筋萎縮性側索硬化症(ALS)
概要
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動ニューロン(筋肉を動かす脳と脊髄の神経)が徐々に変性(ダメージを受ける)して機能不全になる病気です。
筋力の低下や筋肉の萎縮、最終的には呼吸困難などの症状を引き起こします。
運動ニューロンは構造を保つためにニューロフィラメント軽鎖(NfL:細胞骨格の一部)が必要です。
しかし、運動ニューロンが変性すると、NfLは脳脊髄液や血液に流出されます。
そのため、外部に存在するNfLは、ニューロンの損傷や神経変性の指標として役割を果たします。
脳脊髄液と血液中のNfLの濃度が上昇すると、ALSは重症化しやすく、病気の進行が速くなる傾向があります。
よってNfLの濃度を調べることは、ALSの早期診断や病気の進行のモニタリングにつながり、治療方針を決定する上で非常に重要な情報となります。
青島大学のNiuらの研究により、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の罹患リスクがrs465401というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはAA、AG、GGの3つの遺伝子型があり、Aを持つ遺伝子型の人は、ALSのリスクが高い傾向にあることが分かりました。
遺伝子領域rs465401において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- AA52.70%
- AG39.79%
- GG7.51%
遺伝子領域rs465401において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- AA2.18%
- AG25.16%
- GG72.66%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:筋萎縮性側索硬化症(ALS)
体表的なDNA領域:筋萎縮性側索硬化症(ALS)
筋萎縮性側索硬化症(ALS) に最も強く影響する遺伝子領域は、rs465401です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
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AA
52.7% -
AG
39.8% -
GG
7.5%
検査の根拠
青島大学のNiuらの研究により、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs465401という領域が存在し、その領域の遺伝子にはAとGの2種類の変異があります。Aタイプの変異を持つ人は、ALSのリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | CYYR1 |
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参考文献
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関連遺伝子 CYYR1
- 参考リンク : 2019 Nov、Li-Dong Niuと研究グループがAnn Transl Med に発表したGenome-wide association study of cerebrospinal fluid neurofilament light levels in non-demented eldersという研究によると筋萎縮性側索硬化症(ALS) に関連するrs465401の関連性が認められました。