歯周病
- 歯周病は歯垢・歯石がたまって歯ぐきが腫れる口の中の病気で、進むと歯が抜けてしまうことがあります。
- DNA領域rs5922945のCタイプを持つ人は歯周病になりやすい傾向があることが、ウメオ大学の研究で分かりました。
- 定期的な歯科検診・クリーニング・正しい歯みがきによって、歯周病になりにくくし、悪化を防ぐことができます。
概要
【病気の概要】 虫歯は、歯の表面にいる細菌が酸を作り、その酸で歯のカルシウムが溶けて歯がもろくなり、穴が開いてしまう口の中の病気です。 始めのうちは歯の表面に白い点が出ることがありますが、進むと茶色や黒色の虫歯になります。
【症状と特徴】 そのままにしておくと悪化し、歯の神経が痛むようになり、最悪の場合は歯を抜かなければならなくなります。
【治療と注意点】 虫歯の治療では、虫歯になった部分を取り除き、樹脂を詰めたり、被せ物をしたりして歯を守ることが中心です。 歯周炎は、主に歯垢(しこう)や歯石が歯と歯ぐきの境目にたまることで起こり、歯ぐきの腫れや出血、口臭、歯がぐらつく・抜けるなどの症状が出ます。 歯周炎の治療には、デブリードマン(傷んだ組織をきれいに取り除くこと)、歯石・歯垢の除去、必要に応じた歯ぐきの手術が必要です。 虫歯や歯周炎を防ぐには、定期的な歯科検診とクリーニングが大切です。痛みをそのままにせず、早めに治療を受けましょう。
【遺伝子との関係】 ウメオ大学のShunginらの研究により、歯周炎へのなりやすさがrs5922945というDNA領域と関係していることが分かりました。 このDNA領域にはCC、CT、TTの3つの遺伝子型があり、Cを持つ遺伝子型の人は、歯周病になりやすい傾向があることが分かりました。
歯周病とは何か
歯周病は、歯垢(プラーク)や歯石が歯と歯ぐきの境目にたまることで起こる口の中の病気です。歯ぐきの腫れ・出血・口臭を起こし、進むと歯がぐらつき、最後には歯が抜けてしまうことがあります。
歯周病の原因とメカニズム
歯周病が起こる仕組みは次のとおりです。
- 歯垢(プラーク)がたまる:口の中の細菌が歯の表面にくっつき、ぬるぬるした膜(バイオフィルム)を作ります。
- 歯石ができる:歯垢が固まって歯石になり、歯ぐきの下に入り込みます。
- 炎症(腫れ)が起こる:細菌の毒素で歯ぐきが腫れ、歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケット)が深くなります。
- 歯を支える骨が減る:進むと歯を支える骨が減り、歯がぐらつきます。
歯周病になりやすくなる主な要因は次のとおりです。
- 口の中の手入れ不足(歯みがき不足)
- 喫煙(歯周病のなりやすさが2〜6倍になる)
- 糖尿病(血糖値がうまく保てない状態)
- 遺伝子の影響(DNA領域rs5922945のCタイプ)
- ストレス・年齢を重ねること
歯周病の主な症状
歯周病は始めのうちは自分で気づくような症状がほとんどないため、定期検診が大切です。
- 歯ぐきの赤み・腫れ・出血
- 口臭が強くなります。
- 歯ぐきが下がります(歯が長く見えます)。
- 歯のぐらつき
- かむときの痛み・違和感
歯周病と虫歯の違い
| くらべる項目 | 歯周病 | 虫歯 |
|---|---|---|
| 病気の場所 | 歯周組織(歯ぐき・歯槽骨) | 歯の硬い部分(エナメル質・象牙質) |
| 主な原因 | 歯垢の中の細菌が出す毒素 | 細菌が出す酸 |
| 初期症状 | 歯ぐきの出血・腫れ | 歯に白い点・色の変化 |
| 進んだ結果 | 歯が抜けます。 | 歯が崩れる・抜歯 |
| 治療法 | デブリードマン(傷んだ組織の除去)・歯ぐきの手術 | 詰め物・被せ物 |
歯周病の進み方
| 段階 | 状態 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 歯肉炎(歯ぐきの炎症) | 歯ぐきだけの炎症 | 歯ぐきの赤み・出血 |
| 軽い歯周炎 | 歯周ポケットの深さ4mm以下 | 歯ぐきが下がる・口臭 |
| 中くらいの歯周炎 | 歯周ポケットの深さ5〜7mm | 歯のぐらつき・うみが出ます。 |
| 重い歯周炎 | 歯周ポケットの深さ7mm以上 | 歯が抜けるおそれ |
歯周病の治療法
治療は、どこまで進んでいるかによって、次の方法から選ばれます。
- スケーリング・ルートプレーニング(歯石取りと歯の根の掃除):歯石・歯垢を取り除き、歯の根の表面をなめらかにします。
- デブリードマン(傷んだ組織の除去):歯周ポケットの中の傷んだ組織や細菌を取り除きます。
- 歯ぐきの手術:中くらい〜重い場合に、歯ぐきを開く手術や骨を補う手術を行います。
- メインテナンス(治療後のお手入れ):治療後も定期的にクリーニングを受け、様子を見ます。
歯周病の予防法
- 1日2〜3回の正しい歯みがき
- デンタルフロス・歯間ブラシを毎日使います。
- 3〜6ヶ月ごとの歯科検診と、歯科医院でのクリーニング
- 禁煙
- バランスのよい食事をとり、ストレスをためないようにします。
遺伝子と歯周病の関係
DNA領域rs5922945と歯周病へのなりやすさの関係
ウメオ大学のShunginらの研究(1)により、DNA領域rs5922945が歯周病へのなりやすさと関係していることが分かりました。
- rs5922945にはCC・CT・TTの3つの遺伝子型があります。
- Cタイプを持つ遺伝子型の人は、歯周病になりやすい傾向があります。
日本人における遺伝子型分布(rs5922945)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| CC型 | 65.4% | 58.8% |
| CT型 | 30.8% | 35.7% |
| TT型 | 3.6% | 5.4% |
日本人における遺伝子型分布(rs10048146)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| AA型 | 49.9% | 67.2% |
| AG型 | 41.4% | 29.5% |
| GG型 | 8.6% | 3.2% |
検査の根拠となる考え方
代表的なDNA領域:歯周病
歯周病に最も強く影響するDNA領域は、rs5922945です。 日本でのそれぞれの遺伝子型の割合は下記のとおりです。
- CC
65.4 % - CT
30.8 % - TT
3.6 %
ほかに、歯周病に関わるDNA領域としてrs10048146があります。 日本でのそれぞれの遺伝子型の割合は下記のとおりです。
- AA
49.9 % - AG
41.4 % - GG
8.6 %
検査の根拠
ウメオ大学のShunginらの研究により、歯周病へのなりやすさが遺伝子と関係していることが分かりました。人間のDNAには、rs5922945という場所があり、そこにはCとTの2種類のタイプがあります。Cタイプを持つ人は、歯周病になりやすい傾向があることが分かりました(1)。
今回調査したDNA領域
細胞の中にあるDNAの地図のイメージ図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | MIR548I4 |
|---|---|
| 関連遺伝子 | FOXL1 |
よくある質問
Q1. 歯周病とは何ですか?
歯周病は、歯垢(プラーク)や歯石が歯と歯ぐきの境目にたまることで起こる口の中の病気です。歯ぐきの腫れ・出血・口臭を起こし、進むと歯がぐらつき、最後には歯が抜けてしまうことがあります。
Q2. 歯周病の原因は何ですか?
主な原因は歯垢(プラーク)がたまることです。歯垢の中の細菌が毒素を出し、歯ぐきに炎症(腫れや赤み)を起こします。喫煙・糖尿病・ストレス・遺伝子の影響も、なりやすさを高める要因です。DNA領域rs5922945でCタイプを持つ人は、なりやすい傾向があります(1)。
Q3. 歯周病と虫歯はどう違いますか?
虫歯は細菌が出す酸で歯の硬い部分が溶ける病気です。歯周病は歯を支える歯ぐきや、あごの骨(歯槽骨)が壊れていく病気です。病気が起こる場所と、起こる仕組みが違います。
Q4. 遺伝子検査で歯周病へのなりやすさは分かりますか?
DNA領域rs5922945の遺伝子型を調べることで、歯周病へのなりやすさの傾向を知ることができます。Cタイプを持つ遺伝子型の人はなりやすい傾向があることが、ウメオ大学の研究で分かっています(1)。
Q5. 歯周病はどうすれば防げますか?
毎日の正しい歯みがき、デンタルフロス・歯間ブラシの使用、定期的な歯科検診・クリーニング(3〜6ヶ月ごと)が基本です。たばこを吸わないこと、バランスのよい食事、ストレスをためないことも予防に役立ちます。