seeDNAロゴアイコン 好酸球増加症

概要

好酸球増加症(eosinophilia)は、白血球の一種である好酸球の数が血液中で通常よりも増加している状態を指します。好酸球は免疫システムの一部として、寄生虫感染やアレルギー反応に関与しています。

通常、血液中の白血球のうち、好酸球は16%程度を占めています。好酸球増加症は、この割合が増えて1マイクロリットルあたり500個以上になることを意味しますが、この基準は検査室によって異なります。
好酸球増加症の原因は様々で、アレルギー反応(花粉、食品、薬物など)、寄生虫感染、アトピー性疾患、自己免疫疾患(全身性エリテマトーデスなど)投薬の副作用、特定のがん(特に血液腫瘍やリンパ腫)などが挙げられます。
好酸球増加症が軽度であれば特に症状が現れないことが多く、重度の場合は、組織や臓器の損傷、発熱、疲労感、皮膚の発疹などを引き起こします。
個人によって状況が大きく異なるため、治療の際にはまず原因の特定が重要となります。

ケンブリッジ大学のVuckovicらの研究により、好酸球増加症の罹患リスクがrs3093479というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはAA、AG、GGの3つの遺伝子型があり、Gを持つ遺伝子型の人は、好酸球増加症のリスクが高い傾向にあることが分かりました。

遺伝子領域rs3093479において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合

24.05% 49.98% 25.97%
  • AA24.05%
  • AG49.98%
  • GG25.97%

遺伝子領域rs3093479において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合

77.94% 20.69% 1.37%
  • AA77.94%
  • AG20.69%
  • GG1.37%

遺伝子領域rs6596834において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合

12.32% 45.56% 42.13%
  • AA12.32%
  • AC45.56%
  • CC42.13%

遺伝子領域rs6596834において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合

41.28% 45.94% 12.78%
  • AA41.28%
  • AC45.94%
  • CC12.78%

遺伝子領域rs7080536において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合

100.00% 0.00% 0.00%
  • GG100.00%
  • GA0.00%
  • AA0.00%

遺伝子領域rs7080536において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合

93.63% 6.27% 0.10%
  • GG93.63%
  • GA6.27%
  • AA0.10%

遺伝子領域rs34290285において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合

72.41% 25.37% 2.22%
  • GG72.41%
  • GA25.37%
  • AA2.22%

遺伝子領域rs34290285において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合

53.62% 39.21% 7.17%
  • GG53.62%
  • GA39.21%
  • AA7.17%

seeDNAロゴアイコン検査の理論的根拠

体表的なDNA領域:好酸球増加症

体表的なDNA領域:好酸球増加症

好酸球増加症 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs3093479です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。

  • AA

    24.0
    %
  • AG

    50.0
    %
  • GG

    26.0
    %

他に、好酸球増加症に関わる遺伝子領域はrs6596834があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです

  • AA

    12.3
    %
  • AC

    45.6
    %
  • CC

    42.1
    %

他に、好酸球増加症に関わる遺伝子領域はrs7080536があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです

  • GG

    100.0
    %
  • GA

    0.0
    %
  • AA

    0.0
    %

他に、好酸球増加症に関わる遺伝子領域はrs34290285があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです

  • GG

    72.4
    %
  • GA

    25.4
    %
  • AA

    2.2
    %

検査の根拠

ケンブリッジ大学のVuckovicらの研究により、好酸球増加症の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs3093479という領域が存在し、その領域の遺伝子にはAとGの2種類の変異があります。Aタイプの変異を持つ人は、好酸球増加症のリスクが高い傾向にあることが分かりました。

seeDNAロゴアイコン今回調査したDNA領域

細胞中に存在するDNAマップの模式図

seeDNAロゴアイコン関連遺伝子

関連遺伝子 IL9R
関連遺伝子 LINC03066
関連遺伝子 HABP2
関連遺伝子 D2HGDH

seeDNAロゴアイコン参考文献

  • 関連遺伝子 IL9R
  • 参考リンク : 2020 Sep、Dragana Vuckovicと研究グループがCell に発表したThe Polygenic and Monogenic Basis of Blood Traits and Diseasesという研究によると好酸球増加症 に関連するrs3093479の関連性が認められました。
  • 関連遺伝子 LINC03066
  • 参考リンク : 2020 Sep、Dragana Vuckovicと研究グループがCell に発表したThe Polygenic and Monogenic Basis of Blood Traits and Diseasesという研究によると好酸球増加症 に関連するrs6596834の関連性が認められました。
  • 関連遺伝子 HABP2
  • 参考リンク : 2016 Nov、William J Astleと研究グループがCell に発表したThe Allelic Landscape of Human Blood Cell Trait Variation and Links to Common Complex Diseaseという研究によると好酸球増加症 に関連するrs7080536の関連性が認められました。
  • 関連遺伝子 D2HGDH
  • 参考リンク : 2016 Nov、William J Astleと研究グループがCell に発表したThe Allelic Landscape of Human Blood Cell Trait Variation and Links to Common Complex Diseaseという研究によると好酸球増加症 に関連するrs34290285の関連性が認められました。
  • 関連遺伝子 HABP2
  • 参考リンク : 2020 Sep、Dragana Vuckovicと研究グループがCell に発表したThe Polygenic and Monogenic Basis of Blood Traits and Diseasesという研究によると好酸球増加症 に関連するrs7080536の関連性が認められました。