DNA鑑定|一生の悩みを2日で解決|国内自社ラボDNA鑑定

オピオイド薬物中毒になりやすさ

オピオイド薬物中毒のイメージ画像
  • オピオイド薬物中毒は、脳のオピオイド受容体が変化し、我慢できずに薬物を求めてしまう慢性の病気で、米国では年間約8万人以上がオピオイドに関係して亡くなっています。
  • DNA領域rs9540128のCタイプを持つ人は中毒のリスクが高い傾向にあることがRTIインターナショナルの研究で分かっています。
  • 薬物支援治療(治療用の薬を使う方法)やナロキソン投与など、研究で効果が確かめられた治療法で回復が可能です。

概要

【概要】 オピオイドは、病院で出される痛み止め(処方鎮痛薬)や、違法なヘロインなどを含む薬物のグループです。 これらの薬物は、脳や神経にある「オピオイド受容体」(薬が結びつく部分)にくっついて、痛みを和らげたり、幸せな気分にさせたりします。

【特徴】 しかし、長い間使い続けると、依存症や中毒につながる可能性があります。

【メカニズム】 オピオイド依存症は、体が薬物に慣れてしまい、より多くの量が必要になる状態です。 依存症の症状には、不安、筋肉の痛み、おなかの不調などがあります。 医師の指示どおりに使っていても依存症になる可能性があるため、使い方を注意深く見守ることが大切です。 オピオイド中毒は、我慢できずに薬物を求めてしまう行動が特徴で、生活の他の大切なことよりも薬物を優先してしまう、長く続く病気(慢性疾患)です。 中毒になった人は、仕事や人間関係に悪い影響が出ても、薬物を使い続けてしまう傾向があります。 遺伝子の影響、環境、心の状態などが中毒の起こりやすさに関わる可能性があります。 オピオイドの広がりは、使いすぎ(過剰摂取)による死亡の増加や、予防と治療の必要性から、社会全体の健康にかかわる大きな問題になっています。 治療用の薬を使う「薬物支援治療」や、使いすぎたときの解毒薬「ナロキソン」を配る取り組みなどが、オピオイド依存症や中毒を和らげるのに効果があります。 オピオイドの問題には、薬物を手に入れにくくしたり、誤った使い方を減らしたりするための予防策や制度の見直しなど、さまざまな方向からの取り組みが必要です。

【科学的根拠】 米国の研究機関RTIインターナショナルのGaddisらの研究により、オピオイド薬物中毒のなりやすさがrs9540128というDNA領域と関係していることが分かりました。 このDNA領域にはCC、CT、TTの3つの遺伝子型があり、Cを持つ遺伝子型の人は、オピオイド薬物中毒のリスクが高い傾向にあることが分かりました。

オピオイド薬物中毒とは何か

オピオイド薬物中毒(オピオイド使用障害)は、オピオイド系の薬物を何度も使ううちに脳のオピオイド受容体が変化し、我慢できずに薬物を求めてしまう行動が特徴の慢性の病気です。米国疾病予防管理センター(アメリカの国の保健機関)の報告では、2021年に約8万人以上がオピオイドの使いすぎ(過量摂取)で亡くなっています。

オピオイドとは何か?

オピオイドは、脳や神経にあるオピオイド受容体(薬が結びつく部分)にくっついて、痛みを和らげたり強い幸福感をもたらしたりする薬物をまとめた呼び名です。次のような種類があります。

  • 処方オピオイド:オキシコドン、ヒドロコドン、モルヒネ、フェンタニルなどです。
  • 違法オピオイド:ヘロイン、違法に作られたフェンタニルです。
  • 合成オピオイド:フェンタニルに似た薬物(カルフェンタニルなど)

オピオイド中毒の原因とメカニズム

オピオイド中毒は、次の3つの段階を経て進みます。

  • 耐性(効きにくくなること):同じ効果を得るために徐々に高い用量が必要になります。
  • 体の依存:薬物をやめたときに離脱症状(不安、筋肉の痛み、おなかの不調)が出ます。
  • 嗜癖(中毒):生活に悪い影響が出ても、我慢できずに薬物を求めてしまう状態です。

遺伝子の影響・環境・心の状態などが組み合わさって発症に関わります。

オピオイド依存症と中毒の違い

比較項目 依存症 中毒・嗜癖
定義 体がオピオイドに慣れた状態 我慢できずに薬物を使ってしまうことが特徴の脳の病気
離脱症状 あり(やめたときに出る) あり
行動変化 軽い 重い(社会生活・人間関係に影響)
処方どおりの使用 あり得る 自分で量をコントロールできない使い方
治療 少しずつ量を減らす方法(漸減療法)で管理できます。 薬物支援治療+心理療法が必要

オピオイド中毒の主な症状

  • 薬物への強い欲求と、我慢できずに薬物を求める行動
  • 使う量をコントロールするのが難しいです。
  • 仕事・学業・人間関係が大きく悪くなります。
  • 耐性(薬が効きにくくなること)が強まり、より多くの量が必要になります。
  • やめたときの離脱症状(不安、汗、筋肉の痛み、嘔吐)

オピオイド中毒の治療法

研究で効果が確かめられた治療法があります。

  • 薬物支援治療:メサドン、ブプレノルフィン、ナルトレキソンなどの治療薬を使います。
  • ナロキソン(解毒薬)の投与:使いすぎたときの救急処置として使います。
  • 認知行動療法(考え方や行動のくせを見直す方法):薬物を使いたくなるきっかけへの対処法を学びます。
  • 集団療法・リハビリテーション:社会復帰支援

オピオイド危機の現状

オピオイドの広がりは、世界的に社会全体の健康にかかわる大きな問題です。予防のために、次のようなさまざまな方向からの取り組みが求められています。

  • 処方のルールを厳しくします。
  • ナロキソン(解毒薬)を広く配ります。
  • 薬物支援治療を受けやすくします。
  • 遺伝子の情報にもとづく、一人ひとりに合わせた医療

遺伝子とオピオイド薬物中毒の関係

DNA領域rs9540128と中毒のリスクの関係

RTIインターナショナルのGaddisらの研究(1)により、DNA領域rs9540128がオピオイド薬物中毒のリスクと関係していることが分かりました。

  • rs9540128にはCC・CT・TTの3つの遺伝子型が存在します。
  • Cを持つ遺伝子型(CC型・CT型)の人は、オピオイド薬物中毒のリスクが高い傾向があります。

日本人における遺伝子型分布(rs9540128)

遺伝子型 日本人の割合 世界の割合
CC型 39.0% 58.8%
CT型 46.8% 35.7%
TT型 14.0% 5.4%

DNA領域rs9540128で、日本で各遺伝子型を持つ人の割合

  • CC
    39.0%
  • CT
    46.8%
  • TT
    14.0%

DNA領域rs9540128で、世界で各遺伝子型を持つ人の割合

  • CC
    58.8%
  • CT
    35.7%
  • TT
    5.4%

検査の理論的根拠

代表的なDNA領域:オピオイド薬物中毒のなりやすさ

オピオイド薬物中毒のなりやすさに最も強く影響するDNA領域は、rs9540128です。 日本での各遺伝子型の割合は下のとおりです。

  • CC
    39.0 %
  • CT
    46.8 %
  • TT
    14.0 %

検査の根拠

RTIインターナショナルのGaddisらの研究により、オピオイド薬物中毒のなりやすさが遺伝子と関係していることが分かりました。人のDNAにはrs9540128という場所があり、そこにはCとTの2種類のタイプがあります。Cタイプを持つ人は、オピオイド薬物中毒のリスクが高い傾向にあることが分かりました。

今回調査したDNA領域

細胞の中にあるDNAの地図(模式図)

Image
  • ■
  • ■
  • ■
  • ■
  • ■
  • ■
  • ■
  • ■
  • ■

関連遺伝子

関連遺伝子 LINC00355

よくある質問

Q1. オピオイド薬物中毒とは何ですか?

オピオイド薬物中毒(オピオイド使用障害)は、オピオイド系の薬物を何度も使ううちに脳のオピオイド受容体が変化し、我慢できずに薬物を求めてしまう行動が特徴の慢性の病気です。遺伝子の影響・環境・心の状態などが組み合わさって発症に関わります(1)。

Q2. オピオイド依存症と中毒の違いは何ですか?

依存症は体がオピオイドに慣れてしまい、やめたときに離脱症状が出る状態です。中毒(嗜癖:やめたくてもやめられない状態)は依存症に加えて、我慢できない薬物の使用や社会生活への悪影響が生じる、脳の慢性の病気です。

Q3. 遺伝子検査でオピオイド中毒のリスクは分かりますか?

DNA領域rs9540128の遺伝子型を調べることで、オピオイド薬物中毒のリスクの傾向を知ることができます。Cを持つ遺伝子型(CC型・CT型)の人はリスクが高い傾向にあることが研究で分かっています(1)。

Q4. オピオイド中毒の治療法にはどのようなものがありますか?

治療用の薬を使う「薬物支援治療」としてメサドン・ブプレノルフィン・ナルトレキソンの使用、使いすぎたときの救急処置としてナロキソン(解毒薬)の投与、認知行動療法(考え方や行動のくせを見直す方法)などの心理療法が効果的です。

参考文献