seeDNAロゴアイコン バセドウ病

概要

1. 概要

バセドウ病は、自己免疫性甲状腺疾患の一種であり、甲状腺ホルモンの産生を促す場所に対して抗体が作られ、過剰に甲状腺ホルモンを分泌する病気です。
主な症状には、動悸や手先の震え、発汗、体重減少、筋力低下、倦怠感、精神的なイライラなどがあります。
<バセドウ病の合併症の一つである甲状腺中毒性周期性四肢麻痺(TPP)は、甲状腺ホルモンのコントロール不良時に激しい運動や暴飲暴食をきっかけに起こり、手足が動かなくなる病気です。
病気の具合によって、カリウム値が低くなり過ぎると、致死性の不整脈をきたすことがあるため、注意が必要です。

母親がバセドウ病の場合、娘がバセドウ病を発症する確率は通常の約6〜10倍と推定されており、やや遺伝しやすい傾向にあります。(参考リンク1)
関連遺伝子として、最近の研究から複数の遺伝子が報告されている中、ITM2A遺伝子付近のある部位が「バセドウ病」や「TPP」の発症リスクに影響を与えている可能性が高いことがわかっています。

バセドウ病は治療法が確立されているものの、発症や予後を予測することが難しい病気です。
そのため、遺伝子検査によりご自身の遺伝子タイプを調べて「バセドウ病」や「TPP」の発症リスクを知ることで、発症の予防や早期対策に役立つことが期待されます。
また、バセドウ病は長期的な付き合いになる可能性があるため、自分の人生目標に合わせた向き合い方が、生活の質を高めるために非常に重要です。

2. 理論的根拠,

韓国の聖ヴィンセント病院と中国の上海交通大学医学院の研究により、遺伝子「ITM2A」付近のDNA領域「rs5912838」の遺伝子型によって、「バセドウ病」と「TPP」を発症しやすい人がいることがわかりました。(参考リンク2、3)
このDNA領域「rs5912838」には、「AA型」、「AC型」、そして「CC型」と3つの遺伝子型が存在しています。
Risk AlleleであるAを持つ、「AA型」は「バセドウ病」と「TPP」を発症しやすい傾向があり、「AC型」はやや起こしやすい傾向があります。
日本人の遺伝子タイプは、「AC型」が49.8%と最も多く、続いて「CC型」が28.1%、そして「AA型」が最も少なく22.1%です。(参考リンク4)
ただし、「AA型」と「AC型」の人が必ずしも「バセドウ病」と「TPP」を発症するわけではなく、生活習慣などの環境要因が重なり合うことで発症する可能性が高くなります。
特に喫煙者は非喫煙者に比べて「バセドウ病」を発症しやすく、三大徴候の一つである「眼球突出」の度合いが高くなると言われています。
また、「TPP」は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される時に激しい運動や飲酒、炭水化物の大量摂取によって発症しやすくなります。(参考リンク5)
特に男性の「バセドウ病」患者に多く見られるため、「AA型」と「AC型」の男性は、過度の飲酒や炭水化物の摂取を避けることが望ましいとされています。
したがって、発症リスクを高める食事や喫煙を避け、正しい環境を選択することが、発症リスクを減らすために重要です。
早い段階で「バセドウ病」と「TPP」の発症リスクを把握することで、生活や環境面でのリスク管理が可能になります。

3. 作用機序

「ITM2A」という遺伝子は、ヒトの24の染色体のうち、X染色体に位置しています。この遺伝子は、甲状腺や卵巣だけでなく、単球やリンパ球といった免疫に関わる細胞でも発現しており、免疫の分化や活性化に関する重要な情報を持っています。
しかし、「ITM2A」が「バセドウ病」や「TPP」といった疾患にどのように関与するかについては、直接的なメカニズムはまだ解明されていません。
ただし、遺伝子「ITM2A」の発現を制御するDNA領域「rs5912838」が、特に「AA型」を持つ人は、単球(白血病の一種)における遺伝子「ITM2A」の発現が制御できず、細菌やウイルス感染後に甲状腺の免疫異常を引き起こし、自己免疫疾患である「バセドウ病」を発症しやすくなる可能性があります。(参考リンク6)
さらに、「TPP」の発症には、過度の炭水化物摂取や運動などのストレス負荷により、細胞内でカリウムが移動することが関与していると考えられています。

以上から、DNA領域「rs5912838」は、「バセドウ病」や「TPP」の発症に深く関係しており、注目を浴びているDNA領域の一つです。

4. 参考文献

遺伝子領域rs5912838において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合

26.3% 49.9% 23.7%
  • AA26.3%
  • AC49.9%
  • CC23.7%

遺伝子領域rs5912838において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合

18.8% 49.1% 32.0%
  • AA18.8%
  • AC49.1%
  • CC32.0%

seeDNAロゴアイコン検査の理論的根拠

体表的なDNA領域:バセドウ病

体表的なDNA領域:バセドウ病

バセドウ病 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs5912838です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。

  • AA

    26.3
    %
  • AC

    49.9
    %
  • CC

    23.7
    %

seeDNAロゴアイコン今回調査したDNA領域

細胞中に存在するDNAマップの模式図

seeDNAロゴアイコン関連遺伝子

関連遺伝子 CTHRC1P1

seeDNAロゴアイコン参考文献

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