髪の色(ブロンド)
- ブロンドヘアはユーメラニン(黒色色素)が少なくフェオメラニン(黄色色素)が残ることでできる髪色で、世界人口の約2%に見られます。
- DNA領域rs12913832のG型がブロンドヘアに関係し、日本人でAA型を持つ人の割合は99.9%と世界で最も高い水準です。
- ブロンドヘアは劣性(潜性)遺伝であり、北欧・中央ヨーロッパに多く見られます。
概要
【概要】 ブロンドの髪は、髪の色の中でも明るい色合いの一つで、主に金髪や薄い黄色の色調を持つ髪を指します。 この髪色は、メラニンと呼ばれる色素の量が少ないため、他の髪色よりも淡く見えるのが特徴です。
【特徴】 具体的には、ユーメラニンと呼ばれる黒色の色素が少なく、フェオメラニンと呼ばれる黄色から赤色の色素がある程度含まれていることで、ブロンドの髪色になります。 ブロンドの髪は、主にヨーロッパ北部や中央部の人々に多く見られます。 特にスカンジナビア諸国やバルト海周辺では、人口の多くがブロンドの髪を持っていますが、アメリカやオーストラリア、その他の地域でも、移住してきた人々やその祖先から受け継いだ遺伝子によってブロンドの髪が見られることがあります。 また、ブロンドの髪は親から子に現れやすい「優性(顕性)」の性質ではなく、両親から受け継いだ特定の遺伝子がそろったときに現れるため、地域によってその出現頻度が異なります。
【科学的根拠】 ハーバード医科大学のHanらの研究により、ブロンドの髪とrs12913832というDNA領域が関連していることが明らかになりました。 このDNA領域にはAA、AG、GGの3つの遺伝子型があり、Gタイプの変異を持つ人は、髪がブロンドになる傾向があることが分かりました。
ブロンドヘア(金髪)とは何か
ブロンドヘア(金髪)は、髪の色素であるメラニンのうち、黒色の色素であるユーメラニンの量が少なく、黄色〜赤色の色素であるフェオメラニンが残ることでできる明るい髪色です。世界人口の約2%が天然のブロンドヘアを持ち、主に北欧・中央ヨーロッパに多く見られます。
ブロンドヘアができる理由
髪の色は、毛髪内のメラニン色素の種類と量によって決まります。ブロンドヘアができる仕組みは以下の通りです。
- ユーメラニンの減少:黒色〜茶色の色素であるユーメラニンの作られる量が、遺伝子の影響で少ないです。
- フェオメラニンの残り:黄色〜赤色の色素であるフェオメラニンが残り、金色〜薄い黄色の色合いになります。
- HERC2/OCA2遺伝子のはたらきの調整:rs12913832のG型がOCA2遺伝子のはたらきを弱め、メラニンが作られにくくなります。
ブロンドヘアの地域別分布
ブロンドヘアの見られる割合は地域によって大きく異なります。
| 地域 | ブロンドの割合 | 特徴 |
|---|---|---|
| フィンランド | 約80% | 世界最高の見られる割合 |
| スウェーデン | 約75% | スカンジナビア諸国 |
| ノルウェー | 約70% | スカンジナビア諸国 |
| ドイツ | 約30〜40% | 中央ヨーロッパ |
| アメリカ | 約5%(天然) | 移住した人々の子孫に見られます。 |
| 日本 | ほぼ0% | AA型99.9%、生まれつきのブロンドはほぼ見られません。 |
ブロンドヘアは優性遺伝か
ブロンドヘアは優性(顕性)遺伝ではなく、劣性(潜性)遺伝です。両親の両方からブロンドに関係する遺伝子のタイプを受け継いだ場合にだけ現れます。そのため、以下の特徴があります。
- 黒髪や茶髪の両親から、ブロンドの子供が生まれるケースがあります(両親がともに潜性の遺伝子を持っている場合)。
- 子供の頃はブロンドでも、成長とともにユーメラニンが作られる量が増えて、髪色が暗くなるケースがあります。
- 北欧では両親ともにブロンド遺伝子を持つ確率が高いため、出現率が高くなります。
ユーメラニンとフェオメラニンの違い
| 比較項目 | ユーメラニン | フェオメラニン |
|---|---|---|
| 色調 | 黒色〜茶色 | 黄色〜赤色 |
| 役割 | 髪を暗くします。 | 髪を明るくします。 |
| 紫外線から守る力 | 高い | 低い |
| ブロンドとの関係 | 量が少ない | 残って金色になります。 |
| 赤毛との関係 | 量が少ない | 多いと赤色になります。 |
遺伝子とブロンドヘアの関連
DNA領域rs12913832とブロンドヘアの関係
ハーバード医科大学のHanらの2008年の研究により、HERC2遺伝子の近くにあるDNA領域rs12913832が、ブロンドヘアと強く関係していることが分かりました。
- rs12913832にはAA・AG・GGの3つの遺伝子型があります。
- G型を持つ人(GG型・AG型)はブロンドヘアになりやすいです。
- AA型の人は暗い髪色(黒髪・茶髪)になる傾向があります。
- 日本人ではAA型が99.9%を占め、G型はほとんど見られません。
日本人と世界における遺伝子型の割合(rs12913832)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| AA型 | 99.9% | 13.4% |
| AG型 | 0.1%以下 | 46.4% |
| GG型 | 0.1%以下 | 40.0% |
DNA領域rs1426654(SLC24A5遺伝子)の役割
SLC24A5遺伝子のDNA領域rs1426654も髪の色や肌の色の明るさ・暗さに関係します。A型を持つ人は色素が薄くなる傾向があります。
日本人と世界における遺伝子型の割合(rs1426654)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| AA型 | 0.1%以下 | 85.0% |
| AG型 | 0.9% | 14.3% |
| GG型 | 99.0% | 0.6% |
日本人ではGG型が99.0%を占め、色素が濃い傾向があります。世界的にはAA型が85.0%で、ヨーロッパ系集団を中心に色素が薄い傾向が見られます。
検査の理論的根拠
代表的なDNA領域:髪の色(ブロンド)
髪の色(ブロンド) に最も強く影響するDNA領域は、rs12913832です。 日本におけるこの場所の遺伝子型の割合は下記のとおりです。
- AA
99.9 % - AG
0.1%以下 - GG
0.1%以下
他に、髪の色(ブロンド)に関わるDNA領域はrs1426654があります。 日本におけるこの場所の遺伝子型の割合は下記のとおりです。
- AA
0.1%以下 - AG
0.9 % - GG
99.0 %
検査の根拠
ハーバード医科大学のHanらの2008年の研究により、髪の色(ブロンド)と遺伝子が関連していることが明らかになりました。人のDNAのrs12913832という場所にはAとGの2種類のタイプがあり、G型を持つ人はブロンドヘアになりやすい傾向があります。日本人ではAA型が99.9%を占めるのに対し、世界ではGG型が40.0%、AG型が46.4%と、G型が広く見られます。また、SLC24A5遺伝子のrs1426654領域も髪色に関与し、A型が色素を薄くする方向にはたらきます。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAの地図のイメージ図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | HERC2 |
|---|---|
| 関連遺伝子 | SLC24A5 |
よくある質問
Q1. ブロンドヘア(金髪)とは何ですか?
ブロンドヘアは、黒色の色素であるユーメラニンの量が少なく、黄色〜赤色の色素であるフェオメラニンが残ることでできる明るい髪色です。世界人口の約2%が天然のブロンドヘアを持ち、北欧・中央ヨーロッパに多く見られます。
Q2. ブロンドヘアの原因となる遺伝子は何ですか?
ハーバード医科大学のHanらの研究により、HERC2遺伝子の近くにあるDNA領域rs12913832がブロンドヘアと強く関係していることが分かっています。G型を持つ人はブロンドになりやすい傾向があります。また、SLC24A5遺伝子のrs1426654も髪色の明るさ・暗さに関係します。
Q3. ブロンドヘアはどの地域に多いですか?
ブロンドヘアは北欧・中央ヨーロッパに集中しています。フィンランドでは人口の約80%、スウェーデンでは約75%がブロンドヘアを持ちます。日本人ではrs12913832のAA型が99.9%を占め、生まれつきのブロンドヘアはほとんど見られません。
Q4. ブロンドヘアは優性遺伝ですか?
ブロンドヘアは劣性(潜性)遺伝です。両親の両方からブロンドに関係する遺伝子のタイプを受け継いだ場合にだけ現れます。黒髪・茶髪の両親からブロンドの子供が生まれるケースもあります。
Q5. ユーメラニンとフェオメラニンの違いは?
ユーメラニンは黒色〜茶色の色素で髪を暗くする役割を持ちます。フェオメラニンは黄色〜赤色の色素です。ブロンドヘアはユーメラニンが少なくフェオメラニンが残ることでできます。赤毛はフェオメラニンが多い状態です。
参考文献
- 参考リンク1 : 2008 May., Jiali Han, PLoS Genet
- 参考リンク2 : 2021 Nov., Longda Jiang, Nat Genet