喘息
概要
喘息は、呼吸器の炎症と収縮が繰り返し起こる慢性的な疾患で、呼吸が困難になります。
気道が狭くなって空気の流れが制限され、特に吐息時に高い音のホイッスル音のような喘鳴が聞こえるなどの症状が見られます。
また、息切れも重要な症状で、肺が十分な空気を取り込むことが難しくなります。これにより、胸部に締め付け感や圧迫感が生じ、息苦しさが増します。
咳も喘息の一般的な症状で、特に夜間や早朝に起こります。これは睡眠を妨げたり、疲労を悪化させする場合があります。
喘息の発作や悪化は、アレルゲン(花粉やダニなど)や刺激物(煙や化学物質)、冷たい空気、ストレスなどのさまざまな要因によって引き起こされます。
これらの環境下では気道が急激に狭くなり、喘息の症状が悪化するため、治療が必要となります。
喘息の重症度は変動する場合があり、生活に大きく影響を及ぼす可能性があるため、状況に応じた治療が重要です。
シカゴ大学のPividoriらの研究により、喘息の罹患リスクがrs917115というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはTT,TC,CCの3つの遺伝子型があり、Cを持つ遺伝子型の人は、喘息のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
遺伝子領域rs917115において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- TT0.02%
- TC2.84%
- CC97.14%
遺伝子領域rs917115において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- TT49.63%
- TC41.64%
- CC8.73%
遺伝子領域rs7047575において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- GG47.27%
- GA42.97%
- AA9.77%
遺伝子領域rs7047575において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- GG24.62%
- GA50.00%
- AA25.38%
遺伝子領域rs34290285において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- GG72.41%
- GA25.37%
- AA2.22%
遺伝子領域rs34290285において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- GG53.62%
- GA39.21%
- AA7.17%
遺伝子領域rs9603616において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- CC57.70%
- CT36.52%
- TT5.78%
遺伝子領域rs9603616において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- CC46.12%
- CT43.58%
- TT10.29%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:喘息
体表的なDNA領域:喘息
喘息 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs917115です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
-
TT
0.0% -
TC
2.8% -
CC
97.1%
他に、喘息に関わる遺伝子領域はrs7047575があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
-
GG
47.3% -
GA
43.0% -
AA
9.8%
他に、喘息に関わる遺伝子領域はrs34290285があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
-
GG
72.4% -
GA
25.4% -
AA
2.2%
他に、喘息に関わる遺伝子領域はrs9603616があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
-
CC
57.7% -
CT
36.5% -
TT
5.8%
検査の根拠
シカゴ大学のPividoriらの研究により、喘息の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs917115という領域が存在し、その領域の遺伝子にはTとCの2種類の変異があります。Tタイプの変異を持つ人は、喘息のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | JAZF1 |
|---|---|
| 関連遺伝子 | ERMP1 |
| 関連遺伝子 | D2HGDH |
| 関連遺伝子 | COG6 |
参考文献
-
関連遺伝子 JAZF1
- 参考リンク : 2019 Jun、Milton Pividoriと研究グループがLancet Respir Med に発表したShared and distinct genetic risk factors for childhood-onset and adult-onset asthma: genome-wide and transcriptome-wide studiesという研究によると喘息 に関連するrs917115の関連性が認められました。
-
関連遺伝子 JAZF1
- 参考リンク : 2020 Jan、Thorunn A Olafsdottirと研究グループがNat Commun に発表したEighty-eight variants highlight the role of T cell regulation and airway remodeling in asthma pathogenesisという研究によると喘息 に関連するrs917115の関連性が認められました。
-
関連遺伝子 ERMP1
- 参考リンク : 2022 Nov、Gengjie Jiaと研究グループがNat Commun に発表したDiscerning asthma endotypes through comorbidity mappingという研究によると喘息 に関連するrs7047575の関連性が認められました。
-
関連遺伝子 D2HGDH
- 参考リンク : 2016 Jul、Joseph K Pickrellと研究グループがNat Genet に発表したDetection and interpretation of shared genetic influences on 42 human traitsという研究によると喘息 に関連するrs34290285の関連性が認められました。
-
関連遺伝子 COG6
- 参考リンク : 2021 Oct、Saori Sakaueと研究グループがNat Genet に発表したA cross-population atlas of genetic associations for 220 human phenotypesという研究によると喘息 に関連するrs9603616の関連性が認められました。
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関連遺伝子 COG6
- 参考リンク : 2021 Oct、Saori Sakaueと研究グループがNat Genet に発表したA cross-population atlas of genetic associations for 220 human phenotypesという研究によると喘息 に関連するrs9603616の関連性が認められました。