クリーフストラ症候群
- クリーフストラ症候群2型は、KMT2C遺伝子の変異によって起こる神経発達障害で、体の動きや考える力の発達の遅れ・知的障害・軽い見た目の特徴があります。
- DNA領域rs2073333のT型を持つ人は、この病気にかかるリスクが高い傾向にあることがGudjonssonらの研究で分かりました。
- 日本人でT型を持つ人の割合(CT+TT)は53.3%で、世界平均の38.3%より高いです。
概要
【疾患の概要】 KMT2C遺伝子は、ある酵素をつくるための設計図です。この酵素は、DNAを巻き付けている「ヒストンH3」というたんぱく質の4番目のリジン(アミノ酸の一種)に、メチル基という小さな目印を1つ付けるはたらきをしています。 この目印によってクロマチン(DNAとたんぱく質がまとまった構造)の形が変わり、遺伝子の情報を読み取るスイッチのオン・オフが調節されます。
【治療と注意点】 KMT2C遺伝子は、特に小脳で大切な役割を果たしています。そのため、この遺伝子に変異があると、脳の中で遺伝子が正しくはたらかなくなり、脳の発達に影響が出る可能性があります。 クリーフストラ症候群2型は、KMT2C遺伝子の変異によって起こる神経発達障害(脳や神経の発達に関わる障害)の一つです。 主な特徴は、体の動きや考える力の発達の遅れ(精神運動発達の遅れ)、知的障害、軽い見た目の特徴(軽度の形態異常)です。 KMT2C遺伝子の変異によってクロマチンの目印が正しく付かなくなると、脳の発達に必要な遺伝子がうまくはたらかず、特に神経の発達とはたらきに影響が出る可能性があります。 そのため、KMT2C遺伝子の変異は、知的障害や発達の遅れ、自閉スペクトラム症などと関係し、人との関わり方や行動の問題として表れることがあります。 また、一部の患者さんでは、ほかの症状をともなわずに永久歯が生えてこない(歯ぐきの中にとどまる)ことと関係している可能性もあるとされていますが、これはすべての患者さんに当てはまるわけではありません。
【遺伝的リスク】 アイスランド心臓協会のGudjonssonらの研究により、クリーフストラ症候群にかかるリスクがrs2073333というDNA領域と関係していることが分かりました。 このDNA領域にはCC、CT、TTの3つの遺伝子型があり、Tを持つ遺伝子型の人は、クリーフストラ症候群のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
クリーフストラ症候群とは
クリーフストラ症候群2型は、KMT2C遺伝子の変異によって起こる神経発達障害(脳や神経の発達に関わる障害)です。体の動きや考える力の発達の遅れ(精神運動発達の遅れ)、知的障害、軽い見た目の特徴(軽度の形態異常)が主な特徴です。
クリーフストラ症候群の原因としくみ
KMT2C遺伝子は、ヒストンH3というたんぱく質の4番目のリジン(アミノ酸の一種)に、メチル基という小さな目印を1つ付ける酵素の設計図です。この遺伝子の変異が病気を引き起こすしくみは、次のとおりです。
- 目印の付け方の異常:KMT2Cの変異により、ヒストンに目印(メチル基)が正しく付かなくなり、遺伝子のはたらきの調節が乱れます。
- 脳の発達への影響:特に小脳で大切な役割を果たすKMT2Cのはたらきが弱まり、神経の発達とはたらきに影響が出ます。
- 遺伝子の読み取りの異常:クロマチンの形が変わることで、遺伝子の情報を正しく読み取れなくなります。
クリーフストラ症候群の主な症状
主な症状は次のとおりです。
- 精神運動発達の遅れ(体の動きや考える力の発達の遅れ)
- 知的障害(軽度~中等度)
- 軽い顔つきの特徴(軽度の形態異常)
- 自閉スペクトラム症(人との関わり方・行動の問題を含む)
- 一部の患者では永久歯が生えてこない(ほかの症状はともなわない)ことが報告されています。
クリーフストラ症候群のリスクに関わるもの
| リスクに関わるもの | 詳細 |
|---|---|
| 遺伝子変異 | KMT2C遺伝子の変異(主な原因) |
| DNA領域 | rs2073333でT型を持つこと |
| 遺伝パターン | 常染色体顕性遺伝(親から受け継いだ1つの変異で起こりうる遺伝のしかた)の可能性 |
遺伝子とクリーフストラ症候群の関係
DNA領域rs2073333とかかるリスクの関係
アイスランド心臓協会のGudjonssonらの研究により、DNA領域rs2073333がクリーフストラ症候群にかかるリスクと関係していることが分かりました。
- rs2073333にはCC・CT・TTの3つの遺伝子型が存在します。
- T型を持つ遺伝子型(CT型・TT型)の人は、かかるリスクが高い傾向があります。
日本人における遺伝子型分布(rs2073333)
| 遺伝子型 | 日本人の割合 | 世界の割合 |
|---|---|---|
| CC型 | 46.6% | 61.6% |
| CT型 | 43.3% | 33.7% |
| TT型 | 10.0% | 4.6% |
日本人でT型を持つ人の割合(CT+TT)は53.3%で、世界平均の38.3%と比べて高い割合です。
検査の根拠
代表的なDNA領域:クリーフストラ症候群
クリーフストラ症候群に最も強く影響するDNA領域は、rs2073333です。 日本人の遺伝子型の分布は下記のとおりです。
- CC
46.6 % - CT
43.3 % - TT
10.0 %
検査の根拠
アイスランド心臓協会のGudjonssonらの研究により、クリーフストラ症候群にかかるリスクが遺伝子と関係していることが分かりました。人間のDNAには、rs2073333という場所があり、そこにはCとTの2種類の型があります。T型を持つ人は、クリーフストラ症候群のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞の中にあるDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | SERPINA1 |
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よくある質問
Q1. クリーフストラ症候群とは何ですか?
クリーフストラ症候群2型は、KMT2C遺伝子の変異によって起こる神経発達障害(脳や神経の発達に関わる障害)です。体の動きや考える力の発達の遅れ(精神運動発達の遅れ)、知的障害、軽い見た目の特徴(軽度の形態異常)が主な特徴です。
Q2. クリーフストラ症候群の原因は何ですか?
KMT2C遺伝子の変異が原因です。KMT2Cは、ヒストンH3というたんぱく質の4番目のリジンに、メチル基という目印を1つ付ける酵素の設計図です。この遺伝子に変異があると、クロマチン(DNAとたんぱく質がまとまった構造)に付く目印が乱れ、脳の発達に必要な遺伝子がうまくはたらかなくなります。
Q3. 遺伝子検査でクリーフストラ症候群のリスクは分かりますか?
DNA領域rs2073333の遺伝子型を調べることで、クリーフストラ症候群にかかるリスクの傾向を知ることができます。T型を持つ遺伝子型の人はリスクが高い傾向にあることが、Gudjonssonらの研究で分かっています。
Q4. クリーフストラ症候群の主な症状は?
主な症状は体の動きや考える力の発達の遅れ、知的障害、軽い顔つきの特徴です。さらに、自閉スペクトラム症や、人との関わり方・行動の問題、一部の患者さんでは、ほかの症状をともなわずに永久歯が生えてこないことが報告されています。