫システムが反応して好酸球の数が減少することもあります。 好酸球減少症を診断するときは、血液中の細胞数と種類を数える完全血球計数(CBC)検査が一般的に行われます。 CBC検査で好酸球の数を把握することは、病気の進行具合や治療の効果を確認することができるため、非常に重要となります。 ケンブリッジ大学のVuckovicらの研究により、好酸球の数がrs11700925というDNA領域と関連していることが明らかになりました。 このDNA領域にはCC、CT、TTの3つの遺伝子型があり、Tを持つ遺伝子型の人は、好酸球の数が多い傾向にあることが分かりました。
好酸球減少症とは何か
好酸球減少症は、白血球の一種である好酸球が血液中で異常に減少した状態です。好酸球は通常、白血球の約1〜6%を占め、寄生虫感染防御やアレルギー反応の制御に関与します。
好酸球減少症の原因とメカニズム
好酸球減少症は、以下の要因により引き起こされます。
- 重度のストレス:急性ストレスにより副腎皮質ホルモン(コルチゾール)が増加し、好酸球が減少
- ステロイド薬の使用:コルチコステロイドが好酸球のアポトーシス(細胞死)を促進
- 急性感染症:細菌・ウイルス感染時に免疫応答として好酸球数が低下
- クッシング症候群:副腎皮質ホルモンの過剰産生により好酸球が持続的に減少
好酸球の役割と減少の影響
好酸球は免疫システムにおいて以下の重要な機能を担います。
- 寄生虫感染からの生体防御
- アレルギー反応の調節・制御
- 炎症反応における組織修復
好酸球が減少すると、これらの防御機能が低下し、感染リスクが高まる可能性があります。
好酸球減少症の診断方法
完全血球計数(CBC)検査により血液中の好酸球数を測定します。
- 好酸球の絶対数が血液1μLあたり50個未満で好酸球減少症と診断
- 白血球分画検査で好酸球の割合を確認
- 原因疾患の特定のため、追加検査を実施
好酸球減少症と好酸球増加症の違い
| 比較項目 | 好酸球減少症 | 好酸球増加症 |
|---|---|---|
| 定義 | 好酸球が異常に少ない状態 | 好酸球が異常に多い状態 |
| 基準値 | 50個/μL未満 | 500個/μL以上 |
| 主な原因 | ストレス・ステロイド・感染症 | アレルギー・寄生虫・自己免疫疾患 |
| 症状 | 免疫力低下・感染リスク増大 | 臓器障害・炎症反応 |
遺伝子と好酸球数の関連
DNA領域rs11700925と好酸球数の関係
ケンブリッジ大学のVuckovicらの研究により、DNA領域rs11700925が好酸球数と関連していることが判明しました。
- rs11700925にはCC・CT・TTの3つの遺伝子型が存在
- T型変異を持つ遺伝子型の人は、好酸球数が多い傾向
日本人における遺伝子型分布(rs11700925)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| CC型 | 99.9% | 58.2% |
| CT型 | 0.1%以下 | 36.1% |
| TT型 | 0.1%以下 | 5.5% |
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:好酸球減少症
好酸球減少症 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs11700925です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
- CC
99.9 % - CT
0.1%以下 - TT
0.1%以下
他に、好酸球減少症に関わる遺伝子領域はrs34290285があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
- GG
72.4 % - GA
25.3 % - AA
2.2 %
他に、好酸球減少症に関わる遺伝子領域はrs7080536があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
- GG
99.9 % - GA
0.1%以下 - AA
0.1%以下
他に、好酸球減少症に関わる遺伝子領域はrs3093479があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
- AA
24.0 % - AG
49.9 % - GG
25.9 %
検査の根拠
ケンブリッジ大学のVuckovicらの研究により、好酸球数が遺伝子と関連していることが明らかになりました。rs11700925領域にはCとTの2種類の変異があり、C型変異を持つ人は好酸球数が多い傾向にあります(1)。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | RUNX1 |
|---|---|
| 関連遺伝子 | D2HGDH |
| 関連遺伝子 | HABP2 |
| 関連遺伝子 | IL9R |
よくある質問(FAQ)
Q1. 好酸球減少症とは何ですか?
好酸球減少症は、白血球の一種である好酸球が血液中で異常に減少した状態です。好酸球は通常、白血球の約1〜6%を占め、寄生虫感染防御やアレルギー反応の調節に関与します(1)。
Q2. 好酸球減少症の原因は何ですか?
主な原因は重度のストレス、ステロイド薬(コルチコステロイド)の使用、急性細菌・ウイルス感染症です。クッシング症候群やアルコール中毒も原因となります。DNA領域rs11700925の遺伝子型が好酸球数に影響することが研究で判明しています(1)。
Q3. 好酸球減少症の診断方法は?
完全血球計数(CBC)検査により血液中の好酸球数を測定します。好酸球の絶対数が血液1μLあたり50個未満の場合に好酸球減少症と診断されます。
Q4. 遺伝子検査で好酸球減少症のリスクは分かりますか?
DNA領域rs11700925の遺伝子型を調べることで、好酸球数の傾向を把握できます。ケンブリッジ大学のVuckovicらの研究により、T型変異を持つ遺伝子型の人は好酸球数が多い傾向にあることが判明しています(1)。
参考文献
- 参考リンク1 : 2020 Sep., Dragana Vuckovic, Cell
- 参考リンク2 : 2016 Nov., William J Astle, Cell
- 参考リンク3 : 2020 Sep., Ming-Huei Chen, Cell