顔認識力
概要
概要
顔認識力とは、白と黒の組み合わせから作られるだまし絵を顔と認識できたり、各々の顔の特徴を見分けたりする能力のことを指します。
ある人は、写真を見た時に映るはずのない人の顔のようなものが見えやすく、また、一度しか会ってない人の顔を時間が経っても記憶できることがあります。このような人は、顔認識力が高いとされています。
これまで、顔認識力はトレーニングによって鍛えられると考えられていましたが、実際には、ヒトのDNAによってある程度影響を受けることが分かっています。
イギリスのケンブリッジ大学で行われた調査によると、RAPGEF5遺伝子の特定タイプは、人の顔認識力に大きな影響を与えることが報告されています。
遺伝子検査で自分の遺伝子タイプを調べることで、遺伝的な顔認識力の傾向を確認することができます。是非試してみてください。
理論的根拠
イギリスのケンブリッジ大学心理学部による最近の研究により、RAPGEF5遺伝子の特定タイプが顔認識力に影響を与えることが分かりました。(参考リンク1)
この遺伝子の特定領域「rs1522280」には、TT、CT、CCの3つの遺伝子型が存在し、TTタイプの人が顔認識力が高く、CTタイプの人がやや低く、CCタイプの人が低い傾向があります。これにより、顔認識力に差があることが明らかになりました。
顔認識力が高い人は、学生なら新学期、社会人なら新卒や転職時において、馴染みやすさや社交性の向上が期待できます。また、顔認識力が極端に高い人は、指名手配犯の捜査員などに求められる「スーパーレコグナイザー」と呼ばれる能力を持つ場合もあります。(参考リンク2)
一方、顔認識力が低い人は、「何度も会っているのに無視された」といった誤解が起こる可能性があります。そのため、新しい人と会った際には、名前や顔の特徴をメモに書いたり、声や服装などの特徴で識別できるようにすることが重要です。
このように、顔認識力には遺伝的な傾向があることが分かりました。自分自身の顔認識力に合った趣味や職業を事前に検討することで、より自分に合った人生設計ができるかもしれません。
作用機序
RAPGEF5遺伝子は、顔認識力に関係する遺伝子の一つであり、人類の24の染色体のうち、7番染色体に位置しています。この遺伝子は、脳の紡錘状回という部位に多く存在し、視覚などの感覚情報を伝達するための経路活性化に影響しています。
また、紡錘状回は、顔を見た際に反応する部位として知られており、視覚刺激が顔かどうか、あるいは個人を特定するためにも関与しているとされています。
世界中には、顔認識力が低いCCタイプの人が1割程度存在するとされています。一方、日本人では、TTタイプが32.7%、CTタイプが51.3%、CCタイプが15.9%の割合であることが報告されています。(参考リンク3、4)
上記から、「rs1522280」は、才能や知性といった顔認識力に関係するSNPの一つとして注目されています。
遺伝子領域rs1522280において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- TT34.9%
- TC48.3%
- CC16.6%
遺伝子領域rs1522280において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- TT48.4%
- TC42.3%
- CC9.2%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:顔認識力
体表的なDNA領域:顔認識力
顔認識力 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs1522280です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
-
TT
34.9% -
TC
48.3% -
CC
16.6%
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
- ■
- ■
- ■
- ■
- ■
- ■
- ■
- ■
- ■
関連遺伝子
| 関連遺伝子 |
|---|
参考文献
- 参考リンク2 : 2020 Nov., James D. Dunn, PloS one
- 参考リンク3 : DNA領域 「rs1522280」の情報 NIH
- 参考リンク4 : DNA情報 「rs152280」の情報 NIH