顔認識力
- 顔認識力は顔の特徴を見分けて覚える力で、RAPGEF5遺伝子(rs1522280)の遺伝子型によって生まれつきの差が出ます。
- TTタイプは顔認識力が高く、CTタイプはやや低く、CCタイプは低い傾向がケンブリッジ大学の研究で分かっています。
- 日本人ではTT型34.9%・TC型48.3%・CC型16.6%の割合で、世界平均と比べてCC型がやや多いです。
概要
【概要】 顔認識力とは、白と黒の模様でできただまし絵を顔として見分けたり、一人ひとりの顔の特徴を見分けたりする力のことです。 この力が高い人は、写真の中に写っているはずのない人の顔のようなものが見えやすく、一度しか会っていない人の顔を時間がたっても覚えていることがあります。
【特徴】 このような人は、顔認識力が高いと言われます。 これまで、顔認識力は練習で鍛えられるものだと考えられていましたが、実際には、DNAからもある程度の影響を受けることが分かっています。 イギリスのケンブリッジ大学で行われた調査では、RAPGEF5遺伝子の特定のタイプが、顔認識力に大きな影響を与えると報告されています。
【メカニズム】 遺伝子検査で自分の遺伝子タイプを調べると、生まれつきの顔認識力の傾向を知ることができます。 ぜひ試してみてください。 理論的根拠 イギリスのケンブリッジ大学心理学部による最近の研究で、RAPGEF5遺伝子の特定のタイプが顔認識力に影響することが分かりました。 (参考リンク1) この遺伝子の特定の場所「rs1522280」には、TT、CT、CCの3つの遺伝子型があります。 TTタイプの人は顔認識力が高く、CTタイプの人はやや低く、CCタイプの人は低い傾向があります。 このことから、顔認識力には人によって差があることが分かりました。 顔認識力が高い人は、学生なら新学期、社会人なら入社や転職のときに、周りになじみやすく、人付き合いがしやすくなると期待できます。 また、顔認識力がとても高い人の中には、指名手配犯を探す捜査員などに求められる「スーパーレコグナイザー」と呼ばれる力を持つ人もいます。 (参考リンク2) 一方、顔認識力が低い人は、「何度も会っているのに無視された」と誤解されることがあります。 そのため、新しい人に会ったときは、名前や顔の特徴をメモしたり、声や服装などの特徴で見分けられるようにしたりすることが大切です。 このように、顔認識力には遺伝子の影響による傾向があることが分かりました。 自分の顔認識力に合った趣味や仕事を前もって考えておくと、より自分に合った人生の計画を立てられるかもしれません。 作用機序(はたらく仕組み) RAPGEF5遺伝子は、顔認識力に関係する遺伝子の一つで、人の24種類の染色体のうち、7番染色体にあります。 この遺伝子は、脳の「紡錘状回(ぼうすいじょうかい)」という部分に多くあり、目で見た情報などの感覚の情報を伝える通り道のはたらきに影響しています。 紡錘状回は、顔を見たときに反応する部分として知られており、見たものが顔かどうかを判断したり、誰の顔かを見分けたりすることにも関わっていると考えられています。 世界には、顔認識力が低いCCタイプの人が1割ほどいるとされています。
【科学的根拠】 一方、日本人では、TTタイプが32.7%、CTタイプが51.3%、CCタイプが15.9%の割合だと報告されています。 (参考リンク3、4) これらのことから、「rs1522280」は、顔認識力という才能に関係する遺伝子の個人差(一塩基多型)の一つとして注目されています。
顔認識力とは何か
顔認識力とは、白と黒の模様でできただまし絵を顔として見分け、一人ひとりの顔の特徴を見分ける力です。この力が高い人は、写真の中に写っているはずのない人の顔を見つけたり、一度しか会っていない人の顔を長い間覚えていたりする特徴があります。
顔認識力が高い人・低い人の特徴
顔認識力の高さは、ふだんの人付き合いに直接影響します。
| 比較項目 | 顔認識力が高い人 | 顔認識力が低い人 |
|---|---|---|
| 社交面 | 新しい環境になじみやすいです。 | 「無視された」と誤解されることがあります。 |
| 記憶力 | 一度会った人の顔を長い間覚えています。 | 繰り返し会っても顔を覚えにくいです。 |
| 極端な場合 | スーパーレコグナイザー(犯罪の捜査で活躍) | 相貌失認(顔を見分けにくい状態)の傾向 |
| 対処法 | この力を活かした仕事選びができます。 | メモや声・服装で見分けるのが有効です。 |
顔認識力に個人差があるのはなぜか
顔認識力は練習だけでなく、DNAからも影響を受けることが分かっています。イギリスのケンブリッジ大学心理学部の研究(参考リンク1)で、RAPGEF5遺伝子の特定のタイプが顔認識力に影響することが報告されています。
- TTタイプ:顔認識力が高い傾向があります。
- CTタイプ:顔認識力がやや低い傾向があります。
- CCタイプ:顔認識力が低い傾向があります(世界では約1割の人)。
遺伝子と顔認識力の関係
RAPGEF5遺伝子(rs1522280)と顔認識力の関係
RAPGEF5遺伝子は7番染色体にあり、脳の紡錘状回(ぼうすいじょうかい)という部分に多くある遺伝子です。紡錘状回は、顔を見たときに反応する脳の部分として知られ、見たものが顔かどうかの判断や、誰の顔かを見分けることに関わっています。
- RAPGEF5遺伝子は感覚の情報を伝える通り道のはたらきに影響します。
- 紡錘状回は見たものが顔かどうかを判断する部分です。
- rs1522280という場所にはTT・CT・CCの3つの遺伝子型が存在します。
日本人と世界の遺伝子型の割合(rs1522280)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 | 顔認識力の傾向 |
|---|---|---|---|
| TT型 | 34.9% | 48.4% | 高い |
| TC型 | 48.3% | 42.3% | やや低い |
| CC型 | 16.6% | 9.2% | 低い |
日本人はCC型(顔認識力が低い傾向)の割合が16.6%で、世界平均の9.2%より高いという特徴があります。
顔認識力が低い場合の対処法
顔認識力が低い場合でも、次のような工夫で人を見分ける力を補うことができます。
- 初めて会ったときに名前や顔の特徴をメモします。
- 声・服装・髪型など顔以外の特徴で見分ける習慣をつけます。
- 会った場面や状況といっしょに覚えるようにします。
自分の顔認識力の生まれつきの傾向を知ることで、自分に合った趣味や仕事を前もって考え、より自分に合った人生の計画を立てられます。
検査の理論的根拠
代表的なDNA領域:顔認識力
顔認識力に最も強く影響するDNA領域は、rs1522280です。 日本人での遺伝子タイプの割合は下のとおりです。
- TT
34.9 % - TC
48.3 % - CC
16.6 %
検査の根拠
イギリスのケンブリッジ大学心理学部のVerhallenらの研究(2014年)で、RAPGEF5遺伝子のrs1522280という場所が顔認識力に影響することが分かりました。rs1522280にはTT・CT・CCの3つの遺伝子型があり、TTタイプは顔認識力が高く、CTタイプはやや低く、CCタイプは低い傾向があります(参考リンク1)。
今回調査したDNA領域
細胞の中にあるDNAマップの模式図
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よくある質問
Q1. 顔認識力とは何ですか?
顔認識力とは、だまし絵の中に顔を見つけたり、一人ひとりの顔の特徴を見分けて覚えたりする力です。RAPGEF5遺伝子(rs1522280)の遺伝子型によって、この力に生まれつきの差が出ることがケンブリッジ大学の研究で分かっています(参考リンク1)。
Q2. 顔認識力に遺伝子はどのように影響しますか?
RAPGEF5遺伝子のrs1522280という場所には3つの遺伝子型があります。TTタイプは顔認識力が高く、CTタイプはやや低く、CCタイプは低い傾向があります。日本人ではTT型34.9%、TC型48.3%、CC型16.6%の割合になっています(参考リンク3、4)。
Q3. スーパーレコグナイザーとは何ですか?
スーパーレコグナイザーとは、顔認識力がとても高い人のことです。一度見た顔を長い間覚えていて、人ごみの中から特定の人を見つけ出す力に優れています。指名手配犯を探す捜査員などに求められる力として注目されています(参考リンク2)。
Q4. 顔認識力が低い場合はどうすれば良いですか?
顔認識力が低い場合でも、工夫で補うことができます。名前や顔の特徴をメモする、声・服装・髪型など顔以外の特徴で人を見分ける習慣をつけることが役に立ちます。
Q5. 遺伝子検査で顔認識力の傾向は分かりますか?
RAPGEF5遺伝子のrs1522280という場所の遺伝子型を調べることで、顔認識力の生まれつきの傾向を知ることができます。自分の傾向を知ることで、自分に合った仕事選びや人生の計画に役立てられます。
参考文献
- 参考リンク1 : 2014 Aug., Roeland J Verhallen, Neuropsychologia
- 参考リンク2 : 2020 Nov., James D. Dunn, PloS one
- 参考リンク3 : DNA領域「rs1522280」の情報
- 参考リンク4 : DNA情報「rs1522280」の情報(アメリカ国立衛生研究所)