アトピー性皮膚炎
概要
アトピー性湿疹は、アトピー性皮膚炎とも呼ばれ、慢性的に再発する炎症系の皮膚疾患となります。主に乳幼児や子供に多くみられますが、成人になっても持続する場合があります。
アトピー性湿疹の主な症状には、強いかゆみ、乾燥、赤み、そして皮膚がカサカサすることが挙げられます。これらの症状は、特に夜間に悪化し、かゆみが原因で睡眠障害を引き起こすこともあります。
また、皮膚が繰り返し掻かれることで傷つき、湿疹が広がったり、感染症を引き起こすリスクが高まります。
湿疹の部位は、顔、首、肘の内側、膝の裏側など、皮膚の柔らかい部分に多く見られますが、全身に広がることもあります。
アトピー性湿疹の発症機序には、遺伝的、免疫機能、さらに皮膚のバリア機能障害などが関与しています。患者はアレルギー性鼻炎や喘息など、他のアレルギー性疾患を併発することが多く、この状態を「アトピーマーチ」と呼びます。
さらに皮膚バリア機能が低下することにより、アレルゲンや刺激物質が皮膚に浸透しやすくなり、アレルギー反応や炎症の原因となります。
アトピー性湿疹の診断は、主に臨床症状を確認して行います。必要に応じてパッチテストや血清IgE測定などの検査を行います。
治療はアレルゲンや刺激物質を避けて、皮膚を清潔にして保湿し、症状に応じてステロイド剤、免疫調整剤、抗ヒスタミン剤を使用します。
理化学研究所のHirotaらの研究により、アトピー性皮膚炎の罹患リスクがrs13015714というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはGG、GT、TTの3つの遺伝子型があり、Gを持つ遺伝子型の人は、アトピー性皮膚炎のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
遺伝子領域rs13015714において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- GG13.70%
- GT46.63%
- TT39.67%
遺伝子領域rs13015714において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- GG5.87%
- GT36.71%
- TT57.43%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:アトピー性皮膚炎
体表的なDNA領域:アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs13015714です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
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GG
13.7% -
GT
46.6% -
TT
39.7%
検査の根拠
理化学研究所のHirotaらの研究により、アトピー性皮膚炎の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs13015714という領域が存在し、その領域の遺伝子にはGとTの2種類の変異があります。Gタイプの変異を持つ人は、アトピー性皮膚炎のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | IL18R1 |
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参考文献
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関連遺伝子 IL18R1
- 参考リンク : 2012 Nov、Tomomitsu Hirotaと研究グループがNat Genet に発表したGenome-wide association study identifies eight new susceptibility loci for atopic dermatitis in the Japanese populationという研究によるとアトピー性皮膚炎 に関連するrs13015714の関連性が認められました。