口蓋裂
概要
先天性の状態である口唇口蓋裂は、胎児の発達中に口の上部(口蓋)が完全に融合しないことで生じる開口部や裂け目が特徴です。口蓋には、前部の硬口蓋と後部の軟口蓋があります。
裂け目は、これらのどちらか、または両方に影響を及ぼし、口の後部に小さな開口部ができるものから、鼻腔に達する大きな裂け目まで様々です。
この状態は、他の異常を伴う症候群の一部として、または単独で発生することがあります。
口唇口蓋裂のある人は、食事、発話、聴覚に問題を抱える危険性があります。食事の問題は、口蓋の開口部から食べ物や液体が鼻に戻ることが原因です。
発話の問題も一般的で、口蓋は発音に重要な役割を果たし、明瞭な声と音に影響します。また、中耳の液体蓄積や感染症が、裂け目による耳管の機能不全で引き起こされ、聴力喪失に繋がることがあります。
治療には通常、裂け目を閉じるための外科手術が含まれ、子どもの成長に合わせて複数回の手術が必要になることがあります。
言語療法士、耳鼻咽喉科医、顎顔面外科医などの専門家チームによる早期治療が、合併症の予防と生活の質の改善に大いに役立ちます。
南京医科大学のYue Hanらの研究により、口蓋裂の罹患リスクがrs2240307というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはAA,AG,GGの3つの遺伝子型があり、Gを持つ遺伝子型の人は、口蓋裂のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
遺伝子領域rs2240307において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- AA72.41%
- AG25.37%
- GG2.22%
遺伝子領域rs2240307において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- AA97.14%
- AG2.84%
- GG0.02%
遺伝子領域rs730570において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- GG80.83%
- GA18.15%
- AA1.02%
遺伝子領域rs730570において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- GG3.11%
- GA29.06%
- AA67.82%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:口蓋裂
体表的なDNA領域:口蓋裂
口蓋裂 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs2240307です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
-
AA
72.4% -
AG
25.4% -
GG
2.2%
他に、口蓋裂に関わる遺伝子領域はrs730570があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
-
GG
80.8% -
GA
18.2% -
AA
1.0%
検査の根拠
南京医科大学のYue Hanらの研究により、口蓋裂の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs2240307という領域が存在し、その領域の遺伝子にはAとGの2種類の変異があります。Aタイプの変異を持つ人は、口蓋裂のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
- ■
- ■
- ■
- ■
- ■
- ■
- ■
- ■
- ■
関連遺伝子
| 関連遺伝子 | AXIN2 |
|---|---|
| 関連遺伝子 | LINC00523 |
参考文献
-
関連遺伝子 AXIN2
- 参考リンク : 2014 Aug、Yue Hanと研究グループがJ Oral Pathol Med に発表したThe axis inhibition protein 2 polymorphisms and non-syndromic orofacial clefts susceptibility in a Chinese Han populationという研究によると口蓋裂 に関連するrs2240307の関連性が認められました。
-
関連遺伝子 LINC00523
- 参考リンク : 2019 Oct、Lulin Huangと研究グループがPLoS Genet に発表したGenetic factors define CPO and CLO subtypes of nonsyndromicorofacial cleftという研究によると口蓋裂 に関連するrs730570の関連性が認められました。