筋肉量
概要
四肢除脂肪量(ALM)とは、体の四肢(両腕と両脚)に含まれる脂肪を除いた筋肉や骨などの組織の総量を指す用語です。これは、体の筋肉量や骨密度を評価するための重要な指標であり、健康状態を評価する上でも重要です。
筋肉量の減少は、特に高齢者においては転倒や骨折のリスクを高める要因となります。
そのため、ALMを定期的にチェックすることは、筋力低下やサルコペニア(加齢に伴う筋肉減少症)などの予防に役立ちます。
除脂肪体重(LBM)は、全身の脂肪を除いた体重全体を指します。LBMには、筋肉、骨、内臓、水分など、脂肪以外のすべての組織が含まれます。これは、体重全体のうち、どれだけが筋肉や骨などの脂肪以外の組織から成り立っているかを示す指標です。
特にダイエットでは、筋肉を維持しつつ脂肪を減らすことが目標となるため、LBMの数値を把握することが重要です。LBMが減少すると、筋力低下や代謝の低下を招く可能性があるため、適切な栄養摂取と運動が必要です。
ALMとLBMの増加は、身体機能の改善、代謝効率の向上、運動パフォーマンスの向上と関連しています。
逆に、減少は体の衰え、転倒リスクの増加、起き上がることや歩行が困難になるなどの健康リスクをつながる可能性があるため、生涯を通じて身体活動と適切な食事によって筋肉量を維持することが重要となります。
蘇州大学のPeiらの研究により、筋肉量の増減がrs1171614というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはTT、TC、CCの3つの遺伝子型があり、Tタイプの変異を持つ人は、筋肉量が増える傾向にあることが分かりました。
遺伝子領域rs1171614において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- TT0.00%
- TC0.00%
- CC100.00%
遺伝子領域rs1171614において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- TT4.83%
- TC34.30%
- CC60.86%
遺伝子領域rs16942341において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- CC100.00%
- CT0.00%
- TT0.00%
遺伝子領域rs16942341において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- CC93.12%
- CT6.75%
- TT0.12%
遺伝子領域rs3736228において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- CC54.82%
- CT38.44%
- TT6.74%
遺伝子領域rs3736228において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- CC74.02%
- CT24.03%
- TT1.95%
遺伝子領域rs6449353において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- TT87.89%
- TC11.72%
- CC0.39%
遺伝子領域rs6449353において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- TT68.02%
- TC28.91%
- CC3.07%
遺伝子領域rs10784502において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- CC1.56%
- CT21.87%
- TT76.56%
遺伝子領域rs10784502において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- CC21.39%
- CT49.72%
- TT28.89%
遺伝子領域rs2871865において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- CC85.21%
- CG14.20%
- GG0.59%
遺伝子領域rs2871865において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- CC71.51%
- CG26.11%
- GG2.38%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:筋肉量
体表的なDNA領域:筋肉量
筋肉量 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs1171614です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
-
TT
0.0% -
TC
0.0% -
CC
100.0%
他に、筋肉量に関わる遺伝子領域はrs16942341があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
-
CC
100.0% -
CT
0.0% -
TT
0.0%
他に、筋肉量に関わる遺伝子領域はrs3736228があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
-
CC
54.8% -
CT
38.4% -
TT
6.7%
他に、筋肉量に関わる遺伝子領域はrs6449353があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
-
TT
87.9% -
TC
11.7% -
CC
0.4%
他に、筋肉量に関わる遺伝子領域はrs10784502があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
-
CC
1.6% -
CT
21.9% -
TT
76.6%
他に、筋肉量に関わる遺伝子領域はrs2871865があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
-
CC
85.2% -
CG
14.2% -
GG
0.6%
検査の根拠
蘇州大学のPeiらの研究により、筋肉量の増減が遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs1171614という領域が存在し、その領域の遺伝子にはTとCの2種類の変異があります。Tタイプの変異を持つ人は、筋肉量が増える傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | SLC16A9 |
|---|---|
| 関連遺伝子 | ACAN |
| 関連遺伝子 | LRP5 |
| 関連遺伝子 | LCORL |
| 関連遺伝子 | HMGA2 |
| 関連遺伝子 | IGF1R |
参考文献
-
関連遺伝子 SLC16A9
- 参考リンク : 2020 Oct、Yu-Fang Peiと研究グループがCommun Biol に発表したThe genetic architecture of appendicular lean mass characterized by association analysis in the UK Biobank studyという研究によると筋肉量 に関連するrs1171614の関連性が認められました。
-
関連遺伝子 ACAN
- 参考リンク : 2019 Sep、Christopher Hübelと研究グループがAm J Med Genet B Neuropsychiatr Genet に発表したGenomics of body fat percentage may contribute to sex bias in anorexia nervosaという研究によると筋肉量 に関連するrs16942341の関連性が認められました。
-
関連遺伝子 ACAN
- 参考リンク : 2019 Sep、Christopher Hübelと研究グループがAm J Med Genet B Neuropsychiatr Genet に発表したGenomics of body fat percentage may contribute to sex bias in anorexia nervosaという研究によると筋肉量 に関連するrs16942341の関連性が認められました。
-
関連遺伝子 LRP5
- 参考リンク : 2019 Dec、Ana I Hernandez Corderoと研究グループがAm J Hum Genet に発表したGenome-wide Associations Reveal Human-Mouse Genetic Convergence and Modifiers of Myogenesis, CPNE1 and STC2という研究によると筋肉量 に関連するrs3736228の関連性が認められました。
-
関連遺伝子 LCORL
- 参考リンク : 2019 Dec、Ana I Hernandez Corderoと研究グループがAm J Hum Genet に発表したGenome-wide Associations Reveal Human-Mouse Genetic Convergence and Modifiers of Myogenesis, CPNE1 and STC2という研究によると筋肉量 に関連するrs6449353の関連性が認められました。
-
関連遺伝子 HMGA2
- 参考リンク : 2019 Dec、Ana I Hernandez Corderoと研究グループがAm J Hum Genet に発表したGenome-wide Associations Reveal Human-Mouse Genetic Convergence and Modifiers of Myogenesis, CPNE1 and STC2という研究によると筋肉量 に関連するrs10784502の関連性が認められました。
-
関連遺伝子 IGF1R
- 参考リンク : 2019 Dec、Ana I Hernandez Corderoと研究グループがAm J Hum Genet に発表したGenome-wide Associations Reveal Human-Mouse Genetic Convergence and Modifiers of Myogenesis, CPNE1 and STC2という研究によると筋肉量 に関連するrs2871865の関連性が認められました。