高コレステロール血症(脂質異常症)
概要
高コレステロール血症は、血中のコレステロール値が高い状態を指します。コレステロールは細胞膜の構築やホルモンの生成に必要な脂質ですが、過剰になると健康問題を引き起こします。
高コレステロール血症は遺伝的要因や、食生活、運動不足、肥満などの生活習慣によって生じます。
この状態は通常、身体的な症状を示さず、血液検査で総コレステロール値が240ミリグラム/デシリットル(mg/dL)以上である場合に検出されます。
高コレステロール血症には、LDLコレステロール(「悪玉」コレステロール)が高い場合と、HDLコレステロール(「善玉」コレステロール)が低い場合があります。
この不均衡は動脈にコレステロールプラークを形成し、動脈硬化を引き起こし、心臓発作や脳卒中のリスクを高めます。
非常に高いコレステロール値の人では、目の周りや肘、膝、腱などに脂肪性の沈着物である黄色腫が現れることがあります。早期発見と食事、運動、必要に応じて薬物療法による治療が重要となります。
ミシガン大学のGrahamらの研究により、高コレステロール血症(脂質異常症)の罹患リスクがrs151330264というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはAA,AT,TTの3つの遺伝子型があり、Tを持つ遺伝子型の人は、高コレステロール血症のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
遺伝子領域rs151330264において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- AA100.00%
- AT0.00%
- TT0.00%
遺伝子領域rs151330264において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- AA98.71%
- AT1.28%
- TT0.00%
遺伝子領域rs7570971において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- CC0.00%
- CA0.00%
- AA100.00%
遺伝子領域rs7570971において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- CC27.41%
- CA49.89%
- AA22.70%
遺伝子領域rs174570において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- CC44.66%
- CT44.34%
- TT11.00%
遺伝子領域rs174570において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- CC75.05%
- CT23.16%
- TT1.79%
遺伝子領域rs9987289において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- AA0.01%
- AG1.90%
- GG98.09%
遺伝子領域rs9987289において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- AA0.84%
- AG16.68%
- GG82.48%
遺伝子領域rs149615216において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- CC100.00%
- CT0.00%
- TT0.00%
遺伝子領域rs149615216において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- CC98.54%
- CT1.45%
- TT0.01%
遺伝子領域rs1805081において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- TT54.82%
- TC38.44%
- CC6.74%
遺伝子領域rs1805081において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- TT39.40%
- TC46.74%
- CC13.86%
遺伝子領域rs306890において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- TT58.38%
- TC36.05%
- CC5.57%
遺伝子領域rs306890において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- TT52.88%
- TC39.68%
- CC7.44%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:高コレステロール血症(脂質異常症)
体表的なDNA領域:高コレステロール血症(脂質異常症)
高コレステロール血症(脂質異常症) に最も強く影響する遺伝子領域は、rs151330264です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
-
AA
100.0% -
AT
0.0% -
TT
0.0%
他に、高コレステロール血症(脂質異常症)に関わる遺伝子領域はrs7570971があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
-
CC
0.0% -
CA
0.0% -
AA
100.0%
他に、高コレステロール血症(脂質異常症)に関わる遺伝子領域はrs174570があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
-
CC
44.7% -
CT
44.3% -
TT
11.0%
他に、高コレステロール血症(脂質異常症)に関わる遺伝子領域はrs9987289があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
-
AA
0.0% -
AG
1.9% -
GG
98.1%
他に、高コレステロール血症(脂質異常症)に関わる遺伝子領域はrs149615216があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
-
CC
100.0% -
CT
0.0% -
TT
0.0%
他に、高コレステロール血症(脂質異常症)に関わる遺伝子領域はrs1805081があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
-
TT
54.8% -
TC
38.4% -
CC
6.7%
他に、高コレステロール血症(脂質異常症)に関わる遺伝子領域はrs306890があります。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです
-
TT
58.4% -
TC
36.1% -
CC
5.6%
検査の根拠
ミシガン大学のGrahamらの研究により、高コレステロール血症(脂質異常症)の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs151330264という領域が存在し、その領域の遺伝子にはAとTの2種類の変異があります。Aタイプの変異を持つ人は、高コレステロール血症のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | N4BP2L1 |
|---|---|
| 関連遺伝子 | RAB3GAP1 |
| 関連遺伝子 | FADS2 |
| 関連遺伝子 | PPP1R3B-DT |
| 関連遺伝子 | LIPG |
| 関連遺伝子 | NPC1 |
| 関連遺伝子 | SPRY3 |
参考文献
-
関連遺伝子 N4BP2L1
- 参考リンク : 2021 Dec、Sarah E Grahamと研究グループがNature に発表したThe power of genetic diversity in genome-wide association studies of lipidsという研究によると高コレステロール血症(脂質異常症) に関連するrs151330264の関連性が認められました。
-
関連遺伝子 RAB3GAP1
- 参考リンク : 2010 Aug、Tanya M Teslovichと研究グループがNature に発表したBiological, clinical and population relevance of 95 loci for blood lipidsという研究によると高コレステロール血症(脂質異常症) に関連するrs7570971の関連性が認められました。
-
関連遺伝子 N4BP2L1
- 参考リンク : 2018 Nov、Derek Klarinと研究グループがNat Genet に発表したGenetics of blood lipids among ~300,000 multi-ethnic participants of the Million Veteran Programという研究によると高コレステロール血症(脂質異常症) に関連するrs151330264の関連性が認められました。
-
関連遺伝子 FADS2
- 参考リンク : 2009 Jan、Yurii S Aulchenkoと研究グループがNat Genet に発表したLoci influencing lipid levels and coronary heart disease risk in 16 European population cohortsという研究によると高コレステロール血症(脂質異常症) に関連するrs174570の関連性が認められました。
-
関連遺伝子 PPP1R3B-DT
- 参考リンク : 2017 May、Cassandra N Spracklenと研究グループがHum Mol Genet に発表したAssociation analyses of East Asian individuals and trans-ancestry analyses with European individuals reveal new loci associated with cholesterol and triglyceride levelsという研究によると高コレステロール血症(脂質異常症) に関連するrs9987289の関連性が認められました。
-
関連遺伝子 LIPG
- 参考リンク : 2015 Jun、Ida Surakkaと研究グループがNat Genet に発表したThe impact of low-frequency and rare variants on lipid levelsという研究によると高コレステロール血症(脂質異常症) に関連するrs149615216の関連性が認められました。
-
関連遺伝子 NPC1
- 参考リンク : 2011、Camilla Helene Sandholtと研究グループがPLoS One に発表したStudies of metabolic phenotypic correlates of 15 obesity associated gene variantsという研究によると高コレステロール血症(脂質異常症) に関連するrs1805081の関連性が認められました。
-
関連遺伝子 SPRY3
- 参考リンク : 2018 Mar、Thomas J Hoffmannと研究グループがNat Genet に発表したA large electronic-health-record-based genome-wide study of serum lipidsという研究によると高コレステロール血症(脂質異常症) に関連するrs306890の関連性が認められました。