先天性QT延長症候群
概要
先天性QT延長症候群(LQTS)は、心臓の電気信号に関する遺伝性の疾患で、心臓のリズムに異常が生じ、重篤な場合は心室細動や突然死のリスクを伴います。
LQTSを持つ人は、不整脈のリスクが高くなります。運動やストレスなどの刺激で不整脈(異常な心臓リズム)が引き起こされ、動悸や失神、発作などの症状を示します。
中でもトルサード・ド・ポワントと呼ばれる状態は最も危険であり、失神や突然死につながります。
LQTSは遺伝的な疾患であり、家族間で同様に罹患するケースがあります。
この疾患の原因となる遺伝子の一部は解明されており、これらの遺伝子変異が、心臓細胞に影響を与え、心臓リズムを維持することが困難となります。
治療はライフスタイルの改善や投薬、重症の場合はペースメーカーや除細動器を体内に植え込みます。健康な生活を送るためにも、早期の診断と適切な治療が重要です。
アムステルダム大学のLahrouchiらの研究により、先天性QT延長症候群の罹患リスクがrs1805128というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはCC、CT、TTの3つの遺伝子型があり、Tを持つ遺伝子型の人は、先天性QT延長症候群のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
遺伝子領域rs1805128において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- CC99.04%
- CT0.96%
- TT0.00%
遺伝子領域rs1805128において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- CC97.69%
- CT2.30%
- TT0.01%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:先天性QT延長症候群
体表的なDNA領域:先天性QT延長症候群
先天性QT延長症候群 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs1805128です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
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CC
99.0% -
CT
1.0% -
TT
0.0%
検査の根拠
アムステルダム大学のLahrouchiらの研究により、先天性QT延長症候群の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs1805128という領域が存在し、その領域の遺伝子にはCとTの2種類の変異があります。Cタイプの変異を持つ人は、先天性QT延長症候群のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | KCNE1 |
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参考文献
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関連遺伝子 KCNE1
- 参考リンク : 2020 Jul、Najim Lahrouchiと研究グループがCirculation に発表したTransethnic Genome-Wide Association Study Provides Insights in the Genetic Architecture and Heritability of Long QT Syndromeという研究によると先天性QT延長症候群 に関連するrs1805128の関連性が認められました。