慢性骨髄性白血病
概要
慢性骨髄性白血病(CML)は、骨髄(骨の内部の新しい血液細胞が作られる部分)で発症するがんの一種です。
特に未熟な白血球の一種である顆粒球の過剰生産が起こることで、通常の血液細胞の生産と働きに悪影響を与えます。
CMLの特徴の1つは、フィラデルフィア染色体(遺伝的な異常が発生している染色体)との関連です。
このフィラデルフィア染色体は、第9および第22染色体の一部が入れ替わることで発生し、白血球の過剰生産を引き起こすタンパク質の生成につながります。
初期段階では症状が出ない場合がありますが、進行すると疲労や体重減少、夜間の発汗、左側の腹部に脾臓の腫れや痛みなどの症状が現れます。
また、異常な白血球の増加により免疫が低下するため、感染症にかかりやすくなります。
CMLは通常、慢性期、加速期、急性転化期の3つの段階に分類されます。
慢性期は安定しており、治療が有効な場合が多いですが、加速期と急性転化期はより進行が速く、治療が難しくなります。
CMLの治療は、フィラデルフィア染色体によって生成される遺伝子の働きを抑えるチロシンキナーゼ阻害剤(TKIs)という薬が使用されます。
この薬により患者の寿命と生活の質を大幅に改善することができるようになりました。
成均館大学医学部のKimらの研究により、慢性骨髄性白血病の罹患リスクがrs4869742というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはCC、CT、TTの3つの遺伝子型があり、Tを持つ遺伝子型の人は、慢性骨髄性白血病のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
遺伝子領域rs4869742において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- CC3.52%
- CT30.47%
- TT66.02%
遺伝子領域rs4869742において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- CC48.41%
- CT42.33%
- TT9.25%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:慢性骨髄性白血病
体表的なDNA領域:慢性骨髄性白血病
慢性骨髄性白血病 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs4869742です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
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CC
3.5% -
CT
30.5% -
TT
66.0%
検査の根拠
成均館大学医学部のKimらの研究により、慢性骨髄性白血病の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs4869742という領域が存在し、その領域の遺伝子にはCとAの2種類の変異があります。Cタイプの変異を持つ人は、慢性骨髄性白血病のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | CCDC170 |
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