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長寿の傾向

長寿の傾向のイメージ画像
  • 長寿の傾向は遺伝子MC2Rの近くにあるDNA領域rs28926173の遺伝子型によって一人ひとり違いが出ます。
  • GG型を持つ人は長生きしやすい傾向があり、日本人の90.8%・世界の92.3%がGG型にあてはまります。
  • MC2Rのはたらきが弱まってコルチゾールが出すぎることが心の病気のなりやすさを高め、寿命に影響します。

概要

【概要】 「孝行のしたい時分に親はなし」ということわざを知っていますか。このことわざには、“親のありがたさがわかる頃には親はもういない”、“親が生きているうちに親孝行をしよう” という教えが込められています。 親にたくさん孝行するためにも、親には長生きしてもらいたいものです。最近の研究で、遺伝子「MC2R」の近くにあるある場所が、両親の長生きと関係していることがわかってきました。 長生きに関係する遺伝子は、病気のかかりやすさとも関係しています。遺伝子検査で自分の遺伝子のタイプを調べ、両親の長生きに関する遺伝子の情報を知ることは、親と一緒に過ごす時間の大切さを思い出すきっかけになるでしょう。

【特徴】 イギリスの大規模な遺伝子データベース(バイオバンク)を使った研究で、遺伝子「MC2R」の近くにある特定のタイプが、親の長生きと関係していることがわかりました。 その場所は「rs28926173」と呼ばれ、「AA型」「AG型」「GG型」の3つの遺伝子型があります。「AA型」は寿命が短い傾向があり、「AG型」はやや寿命が短い傾向があるとされています。 世界全体で見た遺伝子タイプの割合は、「GG型」が92.3%で最も多く、「AG型」が7.6%、「AA型」が0.1%で最も少ないです。日本人の遺伝子タイプは、「GG型」が90.8%で最も多く、「GA型」が9.19%、「AA型」が0.01%で最も少ないです。 これらの遺伝子型(AA型・AG型)は、ストレスを受けたときに出る「コルチゾール」というホルモンをおさえるはたらきが弱く、ストレスに関係する病気を起こしやすいため、心の病気の原因になることがわかっています。 うつ病や不眠症、不安症などの心の病気になると、生活への満足感が下がり、幸せを感じにくくなることがわかっています。両親の長生きに関係する遺伝子の情報を調べることは、親子のきずなの大切さをもう一度考えるきっかけになるのではないでしょうか?

【科学的根拠】 遺伝子「MC2R」は、ヒトが持つ24種類の染色体のうち、18番染色体にあり、副腎(腎臓の上にある小さな臓器)で特に多くはたらいています。 この遺伝子は、コルチゾールの分泌をおさえるはたらきを持っています。しかし、このはたらきがうまくいかないと、コルチゾールが出すぎてしまい、脳が縮んだり、ホルモンのバランスが乱れたりして、“血糖値を調節する力や体を守る免疫の力が下がる”ことにつながります。 このような症状は遺伝しやすいと考えられており、遺伝子「MC2R」と両親の長生きは関係していると言われています。DNA領域「rs28926173」は、親の長生きに関係する遺伝子の個人差(一塩基多型)のひとつとして注目されています。

長寿の傾向とは何か

長寿の傾向とは、両親が長生きしやすいかどうかに関する遺伝子の影響のことで、遺伝子MC2Rの近くにあるDNA領域rs28926173と関係しています。イギリスの大規模な遺伝子データベース(バイオバンク)を使った研究で、GG型を持つ人は長生きしやすい傾向があることがわかっています。

なぜ長生きは遺伝子と関係するのか

長生きに関係する遺伝子は、ストレスホルモン「コルチゾール」の量の調節にかかわっています。コルチゾールが出すぎると病気になりやすくなるため、長生きと遺伝子は直接つながっています。

遺伝子MC2Rとコルチゾールの関係

遺伝子MC2Rは18番染色体にあり、副腎ではたらいてコルチゾールの分泌をおさえる遺伝子です。

比較項目 MC2Rのはたらきが正常 MC2Rのはたらきが弱い
コルチゾールの分泌 ほどよくおさえられます。 出すぎてしまいます。
脳への影響 脳のはたらきを正常に保ちます。 脳が縮んでいく
免疫の力 免疫が正常にはたらきます。 免疫の力が下がります。
血糖値の調節 血糖値を正常に保ちます。 血糖値を調節する力が下がります。
心の病気のなりやすさ 低い うつ病・不眠症・不安症になりやすくなります。

コルチゾールが出すぎると寿命にどう影響するか

MC2Rのはたらきが弱まると、コルチゾールが出すぎて、次のような症状が起こります。

  • 脳が縮んで、考えたり覚えたりする力が下がります。
  • ホルモンのバランスが乱れて血糖値を調節する力が下がります。
  • 免疫の力が下がり、感染症にかかりやすくなります。
  • うつ病・不眠症・不安症などの心の病気になります。
  • 生活への満足感や幸せを感じる気持ちが下がります。

これらの症状は遺伝しやすいため、遺伝子MC2Rと両親の長生きは深く関係しています。

長寿に関する遺伝子情報を知る意義

遺伝子検査で自分のrs28926173の遺伝子型を調べることは、親と一緒に過ごす時間の大切さを思い出すきっかけになります。遺伝子検査で次のことがわかります。

  • 自分の長生きに関係する遺伝子型:GG型・GA型・AA型のどれにあてはまるかを判定します。
  • ストレスに関係する病気のなりやすさ:コルチゾールの量を調節する力の遺伝的な傾向がわかります。
  • 生活習慣を見直すヒント:遺伝子の傾向をふまえた健康管理に役立てます。

遺伝子と長寿の傾向の関係

DNA領域rs28926173の遺伝子型と長寿の関係

エクセター大学医学部のPillingらの研究で、DNA領域rs28926173が長生きしやすさと関係していることがわかりました。

  • rs28926173にはGG・GA・AAの3つの遺伝子型があります。
  • GG型(Gタイプを持つ人)は長生きしやすい傾向があります。
  • AA型は寿命が短い傾向があります。
  • 関連遺伝子:MC2R(メラノコルチン2受容体という、ホルモンを受け取るたんぱく質の設計図となる遺伝子)

日本人・世界の遺伝子型の割合(rs28926173)

遺伝子型 日本人の割合 世界の割合 長生きの傾向
GG型 90.8% 92.3% 長生きしやすいです。
GA型 9.19% 7.6% やや寿命が短い傾向
AA型 0.01% 0.1% 寿命が短い傾向

DNA領域rs28926173の各遺伝子タイプを持つ人の割合(日本)

  • GG
    99.9%
  • GA
    0.1%以下
  • AA
    0.1%以下

DNA領域rs28926173の各遺伝子タイプを持つ人の割合(世界)

  • GG
    92.2%
  • GA
    7.5%
  • AA
    0.1%

検査の理論的根拠

代表的なDNA領域:長寿の傾向

長寿の傾向に最も強く影響するDNA領域は、rs28926173です。 日本でのこの場所の遺伝子タイプの割合は下のとおりです。

  • GG
    99.9 %
  • GA
    0.1%以下
  • AA
    0.1%以下

検査の根拠

エクセター大学医学部のPillingらの研究で、長生きしやすいかどうかが遺伝子と関係していることがわかりました。人間のDNAには「rs28926173」という場所があり、そこにはGとAの2種類のタイプがあります。Gタイプを持つ人は、長生きしやすい傾向があることがわかりました。

今回調査したDNA領域

細胞の中にあるDNAの地図のイメージ図

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関連遺伝子

関連遺伝子 MC2R

よくある質問

Q1. 長寿の傾向とは何ですか?

長寿の傾向とは、両親が長生きしやすいかどうかに関する遺伝子の影響のことです。遺伝子MC2Rの近くにあるDNA領域rs28926173のGG型を持つ人は長生きしやすい傾向があることが、イギリスの大規模な遺伝子データベース(バイオバンク)を使った研究でわかっています。日本人の90.8%がGG型にあてはまり、世界平均の92.3%と近い値です。

Q2. 遺伝子MC2Rは長寿にどう関係しますか?

遺伝子MC2Rは18番染色体にあり、コルチゾールの分泌をおさえるはたらきを持ちます。MC2Rのはたらきが弱まるとコルチゾールが出すぎて、脳が縮む・ホルモンのバランスが乱れる・免疫の力が下がるといったことが起こり、寿命に悪い影響をあたえます。

Q3. rs28926173の遺伝子型にはどのような種類がありますか?

rs28926173にはGG型・GA型・AA型の3つの遺伝子型があります。GG型は長生きしやすい傾向があり、AA型は寿命が短い傾向があります。日本人ではGG型90.8%、GA型9.19%、AA型0.01%という割合です。

Q4. コルチゾールと長寿の関係は?

コルチゾールはストレスを受けたときに副腎から出るホルモンです。MC2Rのはたらきが弱まってコルチゾールが出すぎると、血糖値を調節する力や免疫の力が下がります。その結果、うつ病・不眠症・不安症などの心の病気になりやすくなり、生活への満足感が下がることにつながります。

参考文献