濾胞性リンパ腫と遺伝子検査

概要
濾胞性リンパ腫は、免疫系の一部であるBリンパ球の異常な増殖を特徴とする非ホジキンリンパ腫の一種です。このがんは通常リンパ節に発生しますが、骨髄や血液にも影響を及ぼすケースもあります。徐々に病状が進行する傾向があり、初期症状が表れにくいがんですが、首、脇の下、または鼠径部のリンパ節に、がん性のリンパ球が蓄積することでできる無痛性の腫れで異変に気づく場合があります。 腫れたリンパ節以外にも、濾胞性リンパ腫の異常な細胞増殖に体が反応することによって、B症状と呼ばれる発熱や夜間の発汗、体重減少などが引き起こされます。 また、濾胞性リンパ腫が脾臓の影響が肝臓に及んだ場合は、疲労感や満腹感といった症状が現れ、免疫系が影響を受けた場合は感染症に対する反応が通常よりも敏感になります。 がん全体に共通して言えることですが、濾胞性リンパ腫に関しても、適切な治療を行わずに病気が進行すると、より重篤な症状や合併症を引き起こすため注意が必要です。
遺伝子領域rs11082438において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- GG型99.04%
- GT型0.96%
- TT型0%
遺伝子領域rs11082438において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- GG型87.00%
- GT型12.55%
- TT型0.45%
理論的根拠
体表的なDNA領域:濾胞性リンパ腫
濾胞性リンパ腫に最も強く影響する遺伝子領域は、rs11082438です。
日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
-
GG
99.04% -
GT
0.96% -
TT
0.00%
他に、濾胞性リンパ腫に関わる遺伝子領域はrs17749561があります。
日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
-
GG
100.00% -
GA
0.00% -
AA
0.00%
検査の根拠
カリフォルニア大学バークレー校のSkibolaらの研究によれば、濾胞性リンパ腫のリスクは特定の遺伝子変異と関連していることが判明しました。人間のゲノムに存在するrs11082438という領域には、GとTの2つのタイプの変異があります。Gタイプの遺伝子変異を持つ人は、濾胞性リンパ腫にかかりやすいことが分かっています。
今回調査した各DNA領域が含まれている場所
細胞中に存在するDNAマップの模式図

- ■ rs11082438
- ■ rs17749561
作用機序、メカニズム
関連遺伝子 | SLC14A2 |
---|---|
関連遺伝子 | BCL2 |
参考文献
-
参照資料1:2014 Oct、Christine F Skibolaと研究グループがAm J Hum Genetに発表した
「Genome-wide association study identifies five susceptibility loci for follicular lymphoma outside the HLA region」という研究によると「濾胞性リンパ腫」と関連するDNA領域「rs11082438」・「rs17749561」の関連性が認められました。
参考リンク1 : https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25279986/