骨の健康状態
- 骨の健康状態はカルシウム・コラーゲンタイプII・コンドロアドヘリン・コラーゲンα1(I)鎖など、体の中の複数の目印(生物学的マーカー)の組み合わせで評価されます。
- DNA領域rs12498138のGタイプを持つ人は骨の健康状態が悪い傾向にあることがスタンフォード大学の研究で分かりました。
- 日本人のGG型の割合は83.4%で、世界平均82.8%とほぼ同じです。
概要
【概要】 骨の健康状態は、カルシウムの量、コラーゲンタイプII、コンドロアドヘリン、コラーゲンα1(I)鎖という、体の中の複数の目印(生物学的マーカー)の組み合わせによって評価します。
【特徴】 これらの成分は、それぞれ骨の丈夫なつくりと働きを保つうえで大切な役割を持っています。
【メカニズム】 カルシウムは骨にためられている大切なミネラルで、骨の強さと密度(骨のつまり具合)を支えます。 カルシウムが十分にあることは、骨にカルシウムが再び取り込まれる働き(再石灰化)や、骨の新陳代謝がうまくいっていることを表し、骨粗鬆症(骨がもろくなる病気)や骨折を防ぐために欠かせません。 コラーゲンタイプIIは、関節で骨の端を守る軟骨をつくる主なタンパク質で、関節の健康と弾力性に欠かせません。 コンドロアドヘリンは軟骨にある大切な分子で、細胞とそのまわりの土台となる物質(基質)をつなぐ役目をし、軟骨の健康を保って骨の丈夫さを支えます。 コラーゲンα1(I)鎖は、骨の土台に最も多く含まれるタイプIコラーゲンの部品です。 これは骨の強さとしなやかさに大切で、骨をつくるための主な骨組みとして働きます。 コラーゲンα1(I)鎖を正しく測ることで、骨がしっかりつくられ、古い骨が新しい骨に作り替えられる流れがうまく進んでいるかが分かります。 これらの測定から、骨の密度やつくりだけでなく、骨のコラーゲンの部分とそれ以外の部分の質も含めた、骨の健康の全体像が分かります。 このような評価は、骨粗鬆症や骨折、その他の骨の病気のなりやすさを知る手がかりになり、骨の健康と働きを高めるための助けとなります。
【科学的根拠】 スタンフォード大学のSinnott-Armstrongらの研究により、骨の健康状態がrs12498138というDNA領域と関連していることが明らかになりました。 このDNA領域にはGG,GA,AAの3つの遺伝子型があり、Gを持つ遺伝子型の人は、骨の健康状態が悪い傾向にあることが分かりました。
骨の健康状態とは何か
骨の健康状態とは、カルシウムの量・コラーゲンタイプII・コンドロアドヘリン・コラーゲンα1(I)鎖という、体の中の複数の目印(生物学的マーカー)の組み合わせから評価する、骨の丈夫さと働きをまとめて表す指標です。スタンフォード大学のSinnott-Armstrongらの研究(1)により、DNA領域rs12498138のGタイプを持つ人は骨の健康状態が悪い傾向にあることが分かっています。
骨の健康を支える4つの主な成分
骨の健康状態は、以下の4つの体の中の目印(生物学的マーカー)によって評価されます。それぞれが骨のつくりと働きを保つために欠かせない役割を持っています。
| 成分 | 主な役割 | 骨の健康への影響 |
|---|---|---|
| カルシウム | 骨にためられている大切なミネラル | 骨の強さ・密度を支え、骨粗鬆症(骨がもろくなる病気)・骨折を防ぎます。 |
| コラーゲンタイプII | 軟骨をつくる主なタンパク質 | 関節の健康と弾力性を維持 |
| コンドロアドヘリン | 軟骨の細胞とまわりの物質をつなぎます。 | 軟骨の健康を保ち、骨の丈夫さを支えます。 |
| コラーゲンα1(I)鎖 | タイプIコラーゲンの主な部品 | 骨に強さとしなやかさを与える骨組み |
カルシウムが骨の健康に重要な理由
カルシウムは骨にためられている大切なミネラルで、骨の強さと密度を直接支えます。十分なカルシウムには以下の効果があります。
- 骨にカルシウムを取り込む働き(再石灰化)を助けます。
- 骨の新陳代謝を保ちます。
- 骨粗鬆症(骨がもろくなる病気)の予防
- 骨折の危険を減らす
成人の1日あたりのカルシウム推奨摂取量は650〜800mgです(厚生労働省「日本人の食事摂取基準」)。
コラーゲンと軟骨の役割
コラーゲンタイプIIは、関節で骨の端を守る軟骨をつくる主なタンパク質であり、関節の健康と弾力性に欠かせません。コンドロアドヘリンは軟骨にある大切な分子で、細胞とそのまわりの土台となる物質(基質)をつなぎ、軟骨の健康を保ちます。
コラーゲンα1(I)鎖は、骨の土台に最も多く含まれるタイプIコラーゲンの部品であり、骨の強さとしなやかさに欠かせません。骨をつくるための主な骨組みとして働き、これを正しく測ることで、骨がしっかりつくられ、新しい骨への作り替えがうまく進んでいるかが分かります。
骨の健康状態と遺伝子の関係
スタンフォード大学のSinnott-Armstrongらの研究(1)により、骨の健康状態がDNA領域rs12498138と関連していることが明らかになりました。
- rs12498138にはGG・GA・AAの3つの遺伝子型が存在します。
- Gタイプを持つ人は骨の健康状態が悪い傾向があります。
- 関連遺伝子:GOLB1、RPS27P5、FAM178B、LINC02341
骨の健康を保つための対策
遺伝子の影響に加えて、以下の生活習慣が骨の健康を保つのに役立つとされています。
- 十分なカルシウムをとる:乳製品・小魚・大豆製品から1日650〜800mgのカルシウムをとります。
- ビタミンDをとる:日光浴(1日15〜20分)やビタミンDを含む食品で、カルシウムの吸収を助けます。
- 骨に体重がかかる運動:ウォーキング・ジョギング・筋力トレーニングで骨密度を高めます。
- 禁煙・お酒を控える:喫煙は骨密度が下がるのを早め、お酒の飲みすぎはカルシウムの吸収をさまたげます。
- 定期的な骨密度検査:50歳以上は年1回の骨密度検査がすすめられています。
遺伝子と骨の健康状態の関連
DNA領域rs12498138と骨の健康状態の関係
スタンフォード大学のSinnott-Armstrongらの研究(1)により、DNA領域rs12498138が骨の健康状態と最も強く関連していることが分かりました。
- rs12498138にはGG・GA・AAの3つの遺伝子型が存在します。
- Gタイプを持つ遺伝子型の人は、骨の健康状態が悪い傾向があります。
日本人・世界における遺伝子型分布(rs12498138)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| GG型 | 83.4% | 82.8% |
| GA型 | 15.8% | 16.3% |
| AA型 | 0.7% | 0.8% |
その他の関連するDNA領域の日本人の分布
| DNA領域 | 遺伝子型1(日本/世界) | 遺伝子型2(日本/世界) | 遺伝子型3(日本/世界) |
|---|---|---|---|
| rs6684472 | CC 42.7% / 32.1% | CT 45.2% / 49.1% | TT 11.9% / 18.7% |
| rs78783493 | CC 99.9% / 88.0% | CT 0.1%以下 / 11.5% | TT 0.1%以下 / 0.3% |
| rs8001611 | CC 0.5% / 20.9% | CT 13.3% / 49.6% | TT 86.0% / 29.4% |
| rs9533095 | GG 86.0% / 30.9% | GT 13.3% / 49.3% | TT 0.5% / 19.6% |
検査の科学的な根拠
代表的なDNA領域:骨の健康状態
骨の健康状態 に最も強く影響するDNA領域は、rs12498138です。 日本における遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- GG
83.4 % - GA
15.8 % - AA
0.7 %
他に、骨の健康状態に関わるDNA領域にはrs6684472があります。 日本における遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- CC
42.7 % - CT
45.2 % - TT
11.9 %
他に、骨の健康状態に関わるDNA領域にはrs78783493があります。 日本における遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- CC
99.9 % - CT
0.1%以下 - TT
0.1%以下
他に、骨の健康状態に関わるDNA領域にはrs8001611があります。 日本における遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- CC
0.5 % - CT
13.3 % - TT
86.0 %
他に、骨の健康状態に関わるDNA領域にはrs9533095があります。 日本における遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- GG
86.0 % - GT
13.3 % - TT
0.5 %
検査の根拠
スタンフォード大学のSinnott-Armstrongらの研究により、骨の健康状態が遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のDNAには、rs12498138という領域があり、この領域にはGとAの2種類のタイプがあります。Gタイプを持つ人は、骨の健康状態が悪い傾向にあることが分かりました(1)。
今回調査したDNA領域
細胞の中にあるDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | GOLB1 |
|---|---|
| 関連遺伝子 | RPS27P5 |
| 関連遺伝子 | FAM178B |
| 関連遺伝子 | LINC02341 |
| 関連遺伝子 | LINC02341 |
よくある質問
Q1. 骨の健康状態とは何ですか?
骨の健康状態とは、カルシウムの量・コラーゲンタイプII・コンドロアドヘリン・コラーゲンα1(I)鎖など、体の中の複数の目印(生物学的マーカー)の組み合わせから評価する、骨の丈夫さと働きをまとめて表す指標です。DNA領域rs12498138のGタイプを持つ人は骨の健康状態が悪い傾向にあることがスタンフォード大学の研究で分かっています(1)。
Q2. 骨の健康に関係するDNA領域はどこですか?
スタンフォード大学のSinnott-Armstrongらの研究(1)により、DNA領域rs12498138が骨の健康状態と最も強く関連していることが分かりました。他にもrs6684472・rs78783493・rs8001611・rs9533095の4つのDNA領域が骨の健康に関わっています。
Q3. カルシウムとコラーゲンは骨の健康にどう関係しますか?
カルシウムは骨の強さと密度を支える大切なミネラルで、骨粗鬆症(骨がもろくなる病気)・骨折を防ぐために欠かせません。コラーゲンタイプIIは関節の軟骨をつくる主なタンパク質で、コラーゲンα1(I)鎖は骨の強さ・しなやかさを支えるタイプIコラーゲンの部品です。
Q4. 日本人における骨の健康関連遺伝子型の分布は?
DNA領域rs12498138における日本人の遺伝子型分布は、GG型83.4%・GA型15.8%・AA型0.7%です。世界平均(GG型82.8%・GA型16.3%・AA型0.8%)と比べて、日本人のGG型の割合はほぼ同じです。
Q5. 骨の健康を維持するための対策はありますか?
十分なカルシウムをとること(大人の推奨量は1日650〜800mg)、ビタミンDをとること、骨に体重がかかる運動(ウォーキング・筋力トレーニング)を続けること、禁煙・お酒を控えることが骨の健康を保つのに役立ちます。50歳以上は年1回の骨密度検査がすすめられています。