【医師が解説】NIPT(新型出生前診断)は二人目でも受けるべき?精度や判断基準

2026.03.07

二人目の妊娠おめでとうございます。一人目の妊娠時にNIPTを受けた方も、受けなかった方も、改めて検査を検討するにあたり「一人目と違いはあるのか?」「受けるべきか?」と悩むのは自然なことです。

本記事では、医師の視点から「二人目妊娠におけるNIPT」について、エビデンスに基づき解説します。

二人目でもNIPTは受けられるのか?

二人目でもNIPTは受けられるのか?

結論から申し上げますと、NIPTは二人目以降の妊娠でも問題なく受けることができます。
検査の精度や安全性について、一人目(初産)と二人目(経産)で違いはありません。妊娠回数による制限はなく、基本的な受検要件(妊娠10週以降であること等)も一人目と同様です。

なぜ精度は変わらないのか?

なぜ精度は変わらないのか?

NIPTは母体の血液中に含まれる胎児由来のDNA(cell-free DNA)を分析する検査です。このDNAは妊娠のたびにリセットされ、今回の妊娠10週以降であれば十分な濃度で存在するため、過去の妊娠回数に関わらず高い精度で検査が可能です。

一人目と二人目で「リスク」はどう変わる?

「二人目だからリスクが上がる・下がる」といった誤解を持つ方もいますが、学術的な事実は以下の通りです。

  • 出産回数はリスクに影響しない
    研究により、初産か経産かという「出産回数」そのものは、染色体異常のリスクに直接的な影響を与えないことが示されています[1] 。
  • 重要なのは「母体年齢」
    染色体異常(特にダウン症候群/21トリソミー)のリスクに最も強く影響するのは「母体年齢」です。二人目の妊娠では一人目の時よりも年齢が上がっているため、その年齢分だけリスクが上昇していると考える必要があります 。
  • 一人目が健康でもリスクは独立している
    「一人目に染色体異常がなかったから、二人目も大丈夫」とは限りません。多くの染色体異常は散発的(突発的)に発生するため、妊娠ごとに独立したリスクが存在します[2] 。

二人目のNIPT検討時にチェックすべき4つのポイント

二人目のNIPT受検を迷われた際は、以下の4つのポイントを基準に検討してください。

  • リスク評価の更新(年齢への考慮)
    現在の母体年齢に基づいた染色体異常の発生頻度(確率)を改めて確認してください。35歳を超えるとリスクが顕著に上昇する傾向があります [3]。
  • 家族全体の背景とサポート体制
    万が一陽性だった場合、あるいは疾患を持つ子が産まれた場合、上のお子さんのケアや生活環境がどう変わるかという視点が必要です。一人目の時以上に、家族全体への影響を考慮する必要があります。
  • 費用対効果と家計への影響
    NIPTは一般的に自費診療であり、10〜20万円程度の費用がかかります。これから二人分の育児費用がかかる中で、この検査費用をどう位置づけるか、現実的な検討が重要です。
  • 過去の検査歴とパートナーとの合意
    前回の妊娠で染色体異常があった場合は、再発リスクがわずかに上昇する可能性があるため、遺伝カウンセリングが推奨されます[4] 。また、検査を受けるか、陽性時の対応をどうするかについて、パートナーと事前に十分に話し合っておくことが不可欠です。

まとめ

まとめ

  • 二人目以降でも問題なく、初産と同様の精度で受検可能です。
  • 出産回数ではなく、現在の「母体年齢」に応じたリスク評価が必要です。
  • 検査に正解はありません。医学的リスクだけでなく、現在の家族状況や価値観を総合して選択することが大切です。

判断に迷われる場合は、かかりつけの産科医への相談や、専門的な遺伝カウンセリングを受けることをお勧めします。

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【参考文献】

[1] BMJ. 1998
[2]Clinical and Molecular Teratology, 2010
[3] Journal of Medical Screening. 2002 March
[4] The American Journal of Human Genetics. 2004

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著者

医学博士・医師
広重 佑(ひろしげ たすく)


医学博士、日本泌尿器科学会専門医・指導医、がん治療学会認定医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、日本抗菌化学療法学会認定医、性感染症学会認定医、Certificate of da Vinci system Training As a Console Surgeonほか
2010年に鹿児島大学医学部を卒業後、泌尿器科医として豊富な臨床経験を持つ。また、臨床業務以外にも学会発表や論文作成、研究費取得など学術活動にも精力的に取り組んでいる。泌尿器科専門医・指導医をはじめ、がん治療、抗加齢医学、感染症治療など幅広い分野で専門資格を取得。これまで培った豊富な医学知識と技術を活かして、患者様一人ひとりに寄り添った医療を提供している。

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