大量飲酒の頻度
- 大量飲酒の頻度とは、一度にたくさんのお酒を飲む行動を繰り返す頻度で、肝硬変・心不全・考える力の低下などの深刻な健康リスクに直接つながります。
- DNA領域rs713598のCを持つ人は大量飲酒の頻度が高い傾向にあることがエディンバラ大学の研究で分かりました。
- 日本人でCを持つ人(CC+CG)の割合は67.7%で、世界平均の82.0%より低い割合です。
概要
【概要】 アルコールの飲みすぎ、つまりたくさんのお酒を、何度も、長い期間にわたって飲むことは、その人の健康だけでなく社会にも大きな害をもたらします。 一度に飲みすぎると急性アルコール中毒になり、吐く、意識を失う、呼吸が弱くなるなどの危険な症状が出ることがあります。
【特徴】 長い間お酒を飲みすぎると、肝臓、膵臓、心臓などの大切な臓器が傷つき、肝硬変(肝臓が硬くなって働きが落ちる病気)、心不全(心臓のポンプの力が弱まる病気)、慢性膵炎(膵臓に炎症が続く病気)などのリスクが高まります。 また、アルコールは脳にもダメージを与え、考える力や記憶力が落ちたり、気分が不安定になったりします。 お酒の飲みすぎは、健康だけでなく、仕事や勉強、人間関係にも悪い影響を与えます。 お酒の影響で衝動的になったり攻撃的な行動をとりやすくなったりして、暴力やけが、犯罪につながることもあります。 アルコール使用障害(お酒の量を自分でコントロールできなくなる状態)は、家族関係が壊れたりお金に困ったりするなど、家族にも大きな負担をかけます。 そのため、お酒の飲みすぎは個人だけの問題ではなく、社会全体で取り組むべき大切な健康問題・社会問題でもあります。
【科学的根拠】 エディンバラ大学のMay-Wilsonらの研究により、大量飲酒の頻度がrs713598というDNA領域と関係していることが分かりました。 このDNA領域にはCC、CG、GGの3つの遺伝子型があり、Cを持つ遺伝子型の人は、大量飲酒の頻度が高い傾向にあることが分かりました。
大量飲酒の頻度とは何か
大量飲酒の頻度とは、一度にたくさんのお酒を飲む行動がどのくらい繰り返されるかを表すものです。たくさんのお酒を何度も長い期間飲み続けることは、その人の健康と社会に深刻な害をもたらします。
大量飲酒が健康に与える影響とは
お酒の飲みすぎは、体・心・社会生活の3つの面で深刻なリスクを引き起こします。具体的な影響を分けて紹介します。
身体への影響
- すぐに起こる危険:急性アルコール中毒による吐き気・意識を失う・呼吸が弱くなるといった症状が起こります。
- 肝臓:肝硬変のリスクが高まります(長く飲み続けると肝臓の細胞が壊れます)。
- 心臓:心不全になるリスクが上がります。
- 膵臓:慢性膵炎の原因になります。
脳・心への影響
- 考える力の低下:記憶力・判断力・集中力が落ちます。
- 気分の不安定:うつ病や不安障害のリスクが上がります。
- 行動への影響:衝動的・攻撃的な行動をとりやすくなります。
社会的影響
- 人間関係:家族関係が壊れたり、お金に困ったりします。
- 仕事面:仕事や勉強の成果が落ちます。
- 犯罪リスク:暴力や犯罪につながることがあります。
大量飲酒のリスクと適量飲酒の比較
| 比較項目 | 適量飲酒 | 大量飲酒 |
|---|---|---|
| 肝臓 | 肝臓への影響は小さいです。 | 肝硬変・脂肪肝のリスクが高まります。 |
| 心血管 | 適度な飲酒には体を守る効果があるという報告も一部あります。 | 心不全・高血圧のリスクが上がります。 |
| 脳機能 | 日常生活への影響は小さいです。 | 考える力の低下・記憶力の低下 |
| 社会生活 | 人付き合いの一部として役立ちます。 | 家族関係が壊れる・暴力のリスク |
遺伝子と大量飲酒の頻度の関係
DNA領域rs713598と大量飲酒の関係
エディンバラ大学のMay-Wilsonらの研究(2022年、Nature Communications掲載)により、大量飲酒の頻度がDNA領域rs713598と関係していることが分かりました。
- rs713598にはCC・CG・GGの3つの遺伝子型が存在します。
- Cを持つ遺伝子型(CC型・CG型)の人は大量飲酒の頻度が高い傾向があります。
- このDNA領域はMGAM遺伝子に関係しています。
日本人と世界における遺伝子型分布の比較(rs713598)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| CC型 | 18.7% | 33.3% |
| CG型 | 49.0% | 48.7% |
| GG型 | 32.1% | 17.8% |
日本人でCを持つ人(CC+CG)の割合は67.7%で、世界平均の82.0%より低い割合です。一方、GG型の割合は日本人が32.1%と世界平均の17.8%の約1.8倍高く、日本人の遺伝子の特徴を表しています。
検査の科学的な根拠
代表的なDNA領域:大量飲酒の頻度
大量飲酒の頻度 に最も強く関係するDNA領域は、rs713598です。 日本でのこのDNA領域の遺伝子型の割合は下記のとおりです。
- CC
18.7 % - CG
49.0 % - GG
32.1 %
検査の根拠
エディンバラ大学のMay-Wilsonらの研究により、大量飲酒の頻度が遺伝子と関係していることが分かりました。人の全遺伝情報(ゲノム)には、rs713598という場所があり、そこにはCとGの2種類のタイプがあります。Cタイプを持つ人は、大量飲酒の頻度が高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞の中にあるDNAマップのイメージ図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | MGAM |
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よくある質問
Q1. 大量飲酒の頻度とは何ですか?
大量飲酒の頻度とは、一度にたくさんのお酒を飲む行動がどのくらい繰り返されるかを表すものです。一度に飲みすぎると急性アルコール中毒になり、吐く・意識を失う・呼吸が弱くなるなどの危険な症状が出ます。長く飲みすぎを続けると、肝硬変・心不全・慢性膵炎・考える力の低下など、深刻な健康被害につながります。
Q2. 大量飲酒の頻度は遺伝子と関連していますか?
はい。エディンバラ大学のMay-Wilsonらの研究(2022年、Nature Communications)により、DNA領域rs713598が大量飲酒の頻度と関係していることが分かっています。rs713598にはCC・CG・GGの3つの遺伝子型があり、Cを持つ遺伝子型の人は大量飲酒の頻度が高い傾向にあります。
Q3. 大量飲酒の頻度に関する遺伝子型(rs713598)の日本人における分布は?
日本人におけるrs713598の遺伝子型分布はCC型18.7%、CG型49.0%、GG型32.1%です。世界全体ではCC型33.3%、CG型48.7%、GG型17.8%で、日本人はGG型の割合が世界平均の約1.8倍高いという特徴があります。
Q4. 大量飲酒が健康に与える影響は?
大量飲酒は肝硬変・心不全・慢性膵炎などの臓器の病気、考える力の低下・記憶力の低下・気分の不安定などの脳への影響、さらに人間関係の悪化や、暴力・犯罪につながるリスクの増加など、体にも社会生活にも深刻な影響をもたらします。アルコール使用障害(お酒の量を自分でコントロールできなくなる状態)は個人だけの問題ではなく、社会全体の大切な健康問題・社会問題です。