血の止まりやすさ
- 血の止まりやすさは平均血小板容積(血小板の平均の大きさ)で評価されます。血小板の大きさは、血液の固まりやすさや血栓のできやすさに深く関わります。
- DNA領域rs1790946のTのタイプを持つ人は血の止まりやすさが高い傾向にあることが、ケンブリッジ大学の研究で分かりました。
- 平均血小板容積の変化を知ることで、脳卒中・心筋梗塞など、血栓が原因で起こる病気や、出血が止まりにくい病気に備えやすくなります。
概要
【疾患の概要】 平均血小板容積は、血液の中を流れる血小板の平均の大きさを表す数値です。
【主な特徴と影響】 血小板は、けがをしたときに出血を止める大切な役割をもつ血液の成分で、血液を固めるのを助けます。
【治療と注意点】 平均血小板容積は、骨髄(骨の中で血液をつくる場所)で血小板がつくられ、血液の中で働いている様子を知るための大切な目安です。 平均血小板容積が高いと、血小板が大きいことを意味し、血液が固まりやすくなる可能性があります。 大きな血小板は若くて活発で、血栓(血のかたまり)をつくりやすい傾向があります。 そのため、脳卒中や心筋梗塞など、血栓が原因で起こる病気のリスクが高まる可能性があります。 一方、平均血小板容積が低いと、血小板が小さくなり、血液を固める働きが弱まる可能性があります。 その結果、出血が止まりにくい病気につながる可能性があります。 平均血小板容積は血小板の大きさだけでなく、骨髄の働きや体の健康状態、血栓のリスクに関わる要因も表す目安です。 そのため、平均血小板容積の変化を知ることは、血液が固まることや出血が止まることに関わる病気に備えるうえで大切です。
【遺伝的リスク】 ケンブリッジ大学のAstleらの研究により、血の止まりやすさがrs1790946というDNA領域と関係していることが分かりました。 このDNA領域にはCC、CT、TTの3つの遺伝子型があり、Tを持つ遺伝子型の人は、血の止まりやすさが高い傾向にあることが分かりました。
血の止まりやすさ(平均血小板容積)とは何か
血の止まりやすさの目安である平均血小板容積(血小板の平均の大きさ)は、血液の中を流れる血小板の平均の大きさを表す数値です。血小板は出血を止める血栓(血のかたまり)をつくる細胞で、平均血小板容積の値は血液の固まりやすさを表します。
平均血小板容積の値が表す意味とは
平均血小板容積の数値から、骨髄で血小板がつくられている様子と、血液の固まりやすさの傾向が分かります。
- 平均血小板容積が高い場合:血小板が大きく、若くて活発で、血栓をつくりやすいです。脳卒中・心筋梗塞のリスクが高まります。
- 平均血小板容積が低い場合:血小板が小さく、血液を固める働きが弱まります。出血が止まりにくい病気のリスクが高まります。
平均血小板容積が高い場合と低い場合の違い
| 比較項目 | 平均血小板容積が高い | 平均血小板容積が低い |
|---|---|---|
| 血小板の大きさ | 大きい(若くて活発) | 小さい(働きが弱い) |
| 血液の固まりやすさ | 血栓をつくりやすいです。 | 出血が止まりにくいです。 |
| 主なリスク | 脳卒中・心筋梗塞 | 出血が止まりにくい病気 |
| 骨髄の状態 | 血小板を活発につくっています。 | 血小板をつくる力が弱まっています。 |
なぜ平均血小板容積を知ることが大切なのか
平均血小板容積は血小板の大きさだけでなく、骨髄(骨の中で血液をつくる場所)の働き・体の健康状態・血栓のできやすさをまとめて表す目安です。平均血小板容積の変化を知ることは、血液が固まることや出血が止まることに関わる、次のような病気に備えるうえで大切です。
- 血栓が原因で起こる病気:心筋梗塞、脳卒中、深部静脈血栓症(足などの深い血管に血栓ができる病気)です。
- 出血が止まりにくい病気:血小板減少性紫斑病(血小板が減ってあざができやすくなる病気)、出血しやすい傾向です。
- 骨髄の病気:骨髄異形成症候群、再生不良性貧血(血液をうまくつくれなくなる病気)です。
遺伝子と血の止まりやすさの関係
DNA領域rs1790946と血液の固まりやすさの関係
ケンブリッジ大学のAstleらの研究により、DNA領域rs1790946が血の止まりやすさと関係していることが分かりました。
- rs1790946にはCC・CT・TTの3つの遺伝子型があります。
- Tのタイプを持つ遺伝子型の人は、血の止まりやすさが高い傾向があります。
日本人における遺伝子型分布(rs1790946)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| CC型 | 19.5% | 25.5% |
| CT型 | 49.3% | 49.9% |
| TT型 | 31.1% | 24.4% |
検査の理論的な根拠
代表的なDNA領域:血の止まりやすさ
血の止まりやすさに最も強く関係するDNA領域は、rs1790946です。日本での遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- CC
19.5 % - CT
49.3 % - TT
31.1 %
ほかに、血の止まりやすさに関係するDNA領域としてrs2657375があります。日本での遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- AA
13.3 % - AG
46.3 % - GG
40.2 %
ほかに、血の止まりやすさに関係するDNA領域としてrs58470318があります。日本での遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- GG
44.0 % - GA
44.6 % - AA
11.3 %
ほかに、血の止まりやすさに関係するDNA領域としてrs6625947があります。日本での遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- CC
0.1%以下 - CT
3.8 % - TT
96.0 %
ほかに、血の止まりやすさに関係するDNA領域としてrs7162943があります。日本での遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- GG
32.1 % - GT
49.0 % - TT
18.7 %
ほかに、血の止まりやすさに関係するDNA領域としてrs73578101があります。日本での遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- GG
82.4 % - GA
16.7 % - AA
0.8 %
ほかに、血の止まりやすさに関係するDNA領域としてrs874があります。日本での遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- AA
14.0 % - AG
46.8 % - GG
39.0 %
ほかに、血の止まりやすさに関係するDNA領域としてrs2766679があります。日本での遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- AA
50.6 % - AG
41.0 % - GG
8.3 %
検査の根拠
ケンブリッジ大学のAstleらの研究により、血の止まりやすさが遺伝子と関係していることが分かりました。人間のDNAには、rs1790946という領域があり、そこにはCとTの2種類のタイプがあります。Tのタイプを持つ人は、血の止まりやすさが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞の中にあるDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | CD226 |
|---|---|
| 関連遺伝子 | ESYT2 |
| 関連遺伝子 | TESC |
| 関連遺伝子 | NHSL2 |
| 関連遺伝子 | CARMAL |
| 関連遺伝子 | LUZP4 |
| 関連遺伝子 | MORF4L2 |
| 関連遺伝子 | ZNF217 |
よくある質問
Q1. 血の止まりやすさ(平均血小板容積)とは何ですか?
平均血小板容積(血小板の平均の大きさ)は、血液の中を流れる血小板の平均の大きさを表す数値です。血小板は、出血したときに血栓(血のかたまり)をつくって血を止める細胞です。平均血小板容積の値は、血液の固まりやすさと血栓のできやすさを表します。
Q2. 平均血小板容積が高いと、どのようなリスクがありますか?
平均血小板容積が高い場合、血小板が大きく活発なため、血栓をつくりやすくなります。そのため、脳卒中や心筋梗塞など、血栓が原因で起こる病気のリスクが高まります。一方、平均血小板容積が低い場合は、出血が止まりにくくなる傾向があります。
Q3. 血の止まりやすさに関係する遺伝子は何ですか?
ケンブリッジ大学のAstleらの研究により、DNA領域rs1790946が血の止まりやすさと関係していることが分かりました。この領域にはCC・CT・TTの3つの遺伝子型があり、Tのタイプを持つ人は血の止まりやすさが高い傾向にあります。
Q4. 遺伝子検査で血液の固まりやすさは分かりますか?
DNA領域rs1790946を含む8つのDNA領域の遺伝子型を調べることで、血液の固まりやすさの傾向を知ることができます。関係する遺伝子にはCD226、ESYT2、TESC、ZNF217などがあり、これらをまとめて調べることで、一人ひとりの傾向が分かりやすくなります。
参考文献
- 参考リンク1 : 2016 Nov., William J Astle, Cell
- 参考リンク2 : 2020 Sep., Dragana Vuckovic, Cell
- 参考リンク3 : 2020 Sep., Ming-Huei Chen, Cell