末期腎不全
概要
末期腎不全(ESKD)または末期腎臓病(ESRD)は、慢性腎臓病(CKD)の最終段階であり、腎臓の機能がほとんど失われている状態を表します。
この段階にまで進展すると腎臓の機能が10〜15%以下に低下し、廃棄物と余分な液体のろ過や尿の生成、ミネラルの調節などの重要な機能がほとんど機能しなくなります。
ESKDを持つ人々は、廃棄物や余分な液体が蓄積するため、さまざまな症状を示すことがあります。
これには、貧血による疲労感や倦怠感、液体蓄積による浮腫(特に足や目の周囲)、食欲不振、体重減少などが含まれます。また、液体の蓄積が肺に影響を与え、呼吸困難を引き起こすこともあります。
ESKDは治療を受けないと致命的な状態になります。透析は腎臓の機能を代替し、腎移植は健康な腎臓を提供することで対処します。
腎機能の大幅な低下は、血液中の物質のバランスを崩し、異常な心臓リズムや骨疾患などの健康問題を引き起こす可能性があります。生活の質にも大きな影響を与えますので、専門医療の治療が必要になります。
ノースカロライナ大学チャペルヒル校のBridget M Linらの研究により、末期腎不全の罹患リスクがrs12963285というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはTT,TC,CCの3つの遺伝子型があり、Tを持つ遺伝子型の人は、末期腎不全のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
遺伝子領域rs12963285において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- TT64.46%
- TC31.65%
- CC3.89%
遺伝子領域rs12963285において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- TT89.57%
- TC10.14%
- CC0.29%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:末期腎不全
体表的なDNA領域:末期腎不全
末期腎不全 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs12963285です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
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TT
64.5% -
TC
31.7% -
CC
3.9%
検査の根拠
ノースカロライナ大学チャペルヒル校のBridget M Linらの研究により、末期腎不全の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs12963285という領域が存在し、その領域の遺伝子にはTとCの2種類の変異があります。Tタイプの変異を持つ人は、末期腎不全のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | LINC-ROR |
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参考文献
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関連遺伝子 LINC-ROR
- 参考リンク : 2019 May、Bridget M Linと研究グループがFront Genet に発表したGenetics of Chronic Kidney Disease Stages Across Ancestries: The PAGE Studyという研究によると末期腎不全 に関連するrs12963285の関連性が認められました。