重症筋無力症
概要
遅発性重症筋無力症(LOMG)は、通常50歳以上の高齢者に発症する自己免疫疾患の一種です。
この病気は、神経から筋肉への信号伝達が妨げられることにより、体の免疫系が誤って自己のアセチルコリン受容体を攻撃することで引き起こされます。
この病気は、眼瞼下垂(まぶたが垂れ下がる)、複視(ものが二重に見える)、顔面筋の筋力低下、嚥下困難(食べ物を飲み込むのが難しい)、発声障害、筋力低下などの症状を示します。
緩やかに進行することが多く、症状が徐々に悪化していくのが特徴です。
診断には抗体検査が一般的に行われます。また、エレクトロマイオグラフィ(筋電図検査)や反復神経刺激試験も診断に用いられます。
さらに、胸部CTスキャンやMRIを用いて、胸腺腫(胸腺の腫瘍)などの関連疾患の有無を確認することもあります。
治療は症状の改善を目指し、薬物治療や場合によっては胸腺摘出手術などが行われます。
LOMGの進行と重症度は個人によって異なりますが、適切なケアによって生活の質を向上させることができます。
カリフォルニア大学デービス校のSeldinらの研究により、重症筋無力症の罹患リスクがrs2476601というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはAA、AG、GGの3つの遺伝子型があり、Aを持つ遺伝子型の人は、重症筋無力症のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
遺伝子領域rs2476601において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- AA0.00%
- AG0.00%
- GG100.00%
遺伝子領域rs2476601において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- AA0.72%
- AG15.56%
- GG83.71%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:重症筋無力症
体表的なDNA領域:重症筋無力症
重症筋無力症 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs2476601です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
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AA
0.0% -
AG
0.0% -
GG
100.0%
検査の根拠
カリフォルニア大学デービス校のSeldinらの研究により、重症筋無力症の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs2476601という領域が存在し、その領域の遺伝子にはAとGの2種類の変異があります。Aタイプの変異を持つ人は、重症筋無力症のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | PTPN22 |
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参考文献
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関連遺伝子 PTPN22
- 参考リンク : 2016 Mar、Michael F Seldinと研究グループがMol Med に発表したGenome-Wide Association Study of Late-Onset Myasthenia Gravis: Confirmation of TNFRSF11A and Identification of ZBTB10 and Three Distinct HLA Associationsという研究によると重症筋無力症 に関連するrs2476601の関連性が認められました。