血液中のカルシウム濃度
- 血液中のカルシウム濃度は、骨・筋肉・神経・血液を固めるはたらきに関わる大切なミネラルの目安で、大人の正常値は8.5〜10.5 mg/dLです。
- DNA領域rs12498138のGを持つ人は血液中のカルシウム濃度が高い傾向にあることが研究で分かりました。
- カルシウム濃度の異常は副甲状腺のはたらきの異常やビタミンD不足など健康上の問題がある可能性を示します。
概要
【概要】 血液中のカルシウム濃度とは、体の中にあるカルシウムの量を数字で表したものです。
【特徴】 カルシウムは、骨や筋肉、神経、血液を固めるはたらきなど、体の多くのはたらきに必要な大切なミネラルです。 ふつう注目されるのは血液中のカルシウムの量で、ミリグラム毎デシリットル(mg/dL)またはミリモル毎リットル(mmol/L)という単位で表されます。 大人の正常なカルシウムの値は約8.5から10.5 mg/dLです。 この範囲から外れている場合は、健康状態や遺伝子の影響が表れていることがあります。 例えば、高カルシウム血症(血液中のカルシウムが多すぎる状態)では、副甲状腺機能亢進症(副甲状腺のはたらきが強すぎる病気)や悪性腫瘍(がん)の可能性があります。 一方、低カルシウム血症(血液中のカルシウムが少なすぎる状態)は、副甲状腺機能低下症(副甲状腺のはたらきが弱い病気)やビタミンD不足が原因のことがあります。 カルシウムの値を見るときは、実際の濃度だけでなく、遺伝子の影響や環境、生活習慣がどう関わり合っているかも考えます。 そこから、健康や病気への影響を知る手がかりが得られます。
【科学的根拠】 スタンフォード大学のSinnott-Armstrongらの研究により、血液中のカルシウム濃度がrs12498138というDNA領域と関連していることが明らかになりました。 このDNA領域にはGG,GA,AAの3つの遺伝子型があり、Gを持つ遺伝子型の人は、血液中のカルシウム濃度が高い傾向にあることが分かりました。
血液中のカルシウム濃度とは何か
血液中のカルシウム濃度とは、血液の液体部分(血清)に含まれるカルシウムの量を数字で表したものです。カルシウムは骨・筋肉・神経の信号の伝達・血液を固めるはたらきなど、体に欠かせないミネラルです。
カルシウム濃度の正常値と異常値の意味
大人の血液中カルシウムの正常値は8.5〜10.5 mg/dL(2.1〜2.6 mmol/L)です。この範囲を外れた場合、次のような健康状態の可能性があります。
| 状態 | カルシウム値 | 主な原因 |
|---|---|---|
| 高カルシウム血症 | 10.5 mg/dL超 | 副甲状腺機能亢進症・悪性腫瘍(がん) |
| 正常範囲 | 8.5〜10.5 mg/dL | - |
| 低カルシウム血症 | 8.5 mg/dL未満 | 副甲状腺機能低下症・ビタミンD不足 |
カルシウムの主な役割
カルシウムは次の4つの大切な体のはたらきに関わります。
- 骨・歯の形成:体の中のカルシウムの約99%は骨と歯にたくわえられています。
- 筋肉の収縮:筋肉が縮んだりゆるんだりするのを調整します。
- 神経の伝達:神経の信号を伝えるはたらきに関わります。
- 血液凝固:血液を固める仕組みを助けます。
カルシウム濃度に影響する要因
血液中のカルシウム濃度は、以下の要因により変動します。
- 遺伝子の影響:DNA領域rs12498138でGを持つ人は濃度が高い傾向があります。
- 食事からの摂取:カルシウム・ビタミンDの食事からの摂取量
- ホルモン調節:副甲状腺ホルモン・カルシトニン(カルシウムの量を調整するホルモン)による調整
- 腎機能:腎臓でのカルシウムの再吸収(体に戻すこと)と排出のバランスです。
遺伝子と血液中のカルシウム濃度の関連
DNA領域rs12498138とカルシウム濃度の関係
スタンフォード大学のSinnott-Armstrongらの研究により、血液中のカルシウム濃度がDNA領域rs12498138と関連していることが判明しました。
- rs12498138にはGG・GA・AAの3つの遺伝子型が存在します。
- Gを持つ遺伝子型の人は、血液中のカルシウム濃度が高い傾向があります。
日本人における遺伝子型分布(rs12498138)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| GG型 | 83.4% | 82.8% |
| GA型 | 15.8% | 16.3% |
| AA型 | 0.7% | 0.8% |
検査の理論的根拠
代表的なDNA領域:血液中のカルシウム濃度
血液中のカルシウム濃度 に最も強く影響するDNA領域は、rs12498138です。 日本における各遺伝子型の割合は下記のとおりです。
- GG
83.4 % - GA
15.8 % - AA
0.7 %
他に、血液中のカルシウム濃度に関わるDNA領域にはrs6684472があります。 日本における各遺伝子型の割合は下記のとおりです。
- CC
42.7 % - CT
45.2 % - TT
11.9 %
他に、血液中のカルシウム濃度に関わるDNA領域にはrs78783493があります。 日本における各遺伝子型の割合は下記のとおりです。
- CC
99.9 % - CT
0.1%以下 - TT
0.1%以下
検査の根拠
スタンフォード大学のSinnott-Armstrongらの研究により、血液中のカルシウム濃度が遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のDNAには、rs12498138という場所があり、その場所にはGとAの2種類のタイプがあります。Gを持つ人は、血液中のカルシウム濃度が高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞の中にあるDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | GOLGB1 |
|---|---|
| 関連遺伝子 | RPS27P5 |
| 関連遺伝子 | FAM178B |
よくある質問
Q1. 血液中のカルシウム濃度とは何ですか?
血液中のカルシウム濃度とは、血液の液体部分(血清)に含まれるカルシウムの量を数字で表したものです。大人の正常値は8.5〜10.5 mg/dLで、骨をつくる・筋肉を縮める・神経の信号を伝える・血液を固めるなど、体の大切なはたらきに関わっています。
Q2. カルシウム濃度は遺伝子と関連がありますか?
スタンフォード大学のSinnott-Armstrongらの研究により、DNA領域rs12498138が血液中のカルシウム濃度と関連していることが分かりました。Gを持つ遺伝子型の人は、血液中のカルシウム濃度が高い傾向にあります。
Q3. カルシウム濃度が異常になる原因は何ですか?
高カルシウム血症の主な原因は副甲状腺機能亢進症(副甲状腺のはたらきが強すぎる病気)や悪性腫瘍(がん)です。低カルシウム血症は副甲状腺機能低下症やビタミンD不足が原因となります。遺伝子の影響・環境・生活習慣も合わさって影響します。
Q4. カルシウム濃度の正常値はどのくらいですか?
大人の血液中カルシウムの正常値は8.5〜10.5 mg/dL(2.1〜2.6 mmol/L)です。この範囲を外れる場合、副甲状腺のはたらきの異常やビタミンD不足など、健康上の問題がある可能性があります。