皮膚がん
- 皮膚がんは悪性黒色腫・基底細胞癌・扁平上皮癌の3種類に大きく分けられるがんで、紫外線を浴びすぎることが最も大きな原因です。
- DNA領域rs2776353のAタイプを持つ人は発症リスクが高い傾向にあることが大阪大学の研究で判明しました。
- 適切な紫外線対策・定期的な皮膚チェック・早めの受診により、早く見つけて治りやすくすることができます。
概要
【病気の概要】 皮膚がんは、種類によって見た目が異なるがんです。 主な種類には、悪性黒色腫(メラノーマ)、基底細胞癌、扁平上皮癌があり、それぞれ特徴が異なります。
【症状と特徴】 悪性黒色腫は最も危険なタイプで、左右の形がそろっていないほくろのように見えます。 色は黒・茶・青・赤などが混ざったようになり、時間がたつと大きさや形、色が変わることがあります。 基底細胞癌は悪性度(がんとしての危険さ)が低く、真珠のようなこぶや傷あとのように見えるのが特徴です。 主に日光に当たる部分にできます。 扁平上皮癌は、赤いしこりやうろこ状のかさぶたのように見えるのが特徴です。 体のどこにでもできる可能性がありますが、日光に当たる部分にできやすい傾向があります。
【治療と注意点】 皮膚にこのような変化が見られる場合は、すぐに病院を受診する必要があります。
【遺伝子の影響】 大阪大学のSakaueらの研究により、皮膚がんへのかかりやすさがrs2776353というDNA領域と関係していることが分かりました。 このDNA領域にはAA、AT、TTの3つの遺伝子型があり、Aを持つ遺伝子型の人は、皮膚がんのリスクが高い傾向にあることが分かりました。
皮膚がんとは何か
皮膚がんは、皮膚の細胞が異常に増えてできる悪性の腫瘍(がん)です。主に悪性黒色腫(メラノーマ)、基底細胞癌、扁平上皮癌の3つの種類に分けられます。
皮膚がんの主な3種類の違い
| 比較項目 | 悪性黒色腫 | 基底細胞癌 | 扁平上皮癌 |
|---|---|---|---|
| 危険度 | 最も高い | 低い | 中程度 |
| 見た目 | 左右の形がそろっていないほくろのような見た目(黒・茶・青・赤が混ざった色) | 真珠のようなこぶ・傷あとのような見た目 | 赤いしこり・うろこ状のかさぶたのような見た目 |
| できやすい場所 | 全身の皮膚 | 日光に当たる部分(顔・首) | 日光に当たる部分が中心(全身にできる可能性あり) |
| 特徴 | 時間がたつと大きさ・形・色が変わります。 | ほかの場所に転移することが少ないです。 | まわりの組織に広がることがあります。 |
皮膚がんの原因とリスクを高める要因
皮膚がんの発症には、次のような要因が関係します。
- 紫外線を浴びること:最も大きな原因で、日焼けをくり返すと細胞のDNAの傷がたまっていきます。
- 肌のタイプ:色白で日焼けしやすい肌(日焼けのしやすさによる肌タイプ分類でⅠ〜Ⅱ型)はリスクが高いです。
- 遺伝子の影響:家族に皮膚がんになった人がいる場合、発症リスクは約2〜3倍に上がります。
- 免疫が弱まっている状態:臓器移植後に免疫をおさえる薬を使っている人はリスクが約65倍に上がります。
- 年齢:浴びた紫外線の量が年々たまるため、中高年に多いです。
皮膚がんの主な症状と早く見つけるためのポイント
皮膚に次のような変化が見られる場合は、すぐに皮膚科を受診する必要があります。
- 左右の形がそろっておらず、ふちがギザギザなほくろができたり、変化したりします。
- 色むらのあるしみ(黒・茶・青・赤が混ざった色)
- 直径6mm以上に大きくなるほくろ
- 真珠のような光沢のあるこぶができます。
- なかなか治らない傷(潰瘍)や赤いしこり
5つのチェックポイント(左右の形がそろっていない、ふちがギザギザ、色がまだら、直径6mm以上、形や大きさが変わってきた)という5つのポイントで自分のほくろをチェックすると、早く見つけるのに役立ちます。
皮膚がんの予防法
次のような対策で、発症リスクを下げることができます。
- 日焼け止め(SPF30以上)を2時間おきに塗り直す
- 長袖・帽子・サングラスによる紫外線よけ
- 日中10時〜14時の強い日差しを避けます。
- 月1回の全身の皮膚のセルフチェック
- 年1回以上の専門医による皮膚の検診
遺伝子と皮膚がんの関係
DNA領域rs2776353と発症リスクの関係
大阪大学のSakaueらの研究により、DNA領域rs2776353が皮膚がんへのかかりやすさと関係していることが分かりました。
- rs2776353にはAA・AT・TTの3つの遺伝子型が存在します。
- Aタイプを持つ遺伝子型の人は、皮膚がんのリスクが高い傾向があります。
日本人における遺伝子型分布(rs2776353)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| AA型 | 40.8% | 41.7% |
| AT型 | 46.1% | 45.7% |
| TT型 | 13.0% | 12.5% |
検査の科学的な根拠
皮膚がんに関係する代表的なDNA領域
皮膚がん に最も強く影響するDNA領域は、rs2776353です。 日本におけるそれぞれの遺伝子型の人の割合は下記のとおりです。
- AA
40.8 % - AT
46.1 % - TT
13.0 %
検査の根拠
大阪大学のSakaueらの研究により、皮膚がんへのかかりやすさが遺伝子と関係していることが分かりました。人のDNAにはrs2776353という場所があり、そこにはAとTの2種類のタイプがあります。Aタイプを持つ人は、皮膚がんのリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞の中にあるDNAマップのイメージ図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | PCSEAT |
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よくある質問
Q1. 皮膚がんとは何ですか?
皮膚がんは皮膚の細胞が異常に増える悪性の腫瘍(がん)です。主に悪性黒色腫(メラノーマ)、基底細胞癌、扁平上皮癌の3種類があり、それぞれ見た目・危険度・できやすい場所が異なります。
Q2. 皮膚がんの原因は何ですか?
最も大きな原因は紫外線を浴びすぎることです。日焼けをくり返すこと、色白の肌、免疫(体を守る仕組み)が弱まっている状態、遺伝子の影響が、発症リスクを高めます。DNA領域rs2776353でAタイプを持つ人はリスクが高い傾向にあります。
Q3. 皮膚がんの3つの種類の違いは?
悪性黒色腫は最も危険で、左右の形がそろっていないほくろのような見た目をしています。基底細胞癌は危険度が低く、真珠のようなこぶや傷あとのような見た目として現れます。扁平上皮癌は赤いしこりやうろこ状のかさぶたのような見た目で、日光に当たる部分にできやすいです。
Q4. 遺伝子検査で皮膚がんのリスクは分かりますか?
DNA領域rs2776353の遺伝子型を調べることで、皮膚がんへのなりやすさの傾向を知ることできます。Aタイプを持つ遺伝子型の人はリスクが高い傾向にあることが、大阪大学のSakaueらの研究で分かっています。
Q5. 皮膚がんの予防法は?
日焼け止め(SPF30以上)を使うこと、長袖・帽子による紫外線よけ、日中10時〜14時の強い日差しを避けること、定期的な皮膚のチェックが効果的な予防法です。皮膚にいつもと違う変化が見られたら、すぐに皮膚科を受診してください。
参考文献
- 参考リンク1 : 2021 Oct., Saori Sakaue, Nat Genet