股関節骨折の耐性
概要
骨密度(BMD)は、骨の強さを表す指標です。骨に含まれるミネラルの量を測定し、骨の体積に対するミネラルの割合を示します。骨密度が低いと、骨の構造が弱くなり、骨折のリスクが高まります。
骨密度の測定で特に重要であるのが股関節です。股関節は体重を支え、立つ、歩く、走る、しゃがむといった多くの日常生活の基本動作において重要です。
そのため、股関節を骨折すると、生活の質が大幅に低下し、重症な場合は手術や長期的なリハビリテーションが必要となります。
年齢を重ねても健康的な状態を維持するためには、ライフスタイルの改善や薬物治療、栄養補助品の摂取により、股関節の骨密度を増加させることが重要となります。
ソウル大学のHyung Jin Choiらの研究により、股関節骨折のリスクがrs7776725というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはTT、TC、CCの3つの遺伝子型があり、Cを持つ遺伝子型の人は、股関節骨折のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
遺伝子領域rs7776725において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- TT75.72%
- TC22.59%
- CC1.69%
遺伝子領域rs7776725において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- TT53.40%
- TC39.35%
- CC7.25%
遺伝子領域rs9594759において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- CC71.60%
- CT26.04%
- TT2.37%
遺伝子領域rs9594759において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- CC23.54%
- CT49.96%
- TT26.51%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:股関節骨折の耐性
体表的なDNA領域:股関節骨折の耐性
股関節骨折の耐性 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs7776725です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
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TT
75.7% -
TC
22.6% -
CC
1.7%
他に、股関節骨折の耐性に関わる遺伝子領域はrs9594759があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
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CC
71.6% -
CT
26.0% -
TT
2.4%
検査の根拠
ソウル大学のHyung Jin Choiらの研究により、股関節骨折の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs7776725という領域が存在し、その領域の遺伝子にはTとCの2種類の変異があります。Cタイプの変異を持つ人は、股関節骨折のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | FAM3C |
|---|---|
| 関連遺伝子 | LINC02341 |
参考文献
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関連遺伝子 FAM3C
- 参考リンク : 2016 Oct、Hyung Jin Choiと研究グループがBone に発表したGenome-wide association study in East Asians suggests UHMK1 as a novel bone mineral density susceptibility geneという研究によると股関節骨折の耐性 に関連するrs7776725の関連性が認められました。
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関連遺伝子 LINC02341
- 参考リンク : 2008 May、Unnur Styrkarsdottirと研究グループがN Engl J Med に発表したMultiple genetic loci for bone mineral density and fracturesという研究によると股関節骨折の耐性 に関連するrs9594759の関連性が認められました。