好酸球増加症
- 好酸球増加症は白血球の一種である好酸球が血液中で1μLあたり500個以上に増加する免疫異常で、アレルギー・寄生虫感染・自己免疫疾患が主な原因
- DNA領域rs3093479のG型変異を持つ人は発症リスクが高い傾向にあることがケンブリッジ大学の研究で判明
- 軽度では無症状だが、重度では臓器損傷・発熱・皮膚発疹を引き起こすため、原因特定と早期治療が重要
概要 好酸球増加症(eosinophilia)は、白血球の一種である好酸球の数が血液中で通常よりも増加している状態を指します。好酸球は免疫システムの一部として、寄生虫感染やアレルギー反応に関与しています。 通常、血液中の白血球のうち、好酸球は16%程度を占めています。好酸球増加症は、この割合が増えて1マイクロリットルあたり500個以上になることを意味しますが、この基準は検査室によって異なります。 好酸球増加症の原因は様々で、アレルギー反応(花粉、食品、薬物など)、寄生虫感染、アトピー性疾患、自己免疫疾患(全身性エリテマトーデスなど)投薬の副作用、特定のがん(特に血液腫瘍やリンパ腫)などが挙げられます。 好酸球増加症が軽度であれば特に症状が現れないことが多く、重度の場合は、組織や臓器の損傷、発熱、疲労感、皮膚の発疹などを引き起こします。 個人によって状況が大きく異なるため、治療の際にはまず原因の特定が重要となります。 ケンブリッジ大学のVuckovicらの研究により、好酸球増加症の罹患リスクがrs3093479というDNA領域と関連していることが明らかになりました。 このDNA領域にはAA、AG、GGの3つの遺伝子型があり、Gを持つ遺伝子型の人は、好酸球増加症のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
好酸球増加症とは何か
好酸球増加症(eosinophilia)は、白血球の一種である好酸球の数が血液中で1μLあたり500個以上に増加した状態を指す免疫異常です。好酸球は通常、白血球全体の1〜6%を占める免疫細胞で、寄生虫感染やアレルギー反応への防御を担います。
好酸球増加症の原因とは
好酸球増加症の原因は以下の6つに分類されます。
- アレルギー反応:花粉、食品、薬物によるアレルギーが好酸球を活性化
- 寄生虫感染:寄生虫に対する免疫応答として好酸球が増加
- アトピー性疾患:喘息、アトピー性皮膚炎が慢性的な好酸球増加を誘発
- 自己免疫疾患:全身性エリテマトーデス(SLE)などが好酸球を増加させる
- 投薬の副作用:特定の薬剤が好酸球増加を引き起こす
- 悪性腫瘍:血液腫瘍やリンパ腫が原因となるケースがある
好酸球増加症の重症度分類
| 重症度 | 好酸球数(/μL) | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 軽度 | 500〜1,500 | 無症状の場合が多い |
| 中等度 | 1,500〜5,000 | 組織浸潤の可能性あり |
| 重度 | 5,000以上 | 臓器損傷リスクが高い |
好酸球増加症の主な症状
症状は重症度により異なります。
- 軽度:自覚症状なし(血液検査で偶然発見されるケースが多い)
- 中等度〜重度:発熱、慢性的な疲労感、皮膚の発疹・かゆみ
- 臓器障害を伴う場合:咳・息切れ(肺)、腹痛・下痢(消化管)、心不全症状(心臓)
好酸球増加症の診断方法
以下の検査によって診断されます。
- 末梢血好酸球数の測定(血液検査)
- 血清IgE値の測定
- 骨髄検査(重度の場合)
- CT・内視鏡検査(臓器浸潤の評価)
遺伝子と好酸球増加症の関連
DNA領域rs3093479と発症リスクの関係
ケンブリッジ大学のVuckovicらの研究により、DNA領域rs3093479が好酸球増加症の罹患リスクと関連していることが判明しました。
- rs3093479にはAA・AG・GGの3つの遺伝子型が存在
- G型変異を持つ遺伝子型の人は、好酸球増加症のリスクが高い傾向
日本人における遺伝子型分布(rs3093479)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| AA型 | 24.0% | 77.9% |
| AG型 | 49.9% | 20.6% |
| GG型 | 25.9% | 1.3% |
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:好酸球増加症
好酸球増加症 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs3093479です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
- AA
24.0 % - AG
49.9 % - GG
25.9 %
他に、好酸球増加症に関わる遺伝子領域はrs6596834があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
- AA
12.3 % - AC
45.5 % - CC
42.1 %
他に、好酸球増加症に関わる遺伝子領域はrs7080536があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
- GG
99.9 % - GA
0.1%以下 - AA
0.1%以下
他に、好酸球増加症に関わる遺伝子領域はrs34290285があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
- GG
72.4 % - GA
25.3 % - AA
2.2 %
検査の根拠
ケンブリッジ大学のVuckovicらの研究により、好酸球増加症の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。rs3093479領域にはAとGの2種類の変異があり、G型変異を持つ人は好酸球増加症のリスクが高い傾向にあります。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | IL9R |
|---|---|
| 関連遺伝子 | LINC03066 |
| 関連遺伝子 | HABP2 |
| 関連遺伝子 | D2HGDH |
よくある質問(FAQ)
Q1. 好酸球増加症とは何ですか?
好酸球増加症(eosinophilia)は、白血球の一種である好酸球が血液中で1μLあたり500個以上に増加した状態を指す免疫異常です。好酸球は通常、白血球の1〜6%を占め、寄生虫感染やアレルギー反応に関与する免疫細胞です。
Q2. 好酸球増加症の原因は何ですか?
主な原因はアレルギー反応(花粉・食品・薬物)、寄生虫感染、アトピー性疾患、自己免疫疾患(全身性エリテマトーデスなど)、投薬の副作用、特定のがん(血液腫瘍・リンパ腫)です。DNA領域rs3093479のG型変異保有者はリスクが高い傾向にあります。
Q3. 好酸球増加症の症状は?
軽度(500〜1,500/μL)では無症状のことが多いです。重度(5,000/μL以上)では臓器損傷、発熱、慢性的な疲労感、皮膚の発疹、咳・息切れなどの呼吸器症状が現れます。
Q4. 遺伝子検査で好酸球増加症のリスクは分かりますか?
DNA領域rs3093479の遺伝子型を調べることで、好酸球増加症の発症リスク傾向を把握できます。ケンブリッジ大学のVuckovicらの研究により、G型変異を持つ遺伝子型の人はリスクが高い傾向にあることが判明しています。
参考文献
- 参考リンク1 : 2020 Sep., Dragana Vuckovic, Cell
- 参考リンク2 : 2016 Nov., William J Astle, Cell