節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型
- 節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型はエプスタイン・バール・ウイルスと深い関係がある血液のがん(悪性リンパ腫)で、アジアや南アメリカの人に多く見られます。
- DNA領域rs13015714のGの型を持つ人はかかるリスクが高い傾向があることが研究で分かっています。
- 治療には放射線治療・薬による治療(化学療法)・造血幹細胞移植が選ばれ、早く見つけることが見通しをよくするカギになります。
概要
【疾患の概要】 節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型は、血液のがんの一種です。NK細胞(ナチュラルキラー細胞)やT細胞という、体を守る白血球ががん化して起こります。主に鼻の中(鼻腔)や副鼻腔、のどの奥(咽頭後部)に起こります。 皮膚や胃腸、睾丸など、ほかの場所に起こることもあります。
【症状と特徴】 この病気はアジアや南アメリカの人に多く見られ、エプスタイン・バール・ウイルスというウイルスと深い関係があります。 たちの悪いリンパ腫で、病気ができる場所によっていろいろな症状が出ます。 鼻にできた場合は、鼻づまりや鼻血、長く続く鼻水などの症状が出ます。 はじめは副鼻腔炎などの軽い病気と間違えられることがあります。しかし病気が進むと、致死性正中肉芽腫(鼻の骨や組織がこわれ、顔の形が大きく変わってしまう状態)を引き起こすことがあります。
【治療と注意点】 予後(病気のこれからの見通し)があまりよくない種類のリンパ腫です。治療には、放射線治療、薬による治療(化学療法)、患者さんに合わせた造血幹細胞移植(血液のもとになる細胞の移植)があります。
【遺伝子との関係】 中山大学のLinらの研究で、節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型へのかかりやすさが、rs13015714というDNA領域と関係していることが分かりました。 このDNA領域にはGG、GT、TTの3つの遺伝子型があります。Gを持つ遺伝子型の人は、節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型にかかるリスクが高い傾向がありました。
節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型とは何か
節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型は、主に鼻の中(鼻腔)・副鼻腔・のどの奥にできる血液のがん(悪性リンパ腫)です。NK細胞(ナチュラルキラー細胞)またはT細胞という白血球ががん化して起こります。エプスタイン・バール・ウイルスと深い関係があり、アジアや南アメリカの人に多く見られます。
節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型の原因とメカニズム
この病気は、次のようないくつかの原因が重なって起こります。
- ウイルス感染:エプスタイン・バール・ウイルスがNK細胞やT細胞に感染したまま残り、細胞が異常に増えます。
- 遺伝子の影響:DNA領域rs13015714のGの型がリスクを高めることに関わります。
- 地域や民族による違い:東アジア(中国・日本・韓国)や南アメリカでかかる人が多いです。
節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型の主な症状
症状は病気ができる場所によって違います。そのため、はじめのうちは副鼻腔炎と間違えられることがあります。
- 鼻づまり
- 鼻血
- 長く続く鼻水
- 顔のはれ・痛み
- 病気が進んだ段階:致死性正中肉芽腫(鼻の骨や組織がこわれ、顔の形が大きく変わる)
皮膚や胃腸、睾丸など、鼻以外の場所にできることもあります。
鼻にできるタイプと鼻以外にできるタイプの違い
| 比較項目 | 鼻のタイプ | 鼻以外のタイプ |
|---|---|---|
| 発症部位 | 鼻の中・副鼻腔・のどの奥 | 皮膚・胃腸・睾丸 |
| 割合 | 高い(全体の約70〜80%) | 低い(全体の約20〜30%) |
| はじめの症状 | 鼻づまり・鼻血・鼻水 | できる場所によって違います。 |
| 予後(これからの見通し) | 比較的よい(早く治療した場合) | よくない傾向 |
| ウイルスとの関係 | 深い関係があります。 | 深い関係があります。 |
治療法の選択肢
予後(病気のこれからの見通し)があまりよくない種類のリンパ腫で、次のような治療が選ばれます。
- 放射線治療:病気が一部にとどまっている段階の基本の治療です。
- 薬による治療(化学療法):L-アスパラギナーゼという薬を含む組み合わせが効果的です。
- 造血幹細胞移植(血液のもとになる細胞の移植):病気が進んだ場合や再発した場合に行います。
遺伝子と節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型の関係
DNA領域rs13015714とかかりやすさの関係
中山大学のLinらの研究で、DNA領域rs13015714が節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型へのかかりやすさと関係していることが分かりました。
- rs13015714にはGG・GT・TTの3つの遺伝子型があります。
- Gの型を持つ遺伝子型(GG型・GT型)の人は、かかるリスクが高い傾向があります。
日本人の遺伝子型の割合(rs13015714)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| GG型 | 13.7% | 5.8% |
| GT型 | 46.6% | 36.7% |
| TT型 | 39.6% | 57.4% |
日本人はGG型の割合(13.7%)が世界平均(5.8%)の約2.4倍で、Gの型を持つ人の割合が高い傾向があります。
検査の科学的な根拠
代表的なDNA領域:節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型
節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型 に最も強く関係するDNA領域は、rs13015714です。 日本でのこのDNA領域の遺伝子型の割合は下のとおりです。
- GG
13.7 % - GT
46.6 % - TT
39.6 %
検査の根拠
中山大学のLinらの研究で、節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型へのかかりやすさが遺伝子と関係していることが分かりました。人のDNAには、rs13015714という場所があり、そこにはGとTの2種類の型があります。Gの型を持つ人は、節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型にかかるリスクが高い傾向がありました。
今回調査したDNA領域
細胞の中にあるDNAの地図の図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | IL18R1 |
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よくある質問
Q1. 節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型とは何ですか?
節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型は、主に鼻の中(鼻腔)・副鼻腔・のどの奥にできる血液のがん(悪性リンパ腫)です。NK細胞(ナチュラルキラー細胞)またはT細胞という白血球ががん化して起こります。エプスタイン・バール・ウイルスと深い関係があり、アジアや南アメリカの人に多く見られます。
Q2. 節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型の原因は何ですか?
主な原因はエプスタイン・バール・ウイルスに感染したままの状態です。このウイルスがNK細胞やT細胞に感染し、細胞が異常に増えるきっかけになります。また遺伝子の影響として、DNA領域rs13015714のGの型がリスクを高めることに関わっています。
Q3. 節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型の症状は?
はじめの症状は鼻づまり・鼻血・長く続く鼻水です。そのため副鼻腔炎と間違えられることがあります。病気が進むと、致死性正中肉芽腫(鼻の骨や組織がこわれ、顔の形が大きく変わる状態)を引き起こすことがあります。
Q4. 遺伝子検査で節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型のリスクは分かりますか?
DNA領域rs13015714の遺伝子型を調べると、かかりやすさの傾向を知ることができます。Gの型を持つ遺伝子型(GG型・GT型)の人はリスクが高い傾向があることが、中山大学のLinらの研究で分かっています。