気管支拡張剤(気道拡張)の効き目
- 気管支拡張剤とは、肺の気道を広げて呼吸を楽にする薬で、気管支の筋肉をゆるめる・空気の流れをよくする・炎症をおさえる・痰を出しやすくする、という4つのはたらきで息苦しさをやわらげます。
- DNA領域rs77094751のAを持つ人は気管支拡張剤が効きやすい傾向があることが、ハーバード医科大学の研究でわかりました。
- 日本人でGG型を持つ人の割合は99.9%で、世界平均の97.8%より高い割合です。
概要
【疾患の概要】 気管支拡張薬は、肺の空気の通り道(気道)を広げる薬で、空気の出入りをスムーズにします。 その主なはたらきは次のとおりです。 1. 気管支の筋肉をゆるめる:気管支拡張薬は気道のまわりの筋肉(気管支平滑筋)をゆるめます。これにより気道が広がり、呼吸が楽になります。
【治療と注意点】 2. 空気の流れをよくする:気道が広がると、肺へ空気が流れやすくなります。 そのため、息苦しさや胸がしめつけられる感じ、ゼーゼー・ヒューヒューという呼吸音(喘鳴)などの症状がやわらぎます。 3. 炎症をおさえる:一部の気管支拡張薬には炎症をおさえるはたらきがあり、気道の炎症や腫れを減らして症状を軽くします。 4. 息を吐く勢いを強める:肺から空気が出ていく速さが上がり、肺に空気がたまりすぎる状態(過膨張)を防ぎます。 5. 痰(たん)を出しやすくする:気管支拡張薬は気道から痰などの粘液を出しやすくし、肺のはたらきを助けます。 6. 症状をやわらげる:呼吸の症状が軽くなり、運動を続けられる力が高まり、毎日の生活がしやすくなります。 これらの薬は、ふつう吸入器やネブライザー(薬を霧にして吸い込む機械)を使って、気道に直接届けます。 効き目の短いタイプは急な症状をやわらげるために、効き目の長いタイプは症状を長く抑えたり予防したりするために使われます。 気管支拡張薬は一般的に安全ですが、副作用が出ることもあるため、医師の指示どおりに使う必要があります。
【遺伝子との関係】 ハーバード医科大学のHardinらの研究で、気管支拡張剤(気道拡張)の効き目がrs77094751というDNA領域と関係していることがわかりました。 このDNA領域にはGG、GA、AAの3つの遺伝子型があります。Aを持つ遺伝子型の人は、気管支拡張剤が効きやすい傾向があることがわかりました。
気管支拡張剤(気道拡張)の効き目とは
気管支拡張剤とは、肺の空気の通り道(気道)を広げて、空気の出入りをスムーズにする薬です。喘息や慢性閉塞性肺疾患(主にたばこが原因で、肺に空気が出入りしにくくなる病気)の治療に使われ、息苦しさ・胸のしめつけ感・ゼーゼーという呼吸音(喘鳴)などの症状をやわらげます。
気管支拡張剤の6つのはたらき
気管支拡張剤は、次の6つのしくみで呼吸を楽にします。
- 気管支の筋肉をゆるめる:気道のまわりの筋肉をゆるめ、気道を広げることで呼吸を楽にします。
- 空気の流れをよくする:気道が広がって肺へ空気が流れやすくなり、息苦しさや胸のしめつけ感、ゼーゼーという呼吸音(喘鳴)をやわらげます。
- 炎症をおさえる:一部の気管支拡張剤は炎症をおさえるはたらきを持ち、気道の炎症や腫れを減らします。
- 息を吐く勢いを強める:肺から空気が出ていく速さを上げ、肺に空気がたまりすぎるのを防ぎます。
- 痰を出しやすくする:気道から痰などの粘液を出しやすくし、肺のはたらきを助けます。
- 症状をやわらげる:呼吸の症状を軽くし、運動を続けられる力を高めて、毎日の生活をしやすくします。
気管支拡張剤の種類と違い
気管支拡張剤は、効き目が続く時間によって2つに分けられます。効き始めるまでの時間と、効き目が続く時間が違います。
| 比較項目 | 短時間作用型(すぐ効くタイプ) | 長時間作用型(効き目が長く続くタイプ) |
|---|---|---|
| 効き始めるまで | 数分以内 | 15~30分 |
| 効き目が続く時間 | 4~6時間 | 12~24時間 |
| 主な用途 | 急な発作をすぐにやわらげます。 | 症状を長く抑え、予防します。 |
| 使い方 | 吸入器・ネブライザー | 吸入器・ネブライザー |
気管支拡張剤は一般的に安全性の高い薬ですが、動悸(どきどきする)・手の震え・頭痛などの副作用が出ることがあるため、必ず医師の指示どおりに使う必要があります。
遺伝子と気管支拡張剤の効き目の関係
DNA領域rs77094751と気管支拡張剤の効き目の関係
ハーバード医科大学のHardinらの研究(2016年、Pharmacogenomics Journal掲載)で、気管支拡張剤(気道拡張)の効き目がDNA領域rs77094751と関係していることがわかりました。
- rs77094751にはGG・GA・AAの3つの遺伝子型が存在します。
- Aを持つ遺伝子型(GA型・AA型)の人は気管支拡張剤が効きやすい傾向があります。
- このDNA領域はRNU6-655P遺伝子に関係しています。
日本人と世界の遺伝子型の割合の比較(rs77094751)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| GG型 | 99.9% | 97.8% |
| GA型 | 0.1%以下 | 2.1% |
| AA型 | 0.1%以下 | 0.1%以下 |
日本人でGG型を持つ人の割合は99.9%で、世界平均の97.8%より高い割合です。Aを持つ型(GA型とAA型)の人の割合は日本人で0.1%以下で、世界平均の2.1%より低く、日本人の遺伝子の特徴があらわれています。
検査の理論的根拠
代表的なDNA領域:気管支拡張剤(気道拡張)の効き目
気管支拡張剤(気道拡張)の効き目に最も強く関係するDNA領域は、rs77094751です。 日本でそれぞれの遺伝子型を持つ人の割合は下記のとおりです。
- GG
99.9 % - GA
0.1%以下 - AA
0.1%以下
検査の根拠
ハーバード医科大学のHardinらの研究で、気管支拡張剤(気道拡張)の効き目が遺伝子と関係していることがわかりました。人のDNAにはrs77094751という領域があり、この場所にはGとAの2種類の違いがあります。Aを持つ人は、気管支拡張剤が効きやすい傾向があることがわかりました。
今回調査したDNA領域
細胞の中にあるDNAの地図(模式図)
- ■
- ■
- ■
- ■
- ■
- ■
- ■
- ■
- ■
関連遺伝子
| 関連遺伝子 | RNU6-655P |
|---|
よくある質問
Q1. 気管支拡張剤(気道拡張)の効き目とは何ですか?
気管支拡張剤とは、肺の気道を広げて呼吸を楽にする薬です。気管支の筋肉をゆるめる・空気の流れをよくする・炎症をおさえる・痰を出しやすくする、という4つのはたらきで、息苦しさやゼーゼーという呼吸音(喘鳴)などの症状をやわらげます。吸入器やネブライザーで使い、効き目の短いタイプは急な発作をすぐにやわらげるために、効き目の長いタイプは症状を長く抑えるために使われます。
Q2. 気管支拡張剤の効き目は遺伝子と関係していますか?
はい。ハーバード医科大学のHardinらの研究(2016年、Pharmacogenomics Journal)で、DNA領域rs77094751が気管支拡張剤の効き目と関係していることがわかっています。rs77094751にはGG・GA・AAの3つの遺伝子型があり、Aを持つ遺伝子型の人は気管支拡張剤が効きやすい傾向があります。
Q3. 気管支拡張剤に関係する遺伝子型(rs77094751)は、日本人ではどのように分布していますか?
日本人でのrs77094751の遺伝子型の割合はGG型99.9%、GA型0.1%以下、AA型0.1%以下です。世界全体ではGG型97.8%、GA型2.1%、AA型0.1%以下で、日本人はGG型の割合が世界平均より高いという特徴があります。
Q4. 気管支拡張剤にはどんな種類があり、何が違いますか?
気管支拡張剤は短時間作用型(すぐ効くタイプ)と長時間作用型(効き目が長く続くタイプ)の2種類に分けられます。短時間作用型は急な発作のときに数分以内で効き、4~6時間続きます。長時間作用型は1日1~2回使うと12~24時間にわたって気道を広げ続けるので、症状を長く抑えるのに向いています。