双極性障害
- 双極性障害は躁状態とうつ状態を周期的に繰り返す精神疾患で、エネルギー・判断力・行動に大きな影響を及ぼす
- DNA領域rs1378559のT型変異を持つ人は発症リスクが高い傾向にあることが研究で判明
- 薬物療法・心理療法・ライフスタイル改善の組み合わせにより症状の管理と生活の質の向上が可能
概要 双極性障害、または双極性感情障害としても知られている状態は、複雑なメンタルヘルスの問題であり、極端な気分の変動が特徴です。 感情の高まり(躁状態または軽躁状態)と低下(うつ状態)が含まれます。これらの気分の変動は、個人のエネルギーレベル、明確な思考能力、判断力、および行動に影響を与えることがあり、生活機能に大きな障害をもたらすことがあります。 躁状態では、個人は幸福感や過剰なエネルギーを感じることがあり、睡眠時間が減少し、幸福感や自己評価が高まり、話す速度が速まり、思考が急速に展開し、目標に向かって行動する傾向やリスクテイキングの行動が増えることがあります。 軽躁状態は躁状態よりも軽度ですが、気分や行動には変化が見られ、極端な混乱や機能の低下はない場合があります。 一方でうつ病のエピソードでは、深い悲しみや希望のない感情に陥ることがあり、エネルギー不足や日常活動への興味減退、食欲や体重の変化、睡眠障害、価値感の欠如や罪悪感の増加、注意力の欠如、そして場合によっては死や自殺の考えに至ることがあります。 双極性障害は、躁病とうつ病のエピソードの間に、通常ユータイミア(正常な気分)の期間を含む周期的な性質を持ちます。発症は通常、青年期後半から成人初期にかけて見られますが、どの年齢でも発症する可能性があります。 この障害のケアには、通常、薬物治療、心理療法、およびライフスタイルの変更を組み合わせたアプローチが用いられます。 マウントサイナイのアイカーン医科大学のStahlらの研究により、双極性障害の罹患リスクがrs1378559というDNA領域と関連していることが明らかになりました。 この領域にはTT,TC,CCの3つの遺伝子型があり、Tを持つ遺伝子型の人は、双極性障害のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
双極性障害とは何か
双極性障害(双極性感情障害)は、極端な気分の変動を特徴とする精神疾患です。躁状態(またはより軽度な軽躁状態)とうつ状態が交互に現れ、エネルギーレベル・思考力・判断力・行動に影響を及ぼします。
双極性障害の原因とメカニズム
双極性障害の発症には、遺伝的要因と環境的要因が複合的に関与します。
- 遺伝的要因:DNA領域rs1378559のT型変異が発症リスクに関連(Stahlらの研究)
- 神経伝達物質の異常:セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンのバランス変化
- 環境的要因:強いストレス・睡眠不足・薬物使用が発症の引き金に
発症は青年期後半から成人初期に集中しますが、どの年齢でも発症する可能性があります。
躁状態とうつ状態の違い
| 比較項目 | 躁状態 | うつ状態 |
|---|---|---|
| 気分 | 異常な高揚感・幸福感 | 深い悲しみ・絶望感 |
| エネルギー | 過剰なエネルギー | エネルギー不足・疲労 |
| 睡眠 | 睡眠時間の減少 | 過眠または不眠 |
| 思考 | 急速な思考展開・多弁 | 集中力低下・判断困難 |
| 行動 | 衝動的行動・リスクテイキング | 日常活動への興味減退 |
| 自己評価 | 自己評価の高まり | 無価値感・罪悪感 |
軽躁状態は躁状態より軽度で、気分・行動に変化が見られますが、極端な機能低下は伴いません。躁状態とうつ状態の間には、ユータイミア(正常な気分)の期間があります。
双極性障害の主な症状
躁状態の症状:
- 幸福感・過剰なエネルギーの高まり
- 睡眠必要量の減少
- 自己評価の過大化
- 多弁・早口
- 目標指向行動・リスクテイキングの増加
うつ状態の症状:
- 深い悲しみ・希望のない感情
- エネルギー不足・日常活動への興味減退
- 食欲・体重の変化
- 睡眠障害
- 集中力の低下
双極性障害の治療法
双極性障害の治療は、以下の3つを組み合わせたアプローチが用いられます。
- 薬物療法:気分安定薬(リチウムなど)・抗精神病薬・抗うつ薬を使用
- 心理療法:認知行動療法(CBT)・対人関係療法などにより再発予防
- ライフスタイルの改善:規則正しい睡眠・ストレス管理・適度な運動
遺伝子と双極性障害の関連
DNA領域rs1378559と発症リスクの関係
マウントサイナイのアイカーン医科大学のStahlらの研究により、DNA領域rs1378559が双極性障害の罹患リスクと関連していることが判明しました。
- rs1378559にはTT・TC・CCの3つの遺伝子型が存在
- T型変異を持つ遺伝子型の人は、双極性障害のリスクが高い傾向
日本人における遺伝子型分布(rs1378559)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| TT型 | 44.1% | 75.1% |
| TC型 | 44.5% | 23.1% |
| CC型 | 11.2% | 1.7% |
検査の理論的根拠
代表的なDNA領域:双極性障害
双極性障害 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs1378559です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
- TT
44.1 % - TC
44.5 % - CC
11.2 %
他に、双極性障害に関わる遺伝子領域はrs2287921があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
- TT
90.6 % - TC
9.1 % - CC
0.2 %
検査の根拠
マウントサイナイのアイカーン医科大学のStahlらの研究により、双極性障害の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs1378559という領域が存在し、その領域の遺伝子にはTとCの2種類の変異があります。Tタイプの変異を持つ人は、双極性障害のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | RNU6-133P |
|---|---|
| 関連遺伝子 | RASIP1 |
よくある質問(FAQ)
Q1. 双極性障害とは何ですか?
双極性障害(双極性感情障害)は、躁状態とうつ状態を周期的に繰り返す精神疾患です。エネルギーレベル・思考力・判断力・行動に影響を及ぼし、生活機能に障害をもたらす場合があります。発症は青年期後半から成人初期に集中します。
Q2. 双極性障害の原因は何ですか?
主な原因は遺伝的要因と環境的要因の複合です。DNA領域rs1378559のT型変異保有者はリスクが高い傾向にあります。ストレス・睡眠不足・薬物使用も発症の引き金となります。
Q3. 躁状態とうつ状態の違いは?
躁状態では異常な高揚感・過剰なエネルギー・衝動的行動が見られます。うつ状態では深い悲しみ・エネルギー不足・興味減退が現れます。軽躁状態は躁状態より軽度で、日常機能への影響が限定的です。
Q4. 遺伝子検査で双極性障害のリスクは分かりますか?
DNA領域rs1378559およびrs2287921の遺伝子型を調べることで、双極性障害の発症リスク傾向を把握できます。T型変異を持つ遺伝子型の人はリスクが高い傾向にあることが研究で判明しています。