目の色
- 目の色は虹彩にあるメラニン色素の量と分布で決まり、メラニンが多いほど暗く、少ないほど明るい色になります。
- DNA領域rs1800414のCタイプを持つ人は目の色が特定の色になりやすいことがトロント大学の研究で分かりました。
- 日本人でCタイプ(TC+CC)を持つ人の割合は81.6%で、世界平均の1.7%と比べてとても高い割合です。
概要
【概要】 目の色は、虹彩(黒目のまわりの色のついた部分)にあるメラニン色素の量と分布で変わります。 メラニンは光を吸収するため、多いほど暗く、少ないほど明るく見えます。
【特徴】 茶色の暗い目はメラニンが多く、光を吸収するので暗く見えます。一方、青い目はメラニンが少なく、光をはね返すので青く見えます。 その中間の色は、メラニンの量や光のはね返り方によって変わり、さまざまな色合いがあります。 目の色は遺伝子の影響も受けており、いくつもの遺伝子が関わっています。 そのため、人や地域によって目の色が違います。
【科学的根拠】 トロント大学ミシサガ校のRawofiらの研究で、目の色の違いがrs1800414というDNA領域と関係していることが分かりました。 このDNA領域にはTT,TC,CCの3つの遺伝子型があり、Cを持つ遺伝子型の人は、目の色が特定の色になりやすいことが分かりました。
目の色とは何か
目の色とは、虹彩(黒目のまわりの色のついた部分)にあるメラニン色素の量と分布によって決まる体の特徴です。メラニンは光を吸収する色素で、その量によって目の色が変わります。
目の色が決まるしくみ
目の色は、メラニン色素の量と、光のはね返り方・散らばり方によって決まります。下の表に、目の色の種類とメラニンの関係をまとめました。
目の色とメラニン量の関係
- 茶色・暗い目:メラニンが多く、光を吸収して暗く見えます。
- 青い目:メラニンが少なく、光が細かく散らばる現象(レイリー散乱)で青く見えます。
- 緑・ヘーゼル:メラニンが中くらいの量で、光のはね返りと合わさってさまざまな色合いになります。
目の色の種類と特徴の比較
| 目の色 | メラニン量 | 多い地域 |
|---|---|---|
| 茶色 | 豊富 | 東アジア・アフリカ・南ヨーロッパに多いです。 |
| 青色 | 少量 | 北ヨーロッパに多いです(人口の約8〜10%)。 |
| 緑色 | 中間量 | 北ヨーロッパ・中央ヨーロッパに多いです(世界人口の約2%)。 |
| ヘーゼル | 中間量 | 欧米に多く、光の角度で色が変わって見えます。 |
目の色が人によって違う理由
目の色は遺伝子の影響を受けて決まり、OCA2・HERC2・SLC24A5・SLC45A2など、いくつもの遺伝子が関わっています。そのため、人や地域によって目の色が違います。以前はメンデルの法則にもとづく単純な遺伝だと考えられていましたが、最新の研究では16以上の遺伝子が目の色に影響することが分かっています。
遺伝子と目の色の関係
DNA領域rs1800414と目の色の関係
トロント大学ミシサガ校のRawofiらの研究(2017年、学術誌PeerJに掲載)で、目の色の違いがDNA領域rs1800414と関係していることが分かりました。
- rs1800414にはTT・TC・CCの3つの遺伝子型があります。
- Cタイプを持つ遺伝子型(TC型・CC型)の人は目の色が特定の色になりやすいです。
- このDNA領域はOCA2遺伝子に関係しています。
日本人と世界の遺伝子型の分布の比較(rs1800414)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| TT型 | 18.3% | 98.2% |
| TC型 | 48.9% | 1.7% |
| CC型 | 32.7% | 0.1%以下 |
日本人でCタイプ(TC+CC)を持つ人の割合は81.6%で、世界平均の1.7%と比べてとても高い割合です。これは東アジアの人々に共通する遺伝子の特徴が表れたものです。
そのほかの目の色に関わるDNA領域
目の色にはrs1800414のほかに、rs12913832(HERC2遺伝子)、rs1426654(SLC24A5遺伝子)、rs16891982(SLC45A2遺伝子)も関係しています。
主なDNA領域の日本人と世界の比較
| DNA領域 | 関連遺伝子 | 日本人に多い型 | 世界に多い型 |
|---|---|---|---|
| rs1800414 | OCA2 | TC型 48.9% | TT型 98.2% |
| rs12913832 | HERC2 | AA型 99.9% | AG型 46.4% |
| rs1426654 | SLC24A5 | GG型 99.0% | AA型 85.0% |
| rs16891982 | SLC45A2 | CC型 99.9% | GG型 74.9% |
検査の科学的な根拠
代表的なDNA領域:目の色
目の色に最も強く影響するDNA領域は、rs1800414です。 日本における各遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- TT
18.3 % - TC
48.9 % - CC
32.7 %
ほかに、目の色に関わるDNA領域としてrs12913832があります。 日本における各遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- AA
99.9 % - AG
0.1%以下 - GG
0.1%以下
ほかに、目の色に関わるDNA領域としてrs1426654があります。 日本における各遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- AA
0.1%以下 - AG
0.9 % - GG
99.0 %
ほかに、目の色に関わるDNA領域としてrs16891982があります。 日本における各遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- CC
99.9 % - CG
0.1%以下 - GG
0.1%以下
検査の根拠
トロント大学ミシサガ校のRawofiらの研究で、目の色の違いが遺伝子と関係していることが分かりました。人間のDNAには、rs1800414という場所があり、そこにはTとCの2種類のタイプがあります。Cタイプを持つ人は、目の色が特定の色になりやすいことが分かりました。
今回調べたDNA領域
細胞の中にあるDNAの地図のイメージ図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | OCA2 |
|---|---|
| 関連遺伝子 | HERC2 |
| 関連遺伝子 | SLC24A5 |
| 関連遺伝子 | SLC45A2 |
よくある質問
Q1. 目の色はどのように決まるのですか?
目の色は虹彩内のメラニン色素の量と分布によって決まります。メラニンが多いと茶色や暗い色になり、少ないと光が散らばることで青色に見えます。OCA2・HERC2・SLC24A5・SLC45A2など、いくつもの遺伝子が関わっており、16以上の遺伝子が目の色に影響することが研究で分かっています。
Q2. 目の色と遺伝子の関係とは?
トロント大学ミシサガ校のRawofiらの研究(2017年、学術誌PeerJ)で、DNA領域rs1800414が目の色の違いと関係していることが分かっています。rs1800414にはTT・TC・CCの3つの遺伝子型があり、Cタイプを持つ人は目の色が特定の色になりやすい傾向があります。
Q3. 日本人の目の色に関わる遺伝子型の分布は?
日本人のrs1800414の遺伝子型分布はTT型18.3%、TC型48.9%、CC型32.7%です。世界全体ではTT型98.2%、TC型1.7%、CC型0.1%以下です。日本人はCタイプを持つ人の割合が世界平均よりとても高く、東アジアの人々に共通する遺伝子の特徴が表れています。
Q4. 目の色に関連する遺伝子は何ですか?
目の色に関わる主な遺伝子はOCA2(虹彩のメラニン量を調整)、HERC2(OCA2の働きを調整)、SLC24A5(メラニンづくりに関わる)、SLC45A2(色素を運ぶ働き)の4つです。これらの遺伝子の組み合わせによって、人や地域ごとに目の色が違ってきます。
参考文献
- 参考リンク1 : 2017 Nov., Lida Rawofi, PeerJ
- 参考リンク2 : 2010 Jun., Nicholas Eriksson, PLoS Genet
- 参考リンク3 : 2021 Mar., Mark Simcoe, Sci Adv