前立腺肥大症
概要
良性前立腺肥大(BPH)に伴う下部尿路症状(LUTS)は、50歳以上の男性によく見られる状態です。BPHは、膀胱出口近くの尿道を取り囲む前立腺が拡大することを指します。
この拡大が尿道を圧迫し、尿の機能に影響を与えます。
BPH/LUTSは、頻尿、夜間頻尿(夜間に頻繁に尿意を感じること)、急な尿意、弱く途切れ途切れの尿流、排尿開始の困難などの症状を示します。
また、尿意があっても尿が排出されない尿滞留が発生することもあり、治療が必要となります。
症状の重さは人によって異なり、全く症状を示さない人もいます。症状がある場合は徐々に悪化することが多く、生活の質が大幅に低下し、日常生活や睡眠に悪影響を与えます。
治療方法は生活習慣の改善や投薬、手術などが選択肢として挙げられます。
アムジェンのGudmundssonらの研究により、前立腺肥大症の罹患リスクがrs6561599というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはCC、CG、GGの3つの遺伝子型があり、Gを持つ遺伝子型の人は、前立腺肥大症のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
遺伝子領域rs6561599において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- CC27.46%
- CG49.88%
- GG22.65%
遺伝子領域rs6561599において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- CC14.76%
- CG47.32%
- GG37.92%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:前立腺肥大症
体表的なDNA領域:前立腺肥大症
前立腺肥大症 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs6561599です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
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CC
27.5% -
CG
49.9% -
GG
22.7%
検査の根拠
アムジェンのGudmundssonらの研究により、前立腺肥大症の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs6561599という領域が存在し、その領域の遺伝子にはCとGの2種類の変異があります。Cタイプの変異を持つ人は、前立腺肥大症のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | RNASEH2B-AS1 |
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参考文献
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関連遺伝子 RNASEH2B-AS1
- 参考リンク : 2018 Nov、Julius Gudmundssonと研究グループがNat Commun に発表したGenome-wide associations for benign prostatic hyperplasia reveal a genetic correlation with serum levels of PSAという研究によると前立腺肥大症 に関連するrs6561599の関連性が認められました。