クローン病の予後の良さ
概要
クローン病は、胃腸(GI)管の慢性炎症性疾患であり、炎症性腸疾患(IBD)の一部です。この病気の予後(病気や治療の見通し)は疾患の位置、重症度、合併症の有無などによって異なり、予測が困難です。
症状が比較的軽度で、炎症が局所的かつ軽度であれば、予後は良好です。一方で、全体的な炎症が広がり、潰瘍が深刻であり、狭窄や穿孔などの合併症が進行すると、治療がより難しく、予後が悪くなる傾向があります。
早期に適切な治療を開始し、抗炎症薬や免疫抑制剤などで病状の安定や症状の改善を図ることが、長期的な予後の改善につながります。
クローン病は長期間にわたる症状と治療が必要な疾患であり、これに伴うストレスや生活の質の低下が予後に悪影響を及ぼします。早期の適切な治療や心理的なケアが予後改善に重要となります。
ケンブリッジ大学のLeeらの研究により、クローン病の予後がrs5929166というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはGG、GA、AAの3つの遺伝子型があり、Gを持つ遺伝子型の人は、クローン病の予後が悪い傾向にあることが分かりました。
遺伝子領域rs5929166において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- GG100.00%
- GA0.00%
- AA0.00%
遺伝子領域rs5929166において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- GG96.25%
- GA3.71%
- AA0.04%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:クローン病の予後の良さ
体表的なDNA領域:クローン病の予後の良さ
クローン病の予後の良さ に最も強く影響する遺伝子領域は、rs5929166です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
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GG
100.0% -
GA
0.0% -
AA
0.0%
検査の根拠
ケンブリッジ大学のLeeらの研究により、クローン病の予後が遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs5929166という領域が存在し、その領域の遺伝子にはGとAの2種類の変異があります。Gタイプの変異を持つ人は、クローン病の予後が悪い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | XACT |
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参考文献
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関連遺伝子 XACT
- 参考リンク : 2017 Feb、James C Leeと研究グループがNat Genet に発表したGenome-wide association study identifies distinct genetic contributions to prognosis and susceptibility in Crohn’s diseaseという研究によるとクローン病の予後の良さ に関連するrs5929166の関連性が認められました。