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心不全

心不全のイメージ画像
  • 心不全は心臓が体に必要な量の血液を十分に送り出せない状態で、「駆出率が低下したタイプ」と「駆出率が保たれたタイプ」の2種類に分けられます。
  • DNA領域rs10455872のG型を持つ人は心不全になりやすい傾向があることがハーバード大学の研究で分かりました。
  • 早期発見・早期治療と生活習慣の見直し・適切な治療により、悪化を防ぎ、その後の経過をよくすることが可能です。

概要

【病気の概要】 心不全は、心臓が体に必要な量の血液を十分に送り出せない、または高い圧力をかけないと血液を送り出せないために起こる状態です。

【症状と特徴】 主な症状は、運動したときや横になったときの息切れ、長く続く咳やゼーゼーという音、疲れやすさ、体力の低下、脚・足首・おなかのむくみ、速い脈や不規則な脈、集中力の低下です。 また、夜中に何度もトイレに行く(夜間頻尿)ことや、急に体重が増えることもあります。 見た目は普通のこともありますが、皮膚が青っぽくなる(チアノーゼ)、首の静脈が腫れる、肝臓が腫れるなど、酸素不足のサインが見られることもあります。 心不全は、心臓が縮む力(血液を押し出す力)が弱まる「駆出率が低下した心不全」と、心臓がゆるむ力(広がる力)が弱まる「駆出率が保たれた心不全」に分けられます。

【治療と注意点】 心不全は長く続き、だんだん悪くなることが多い病気です。 そのため、早く見つけて早く治療を始めること、そして生活習慣を見直すことが大切です。

【遺伝子との関係】 ハーバード大学医学部のRasoolyらの研究により、心不全へのかかりやすさがrs10455872というDNA領域と関係していることが分かりました。 このDNA領域にはAA、AG、GGの3つの遺伝子型があり、Gを持つ遺伝子型の人は、心不全になりやすい傾向があることが分かりました。

心不全とは何か

心不全は、心臓が体に必要な量の血液を十分に送り出せない、または高い圧力をかけないと血液を送り出せないために起こる状態です。ゆっくり進んでいく病気で、早く見つけて早く治療することが、その後の経過を大きく左右します。

心不全の主な症状

心不全の症状は以下のとおりです。

  • 息切れ:運動したときや横になったときに起こります。
  • 長く続く咳・ゼーゼーという音:肺に血液がたまる(肺うっ血)ことで起こる呼吸の症状です。
  • 疲れやすさ・体力の低下:心臓から送り出す血液が減るため、全身に現れる症状です。
  • むくみ(浮腫):脚・足首・おなかに現れます。
  • 速い脈または不規則な脈:弱った働きを補おうとして脈が速くなります。
  • 集中力の低下:脳への血流が減るためです。
  • 夜間頻尿・急な体重増加:体に水分がたまっているサインです。

心不全の2つの分類とその違い

心不全は、駆出率(心臓が1回の拍動で送り出す血液の割合)によって、2つのタイプに分けられます。

比較項目 駆出率が低下した心不全 駆出率が保たれた心不全
状態 心臓の縮む力(血液を押し出す力)が低下 心臓のゆるむ力(広がる力)が不十分
駆出率 40%以下 50%以上
主な原因 心筋梗塞・拡張型心筋症 高血圧・糖尿病・加齢
好発年齢 比較的若い人〜中年 高齢者に多いです。
治療の方法 薬による治療(アンジオテンシン変換酵素阻害薬・β遮断薬など、心臓の負担を減らす薬) もとになる病気の管理・利尿薬(尿を出して体の余分な水分を減らす薬)

心不全の見た目に現れるサイン

心不全の外見は正常な場合もありますが、以下の兆候が現れることがあります。

  • チアノーゼ(皮膚が青くなること):皮膚が青っぽい色に変わります(酸素不足のサイン)。
  • 首の静脈の腫れ:心臓の右側の働きが弱まり、静脈の圧力が上がるためです。
  • 肝臓の腫れ:血液が肝臓にたまることで起こる肝臓の腫れです。

心不全の主な原因とリスクを高める要因

心不全を引き起こす主な病気と、リスクを高める要因は以下のとおりです。

  • 冠動脈疾患:心臓の筋肉(心筋)への血流が減り、心筋が傷つきます。
  • 高血圧:長い間、心臓に強い負担がかかり、心筋が厚くなります。
  • 心臓弁膜症:心臓の弁がうまく働かず、血液の流れが乱れます。
  • 心筋症:心筋そのものの形や働きの異常
  • 遺伝子の影響:DNA領域rs10455872のG型

遺伝子と心不全の関連

DNA領域rs10455872と心不全へのかかりやすさの関係

ハーバード大学医学部のRasoolyらの研究(1)により、DNA領域rs10455872が心不全へのかかりやすさと関係していることが分かりました。

  • rs10455872にはAA・AG・GGの3つの遺伝子型が存在します。
  • G型を持つ遺伝子型の人は、心不全になりやすい傾向があります。

日本人における遺伝子型分布(rs10455872)

遺伝子型 日本人の割合 世界の割合
AA型 99.9% 88.0%
AG型 0.1%以下 11.5%
GG型 0.1%以下 0.3%

DNA領域rs10455872において日本で各遺伝子型を持つ人の割合

  • AA
    99.9%
  • AG
    0.1%以下
  • GG
    0.1%以下

DNA領域rs10455872において世界で各遺伝子型を持つ人の割合

  • AA
    88.0%
  • AG
    11.5%
  • GG
    0.3%

検査の科学的な根拠

代表的なDNA領域:心不全

心不全 に最も強く影響するDNA領域は、rs10455872です。 日本におけるこの領域の遺伝子型の分布は下記のとおりです。

  • AA
    99.9 %
  • AG
    0.1%以下
  • GG
    0.1%以下

検査の根拠

ハーバード大学医学部のRasoolyらの研究により、心不全へのかかりやすさが遺伝子と関係していることが分かりました。人の遺伝情報(ゲノム)の中にはrs10455872というDNA領域があり、この場所にはAとGの2種類の型があります。G型を持つ人は、心不全になりやすい傾向があることが分かりました(1)。

今回調査したDNA領域

細胞中に存在するDNAマップの模式図

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関連遺伝子

関連遺伝子 LPA

よくある質問

Q1. 心不全とは何ですか?

心不全は、心臓が体に必要な量の血液を十分に送り出せない状態です。「駆出率が低下した心不全」と「駆出率が保たれた心不全」の2つに分けられ、息切れ・疲れやすさ・むくみなどの症状が現れます(1)。

Q2. 心不全の主な原因は何ですか?

主な原因は冠動脈疾患・高血圧・心臓弁膜症・心筋症です。これらが心臓のポンプとしての働きを弱めます。遺伝子の影響としては、DNA領域rs10455872のG型がリスクに関わっています(1)。

Q3. 駆出率が低下した心不全と保たれた心不全の違いは?

駆出率が低下した心不全は心臓の縮む力(血液を押し出す力)が低下し、駆出率(心臓が1回の拍動で送り出す血液の割合)が40%以下の状態です。駆出率が保たれた心不全は心臓のゆるむ力(広がる力)が不十分で、駆出率は50%以上あるものの、心臓に血液がうまくたまらない状態です。

Q4. 遺伝子検査で心不全のリスクは分かりますか?

DNA領域rs10455872の遺伝子型を調べることで、心不全へのなりやすさの傾向を知ることができます。G型を持つ遺伝子型の人は心不全になりやすい傾向があることが、ハーバード大学の研究で分かっています(1)。

参考文献