左心房肥大
概要
左室肥大(LVH)は、心臓の左室(心臓の4つの室の1つ)の筋肉壁が厚くなる状態です。通常、左室は体に血液を送り出すために強く筋肉質の壁を持っていますが、LVHではその筋肉量が増加しすぎています。
これは通常、高血圧や大動脈弁狭窄症などの要因に対応して起こります。
最初は、この肥大反応は心臓に課せられた過大の負担に対抗するための適応です。しかし、時間が経つと不適応になり、左室の硬直や充填能力の低下、最終的には心機能の効率低下につながることがあります。
これにより、不整脈や心不全、突然の心臓死などのリスクが高まります。
LVHは心筋細胞が大きくなることが特徴です。診断には心電図(ECG)やエコー検査が使われ、心室壁の肥厚や心機能の変化が見られます。
症状は患者によって異なりますが、胸の痛みや動悸、息切れ、めまい、失神などが出ることがあります。
モントリオール大学のRafik Tadrosらの研究により、左心房肥大の罹患リスクがrs2801617というDNA領域と関連していることが明らかになりました。
このDNA領域にはTT,TC,CCの3つの遺伝子型があり、Tを持つ遺伝子型の人は、左心房肥大のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
遺伝子領域rs2801617において日本で各遺伝タイプを持つ人の割合
- TT100.00%
- TC0.00%
- CC0.00%
遺伝子領域rs2801617において世界で各遺伝タイプを持つ人の割合
- TT87.94%
- TC11.67%
- CC0.39%
検査の理論的根拠
体表的なDNA領域:左心房肥大
体表的なDNA領域:左心房肥大
左心房肥大 に最も強く影響する遺伝子領域は、rs2801617です。 日本における同型の遺伝子タイプの分布は下記のとおりです。
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TT
100.0% -
TC
0.0% -
CC
0.0%
検査の根拠
モントリオール大学のRafik Tadrosらの研究により、左心房肥大の罹患リスクが遺伝子と関連していることが明らかになりました。人間のゲノムには、rs2801617という領域が存在し、その領域の遺伝子にはTとCの2種類の変異があります。Tタイプの変異を持つ人は、左心房肥大のリスクが高い傾向にあることが分かりました。
今回調査したDNA領域
細胞中に存在するDNAマップの模式図
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関連遺伝子
| 関連遺伝子 | MIR5007 |
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参考文献
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関連遺伝子 MIR5007
- 参考リンク : 2021 Feb、Rafik Tadrosと研究グループがNat Genet に発表したShared genetic pathways contribute to risk of hypertrophic and dilated cardiomyopathies with opposite directions of effectという研究によると左心房肥大 に関連するrs2801617の関連性が認められました。