神経性過食症
概要
1. 概要
摂食障害とは、食事に関する異常な行動が続き、体重や体型の認識にも影響が及び、心身の両面に影響を与える病気です。神経性食欲不振症、神経性過食症、過食症など、症状に応じて細分化されます。(参考リンク 1)
この病気は、10代から20代の若者に多く、女性の割合が高いとされています。
また、遺伝的要因も指摘されており、双子に関する研究では、摂食障害に遺伝的な要素があることが報告されています。(参考リンク 2)
摂食障害は、日常生活や社会生活に大きな影響を与え、栄養障害や嘔吐、下痢などの身体合併症を引き起こすことがあり、時には生命にも危険を及ぼすこともあります。
自分自身の遺伝子検査を行うことで、摂食障害のリスクを確認することができます。
2. 理論的根拠
オーストラリアの研究チームは、オーストラリア国内に登録された双子のデータを使用して、双子女性2,564人を対象に網羅的な遺伝子解析を行いました。
神経性過食症に着目すると、151人に問題があるグループと問題がないグループの2,291人を比較した結果、DNA領域「rs77600076」の遺伝子型が神経性過食症に関係があることが検出されました。
このDNA領域には、「AA型」、「AC型」、「CC型」という3つの遺伝子型があります。ただしアジア、東アジア人の遺伝子タイプは全て「AA型」となっており(参考リンク 3)、「神経性過食症」と「A」、「C」の関連については、まだ明確な報告がありません。
3. 作用機序
DNA領域「rs77600076」が神経性過食症にどのように関連しているのかについて、その作用機序やメカニズムについては報告されていません。
ただし、DNA領域「rs77600076」は21番染色体に位置し、近くにある「TMPRSS15」という遺伝子の発現に関与している可能性があります。
この遺伝子は、膵臓のトリプシノーゲンをトリプシンに変換する酵素を作ることができ、消化管の運動異常や栄養吸収不良、そして体の成長不良を引き起こすことがあります。
したがって、遺伝子「TMPRSS15」の変異は、摂食障害に関連している可能性があり、DNA領域「rs77600076」も関与していることが考えられます。(参考リンク 4)
以上のように、DNA領域「rs77600076」は、神経性過食症のリスクに関連している注目すべき一塩基多型の1つです。
遺伝子領域rs77600076において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- AA100.00%
- AC0.00%
- CC0.00%
遺伝子領域rs77600076において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- AA93.20%
- AC6.68%
- CC0.12%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:神経性過食症
体表的なDNA領域:神経性過食症
神経性過食症 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs77600076です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
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AA
100.0% -
AC
0.0% -
CC
0.0%
検査の根拠
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | CHODL |
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参考文献
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関連遺伝子 CHODL
- 参考リンク : 2013 Sep、Tracey D Wadeと研究グループがInt J Eat Disord に発表したGenetic variants associated with disordered eatingという研究によると神経性過食症 に関連するrs77600076の関連性が認められました。