拡張型心筋症
概要
拡張型心筋症は、心臓の筋肉が弱くなり、心室が拡張して血液を十分に送り出せなくなる疾患です。この病気は、心臓のポンプ機能が低下し、全身に必要な血液を供給する能力が減少するため、心不全を引き起こします。
原因は、遺伝的要因、ウイルス感染、アルコールや薬物の乱用、特定の薬物の副作用、栄養不良、自己免疫疾患、妊娠中の合併症などが挙げられますが、明確な原因が特定できない場合もあります。
この病気は、疲労感、息切れ、動悸、胸痛、足や腹部のむくみ、夜間の呼吸困難などの症状を示します。進行すると症状が悪化し、日常生活に支障をきたします。
診断には、病歴や身体診察、心電図、心臓超音波検査(エコー)、胸部X線、MRI、心臓カテーテル検査などが行われます。
治療は、症状の緩和と病気の進行を遅らせることを目指します。薬物療法として、心不全の管理のために利尿剤、ACE阻害薬、ベータ遮断薬、デジタリスなどが用いられます。
生活習慣の改善として、塩分摂取の制限、適度な運動、禁煙、アルコールの制限が推奨されます。
治療は投薬(ACE阻害剤、ベータ遮断薬、利尿剤など)、生活習慣の変更(塩分制限や運動、禁酒、禁煙)などが行われます。
重症例な場合は、植え込み型除細動器(ICD)の装着や心臓再同期療法(CRT)などのデバイス治療、最終的には心臓移植が必要になることもあります。
モントリオール大学のRafik Tadrosらの研究により、拡張型心筋症の罹患リスクがrs2303510というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはGG、GA、AAの3つの遺伝子型があり、Gを持つ遺伝子型の人は、拡張型心筋症のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
遺伝子領域rs2303510において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- GG41.50%
- GA45.84%
- AA12.66%
遺伝子領域rs2303510において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- GG46.14%
- GA43.57%
- AA10.29%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:拡張型心筋症
体表的なDNA領域:拡張型心筋症
拡張型心筋症 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs2303510です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
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GG
41.5% -
GA
45.8% -
AA
12.7%
検査の根拠
モントリオール大学のRafik Tadrosらの研究により、拡張型心筋症の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs2303510という領域が存在し、その領域の遺伝子にはGとAの2種類の変異があります。Gタイプの変異を持つ人は、拡張型心筋症のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | FHOD3 |
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参考文献
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関連遺伝子 FHOD3
- 参考リンク : 2021 Feb、Rafik Tadrosと研究グループがNat Genet に発表したShared genetic pathways contribute to risk of hypertrophic and dilated cardiomyopathies with opposite directions of effectという研究によると拡張型心筋症 に関連するrs2303510の関連性が認められました。