出生時の身長
- 出生時の身長は、おなかの中での育ち具合を表す大切な目安で、遺伝子と環境の両方が関わります。
- DNA領域rs6449353のT型を持つ人は出生時の身長が高い傾向があることが研究で分かっています。
- お母さんの栄養状態・生活習慣・遺伝子の影響が出生時の身長に影響します。
概要
【概要】 出生時の身長は、赤ちゃんが生まれたときの健康状態や、これから育っていく力を知るための大切な目安の一つです。 生まれたときの身長が高いことは、お母さんのおなかの中で順調に育ったことを表す場合が多く、その後の体の成長や健康にも関係すると考えられています。
【特徴】 一方で、生まれたときの身長が低い場合は、お母さんの栄養状態、妊娠中のストレス、喫煙や周りの環境など、体の外からの影響が多く関係していることが知られています。
【メカニズム】 これまで、出生時の身長は主にお母さんの体の状態や生活習慣の影響を強く受けると考えられてきました。しかし最近の研究で、遺伝子の影響も大きいことが分かってきました。 つまり、「どれくらいの身長で生まれるか」は、環境と遺伝子の両方の影響で決まると考えられています。
【科学的根拠】 ジェネレーションR研究グループのvan der Valkらの研究により、出生時の身長が遺伝子と関係していることが分かりました。 人間のDNAには、rs6449353という場所があり、そこにはTとCの2種類のタイプがあります。 Tタイプを持つ人は、生まれたときの身長が高い傾向があることが分かりました。
出生時の身長とは何か
出生時の身長とは、赤ちゃんが生まれたときに測る身長のことで、おなかの中での育ち具合や健康状態を知るための大切な目安です。日本の正期産児(妊娠37〜41週で生まれた赤ちゃん)の平均出生身長は約48〜50cmとされています(1)。
出生時の身長が示す意味
出生時の身長は、おなかの中で赤ちゃんが順調に育ったかを判断する目安の一つです。
- 身長が高い場合:おなかの中で順調に育ったことを表し、その後の体の成長にもよい影響を与えます。
- 身長が低い場合:おなかの中での成長が遅れていた(子宮内発育遅延)可能性があり、お母さんの体の状態や遺伝子の影響が関わっている可能性があります。
出生時の身長に影響を与える要因
出生時の身長は、次のようなものの影響で決まります。
- 遺伝子の影響:両親の身長に関わる遺伝子が、赤ちゃんの育ち方に直接関わります。
- お母さんの栄養状態:妊娠中の栄養不足は赤ちゃんの成長をさまたげます。
- 妊娠中の喫煙:胎盤への血の流れを減らし、赤ちゃんの成長をさまたげます。
- ストレス:長く続くストレスは、ストレスホルモン(コルチゾール)を増やし、赤ちゃんの成長に悪い影響を与えます。
- 胎盤の働き:胎盤の働きが弱いと、赤ちゃんに届く栄養や酸素が減ります。
遺伝子の影響と環境の影響の比べ方
| 比較項目 | 遺伝子の影響 | 環境の影響 |
|---|---|---|
| 影響の大きさ | 約40〜60% | 約40〜60% |
| 主なもの | 両親の身長に関わる遺伝子・DNAのタイプの違い | お母さんの栄養・生活習慣 |
| 変えられるか | 変えられません(生まれつき)。 | 変えられる(生活の見直し) |
| 影響する時期 | 受精のときに決まります。 | 妊娠全期間 |
| 研究根拠 | 大勢の人の遺伝子を一度に調べる大規模な研究 | 多くの人を長い期間追いかける調査 |
出生時の身長とその後の成長の関係
出生時の身長は、次のように長い目で見た健康にも関係します。
- 大人の身長との関係:生まれたときの身長が高い赤ちゃんは、大人になってからの身長も高い傾向があります。
- 代謝の病気(糖尿病など)のリスク:生まれたときの体重や身長が小さいことは、大人になってからの2型糖尿病や心臓・血管の病気のリスクが高くなることと関係しています。
- 脳の発達:ちょうどよい大きさで生まれることは、子どもの頃の脳の発達(考える力の育ち)にもよい影響を与えます。
遺伝子と出生時の身長の関係
DNA領域rs6449353と出生時の身長の関係
ジェネレーションR研究グループのvan der Valkらの研究(1)により、DNA領域rs6449353が出生時の身長と関係していることが分かりました。
- rs6449353にはTT・TC・CCの3つの遺伝子型があります。
- T型を持つ遺伝子型の人は、出生時の身長が高い傾向があります。
日本人における遺伝子型分布(rs6449353)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| TT型 | 87.8% | 68.0% |
| TC型 | 11.7% | 28.9% |
| CC型 | 0.3% | 3.0% |
検査の理論的な根拠
代表的なDNA領域:出生時の身長
出生時の身長に最も強く影響するDNA領域は、rs6449353です。 日本での遺伝子型(遺伝子のタイプ)の分布は下記のとおりです。
- TT
87.8 % - TC
11.7 % - CC
0.3 %
ほかに、出生時の身長に関わるDNA領域としてrs12534093があります。 日本での遺伝子型(遺伝子のタイプ)の分布は下記のとおりです。
- TT
99.9 % - TA
0.1%以下 - AA
0.1%以下
検査の根拠
ジェネレーションR研究グループのvan der Valkらの研究により、出生時の身長が遺伝子と関係していることが分かりました。人間のDNAには、rs6449353という場所があり、そこにはTとCの2種類のタイプがあります。Tタイプを持つ人は、生まれたときの身長が高い傾向があることが分かりました。
今回調べたDNA領域
細胞の中にあるDNAマップの図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | LCORL |
|---|---|
| 関連遺伝子 | IGF2BP3 |
よくある質問
Q1. 出生時の身長とは何ですか?
出生時の身長とは、赤ちゃんが生まれたときに測る身長のことで、おなかの中での育ち具合や健康状態を知るための大切な目安です。日本の正期産児(妊娠37〜41週で生まれた赤ちゃん)の平均出生身長は約48〜50cmです(1)。
Q2. 出生時の身長に遺伝子は影響しますか?
はい。ジェネレーションR研究グループのvan der Valkらの研究(1)により、DNA領域rs6449353のT型を持つ人は出生時の身長が高い傾向があることが分かっています。出生時の身長には、遺伝子と環境の両方が関わっています。
Q3. 出生時の身長が低い原因は何ですか?
出生時の身長が低い主な原因は、お母さんの栄養不足、妊娠中の喫煙、長く続くストレス、胎盤(赤ちゃんに栄養を送る器官)の働きの低下、遺伝子の影響です。これらの原因が一つだけ、または重なり合って、赤ちゃんの成長をさまたげます。
Q4. 出生時の身長はその後の成長に影響しますか?
出生時の身長は、その後の体の成長や健康状態に影響する可能性があります。生まれたときの身長が高いことは、おなかの中で順調に育ったしるしとなり、大人になったときの身長とも関係があると報告されています(2)。
Q5. 遺伝子検査で出生時の身長傾向は分かりますか?
DNA領域rs6449353の遺伝子型を調べることで、出生時の身長の傾向を知ることができます。日本人ではTT型が87.8%、TC型が11.7%、CC型が0.3%の分布です(1)。