股関節骨折の耐性
- 股関節骨折の耐性は骨密度(骨の強さの目安)によって決まり、骨密度が低いと骨折しやすくなります。
- DNA領域rs7776725のCタイプを持つ人は股関節骨折のリスクが高い傾向にあることが研究で分かりました。
- 適切な栄養をとる・体重をかける運動・生活習慣の見直しにより骨密度を保ち、骨折のリスクを下げることができます。
概要
【疾患の概要】 骨密度は、骨の強さを表す目安です。 骨に含まれるミネラル(カルシウムなど)の量を測り、骨の体積に対してどれだけミネラルが詰まっているかを示します。
【主な特徴と影響】 骨密度が低いと、骨の構造が弱くなり、骨折しやすくなります。
【治療と注意点】 骨密度の測定で特に大切なのが股関節です。 股関節は体重を支え、立つ、歩く、走る、しゃがむといった毎日の基本的な動きに欠かせません。 そのため、股関節を骨折すると、毎日の生活がとても不便になり、重い場合は手術や長いリハビリテーション(回復のための訓練)が必要になります。 年をとっても健康な状態を保つためには、生活習慣を見直したり、薬による治療や栄養補助食品を取り入れたりして、股関節の骨密度を高めることが大切です。
【遺伝子の影響】 ソウル大学のHyung Jin Choiらの研究により、股関節骨折のリスクがrs7776725というDNA領域と関係していることが分かりました。 このDNA領域にはTT、TC、CCの3つの遺伝子型があり、Cを持つ遺伝子型の人は、股関節骨折のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
股関節骨折の耐性とは何か
股関節骨折の耐性とは、股関節の部分の骨密度(骨にミネラルがどれだけ詰まっているか)によって決まる、骨折しにくさの目安です。骨密度が高いほど骨折しにくくなり、骨密度が低いと骨の構造がもろくなって骨折しやすくなります。
骨密度と股関節の関係
骨密度は骨の強さを表す目安で、骨に含まれるミネラルの量を測り、骨の体積に対してどれだけミネラルが詰まっているかを示します。
- 股関節は体重を支える大切な関節で、立つ・歩く・走る・しゃがむなどの基本的な動きに欠かせません。
- 股関節を骨折すると毎日の生活の質が大きく下がりし、手術や長いリハビリテーションが必要になることがあります。
- 骨密度が低い場合、骨粗鬆症(骨がもろくなる病気)と診断され、骨折のリスクが大きく高まります。
股関節骨折のリスクを高める要因
次のようなことが股関節骨折のリスクを高めます。
- 加齢:特に65歳以上で骨密度が下がりやすいです。
- 性別:閉経後の女性は女性ホルモン(エストロゲン)が減るため、骨密度が急に下がります。
- 遺伝子の影響:DNA領域rs7776725のCタイプがリスクに関係しています。
- 栄養不足:カルシウム・ビタミンDの摂取不足
- 運動不足:体重をかける運動が足りないことによる骨密度の低下です。
股関節骨折の予防法
骨密度を維持・増加させるために以下の対策が有効です。
| 予防法 | 具体的な内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 栄養をとる | カルシウム・ビタミンD・タンパク質 | 骨のミネラルの量を保ちます。 |
| 荷重運動(体重をかける運動) | ウォーキング・筋力トレーニング | 骨がつくられるのを助けます。 |
| 生活習慣の見直し | 禁煙・お酒を控えます。 | 骨密度の低下をおさえます。 |
| 定期検査 | エックス線を使った専用の検査(二重エネルギーエックス線吸収法)による骨密度測定 | 早く見つけて早く対策 |
| 薬による治療 | 骨を守る薬(ビスホスホネート製剤など) | 骨がこわされるのをおさえます。 |
遺伝子と股関節骨折のリスクの関係
DNA領域rs7776725と骨折リスクの関係
ソウル大学のHyung Jin Choiらの研究(1)により、DNA領域rs7776725が股関節骨折のリスクと関係していることが分かりました。
- rs7776725にはTT・TC・CCの3つの遺伝子型があります。
- Cタイプを持つ遺伝子型(TC型・CC型)の人は、股関節骨折のリスクが高い傾向があります。
日本人における遺伝子型分布(rs7776725)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| TT型 | 75.7% | 53.3% |
| TC型 | 22.5% | 39.3% |
| CC型 | 1.6% | 7.2% |
日本人はCC型の割合が1.6%と世界平均(7.2%)より低く、TT型が75.7%と世界平均(53.3%)より高いという特徴があります。
日本人における遺伝子型分布(rs9594759)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| CC型 | 71.5% | 23.5% |
| CT型 | 26.0% | 49.9% |
| TT型 | 2.3% | 26.5% |
検査の理論的根拠
代表的なDNA領域:股関節骨折の耐性
股関節骨折の耐性 に最も強く関係するDNA領域は、rs7776725です。 日本でのこの領域の遺伝子型の割合は下のとおりです。
- TT
75.7 % - TC
22.5 % - CC
1.6 %
他に、股関節骨折の耐性に関係するDNA領域としてrs9594759があります。 日本でのこの領域の遺伝子型の割合は下のとおりです。
- CC
71.5 % - CT
26.0 % - TT
2.3 %
検査の根拠
ソウル大学のHyung Jin Choiらの研究により、股関節骨折になるリスクが遺伝子と関係していることが分かりました。人のDNAには、rs7776725という領域があり、この領域にはTとCの2種類のタイプがあります。Cタイプを持つ人は、股関節骨折のリスクが高い傾向にあることが分かりました(1)。
今回調査したDNA領域
細胞の中にあるDNAの地図のイメージ図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | FAM3C |
|---|---|
| 関連遺伝子 | LINC02341 |
よくある質問
Q1. 股関節骨折の耐性とは何ですか?
股関節骨折の耐性とは、股関節の部分の骨密度によって決まる、骨折しにくさの目安です。骨密度が高いほど骨折しにくくなり、骨密度が低いと骨の構造がもろくなって骨折しやすくなります。
Q2. 股関節骨折のリスクに遺伝子は関係しますか?
ソウル大学のHyung Jin Choiらの研究により、DNA領域rs7776725が股関節骨折のリスクに関係することが分かっています。Cタイプを持つ遺伝子型(TC型・CC型)の人はリスクが高い傾向にあります(1)。
Q3. 股関節骨折を予防する方法は?
カルシウムとビタミンDの十分な摂取、ウォーキングや筋力トレーニングなどの荷重運動(体重をかける運動)、禁煙・お酒を控えること、定期的な骨密度検査が効果的です。特に閉経後の女性や65歳以上の方は、定期的な検査がすすめられています。
Q4. 骨密度と股関節骨折の関係は?
骨密度は骨の強さを示す目安です。骨密度が低いと骨の構造が弱くなり、股関節骨折のリスクが高まります。特に股関節は体重を支える大切な部分で、骨折すると手術や長いリハビリテーションが必要になります。
Q5. 股関節骨折の遺伝子型分布は日本と世界で違いますか?
rs7776725の遺伝子型分布は日本と世界で異なります。日本ではTT型75.7%・TC型22.5%・CC型1.6%であるのに対し、世界ではTT型53.3%・TC型39.3%・CC型7.2%です。日本人はCC型の割合が低い傾向にあります(1)(2)。
参考文献
- 参考リンク1 : 2016 Oct., Hyung Jin Choi, Bone
- 参考リンク2 : 2008 May., Unnur Styrkarsdottir, N Engl J Med