低酸素症
概要
乳酸は通常血液中に少量存在する物質で、酸素不足になると増加します。これは細胞内でピルビン酸から乳酸への変換が増えることで起こります。
このエネルギーの変化は一時的には役立ちますが、重度になると乳酸が血液中に蓄積され、乳酸アシドーシスという状態になります。
通常の好気状態(酸素がある状態)では、細胞は酸素を使ってミトコンドリアでエネルギーを作ります。
しかし、酸素が不足している低酸素状態では、体はエネルギーを作るプロセスを変えて、乳酸を増やす嫌気性代謝(酸素を使わない代謝)に切り替わり、血液中に乳酸が蓄積されます。
乳酸レベルを測定することで、低酸素状態と体の代謝反応の評価ができます。
高い乳酸値は、体内で酸素の供給と需要のバランスが乱れていることを示し、重度の感染症や虚血などの症状を引き起こします。
ジョンズ・ホプキンス大学のTinらの研究により、低酸素症の罹患リスクがrs9987289というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはAA、AG、GGの3つの遺伝子型があり、Aを持つ遺伝子型の人は、低酸素症のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
遺伝子領域rs9987289において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- AA0.01%
- AG1.90%
- GG98.09%
遺伝子領域rs9987289において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- AA0.84%
- AG16.68%
- GG82.48%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:低酸素症
体表的なDNA領域:低酸素症
低酸素症 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs9987289です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
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AA
0.0% -
AG
1.9% -
GG
98.1%
検査の根拠
ジョンズ・ホプキンス大学のTinらの研究により、低酸素症の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs9987289という領域が存在し、その領域の遺伝子にはAとGの2種類の変異があります。Aタイプの変異を持つ人は、低酸素症のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | PPP1R3B-DT |
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参考文献
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関連遺伝子 PPP1R3B-DT
- 参考リンク : 2016 Jul、A Tinと研究グループがDiabet Med に発表したGCKR and PPP1R3B identified as genome-wide significant loci for plasma lactate: the Atherosclerosis Risk in Communities (ARIC) studyという研究によると低酸素症 に関連するrs9987289の関連性が認められました。
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関連遺伝子 PPP1R3B-DT
- 参考リンク : 2016 Jul、A Tinと研究グループがDiabet Med に発表したGCKR and PPP1R3B identified as genome-wide significant loci for plasma lactate: the Atherosclerosis Risk in Communities (ARIC) studyという研究によると低酸素症 に関連するrs9987289の関連性が認められました。