骨粗鬆症
- 骨粗鬆症は骨密度が下がって骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気で、特に閉経後の女性に多いです。
- DNA領域rs10416265のGタイプを持つ人は骨粗鬆症になりやすい傾向があることがケンブリッジ大学の研究で判明しました。
- 適切なカルシウム・ビタミンDをとることと、骨に体重をかける運動で骨密度を保ち、骨折を防ぐことができます。
概要
【疾患の概要】 骨粗鬆症は、骨が弱く、もろくなり、骨折しやすくなる病気です。特に閉経後の女性に多く見られます。 原因は、新しい骨を作るはたらきと、古い骨を壊すはたらきのバランスが崩れることです。
【症状と特徴】 骨では、新しい骨が作られると同時に、古い骨が壊されて体に吸収されるという入れ替わりが、いつも起きています。 しかし、骨を壊すはたらきが強すぎて、骨を作るはたらきが足りなくなると、骨密度(骨の詰まり具合)が下がり、骨がもろくなります。 初めのうちは自分で気づく症状がないことが多いですが、進むと骨折が増えます。 骨折しやすい場所は、腰の骨(腰椎)、太ももの付け根の骨(大腿骨)、手首などです。 これらの骨折は、痛みや動きにくさを引き起こし、毎日の生活のしやすさを下げてしまいます。
【治療と注意点】 診断には、骨密度を測る専用のエックス線検査が使われます。 この検査で骨の状態を正確に調べ、治療の方針を決めます。 治療では、骨密度を上げるために、カルシウムやビタミンDを補ったり、薬を使ったりします。 また、定期的な運動や禁煙、お酒を控えることも、骨の健康のために大切です。
【遺伝子の影響】 ケンブリッジ大学のMoayyeriらの研究により、骨粗鬆症へのなりやすさが、rs10416265というDNA領域と関係していることが分かりました。 このDNA領域にはAA、AG、GGの3つの遺伝子型があり、Gを持つ遺伝子型の人は、骨粗鬆症になりやすい傾向があることが分かりました。
骨粗鬆症とは何か
骨粗鬆症とは、骨を作るはたらきと壊すはたらきのバランスが崩れ、骨密度が下がって骨がもろくなる病気です。世界保健機関の基準では、骨密度を測るエックス線検査でTスコア(若い成人の平均と比べた骨密度の値)が-2.5以下の場合に骨粗鬆症と診断されます。
骨粗鬆症の原因とメカニズム
骨では、新しい骨を作るはたらき(骨形成)と、古い骨を壊すはたらき(骨吸収)による入れ替わりが、いつも繰り返されています。このバランスが崩れると骨密度が下がります。
- 骨を壊すはたらきの高まり:骨を壊す細胞(破骨細胞)のはたらきが強くなりすぎ、骨が壊れる速さが上がります。
- 骨を作るはたらきの低下:骨を作る細胞(骨芽細胞)による骨の作り直しが追いつかなくなります。
主なリスク因子は次のとおりです。
- 閉経後の女性ホルモン(エストロゲン)の減少(閉経後の女性の約30%がかかる)
- カルシウム・ビタミンDの不足
- 運動不足・長い間寝たままでいること
- 生まれつきの体質(家族に骨粗鬆症の人がいる)
- 年齢(50歳以上でリスクが上がる)
- 喫煙・お酒の飲みすぎ
骨粗鬆症の主な症状
初めのうちは自分で気づく症状がないため、「沈黙の病気」と呼ばれます。進むと次のような症状が出てきます。
- 腰の骨・太ももの付け根の骨・手首の弱い力で起こる骨折
- 身長が縮みます(背骨がつぶれる骨折による)。
- 背中が丸くなります(円背・亀背)。
- 長く続く腰や背中の痛み
骨粗鬆症と骨減少症の違い
| 比較項目 | 骨粗鬆症 | 骨減少症 |
|---|---|---|
| Tスコア | -2.5以下 | -1.0〜-2.5 |
| 骨折リスク | 高い | 中程度 |
| 治療 | 薬による治療+生活習慣の改善 | 生活習慣の改善が中心 |
| 進行度 | 骨の量が大きく減っています。 | 骨の量が減り始めた初期〜中期 |
骨粗鬆症の予防法
次の対策で、骨密度を保ち、骨折を防ぐことができます。
- カルシウム摂取:1日700〜800mg(牛乳・小魚・大豆製品)
- ビタミンD:日光浴(1日15〜20分)またはサプリメント
- 骨に体重をかける運動:ウォーキング・ジョギング・筋力トレーニング(週3回以上)
- 禁煙・お酒を控える:喫煙は骨密度の低下を早めます。
- 定期検査:50歳以上の女性は骨密度検査を受けることがすすめられます。
診断方法
次の検査で診断されます。
- 骨密度検査(二重エネルギーエックス線吸収測定法):骨密度を測る標準的な検査
- 血液検査(カルシウム・ビタミンD・骨の入れ替わりを示す値)
- エックス線検査(骨折があるかの確認)
遺伝子と骨粗鬆症の関係
DNA領域rs10416265と骨粗鬆症へのなりやすさの関係
ケンブリッジ大学のMoayyeriらの研究(1)により、DNA領域rs10416265が骨粗鬆症へのなりやすさと関係していることが分かりました。
- rs10416265にはAA・AG・GGの3つの遺伝子型が存在します。
- Gタイプを持つ遺伝子型の人は、骨粗鬆症になりやすい傾向があります。
日本人での遺伝子型の割合(rs10416265)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| AA型 | 2.6% | 47.9% |
| AG型 | 27.3% | 42.5% |
| GG型 | 69.9% | 9.4% |
検査の科学的な根拠
代表的なDNA領域:骨粗鬆症
骨粗鬆症に最も強く影響するDNA領域は、rs10416265です。 日本でのそれぞれの遺伝子型の人の割合は下のとおりです。
- AA
2.6 % - AG
27.3 % - GG
69.9 %
検査の根拠
ケンブリッジ大学のMoayyeriらの研究により、骨粗鬆症へのなりやすさが遺伝子と関係していることが分かりました。人のDNAには、rs10416265という場所があり、そこにはAとGの2種類のタイプがあります。Gタイプを持つ人は、骨粗鬆症になりやすい傾向があることが分かりました(1)。
今回調査したDNA領域
細胞の中にあるDNAの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | GPATCH1 |
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よくある質問
Q1. 骨粗鬆症とは何ですか?
骨粗鬆症とは、骨を作るはたらきと壊すはたらきのバランスが崩れ、骨密度が下がって骨がもろくなる病気です。特に閉経後の女性に多く、腰の骨・太ももの付け根の骨・手首の骨折リスクが高くなります。骨密度を測るエックス線検査で、Tスコア(若い成人の平均と比べた骨密度の値)が-2.5以下の場合に骨粗鬆症と診断されます(1)。
Q2. 骨粗鬆症の原因は何ですか?
主な原因は骨を壊すはたらきが骨を作るはたらきを上回ることによる骨密度の低下です。閉経後に女性ホルモン(エストロゲン)が減ること、カルシウム・ビタミンDの不足、運動不足、年齢、生まれつきの体質が主なリスク因子です(1)。
Q3. 遺伝子検査で骨粗鬆症のリスクは分かりますか?
DNA領域rs10416265の遺伝子型を調べることで、骨粗鬆症へのなりやすさの傾向を知ることができます。ケンブリッジ大学の研究により、Gタイプを持つ遺伝子型の人は骨粗鬆症になりやすい傾向があることが分かっています(1)。
Q4. 骨粗鬆症はどのように予防できますか?
カルシウム(1日700〜800mg)とビタミンDの十分な摂取、週3回以上の骨に体重をかける運動、禁煙、お酒を控えること、50歳以上の女性は定期的な骨密度検査を受けることが、効果的な予防法です。
Q5. 骨粗鬆症はどのように診断しますか?
骨密度検査(二重エネルギーエックス線吸収測定法)が標準的な診断方法です。Tスコアが-2.5以下の場合に骨粗鬆症と診断されます。必要に応じて血液検査やエックス線検査も行われます。